A: 感染しにくい生後20ヶ月以下の牛を対象にして、感染率の高い「頭、脊髄、回腸」などの「特定部位」を除去した牛肉が輸入解禁の対象になっているので、基本的には、安全性が高い牛肉が輸入されることになった。しかし、アメリカにおいては、集団飼育を基本にしており、日本のような個体識別制度を得意としてはいない。したがって、はたして生後20ヶ月以下の牛と月齢認定するためのシステムがしっかりしているか、「特定部位」をきちんと除去する体制が整えられるかなどが問題となる。農水省のBSE対策本部でも、輸入条件の順守を確認する米国視察を行うことによって食の安全を確保しようとしているが、米国政府がどれだけ責任をもつかが焦点となる。
いずれにしても、2006年はじめにはアメリカ産の牛肉がス−パーなどの店頭に並び、牛丼チェーン店でもアメリカ産牛肉を素材とした商品が販売されることになる。牛丼チェーン店の中にも、「安全」として素材として使う会社と「まだ安全ではない」としてオーストラリア産を継続して使う会社とにわかれている。消費者サイドとしても、その動向から目をそらさないことが肝要だろう。
A: WHO専門家会議の報告によると、動物やヒトの海綿状脳症において、乳はこれらの病気を伝達しないとされているので、たとえBSEの発生率の高い国の製品であっても、牛乳、乳製品は安全と考えられている。
A: 2005年1月段階で、英国で153名、フランスで9名、アイルランドで2名、イタリア、米国、カナダで各1名が報告されている(厚生労働省:牛海綿状脳症(BSE)等に関するQ&A)。