A: 日本の祭りは、自然に感謝をしたり、畏怖の念を表したりする祈りとしての側面が強い。祭りは、狩猟の獲物や五穀豊穣に感謝する、自然と直結した営みなのだ。北海道のアイヌに伝わるイオマンテ(熊送り)は、狩猟民族が動物に対して感謝の気持ちを捧げる祭りだ。また、東北地方には、青森のねぶたや秋田の竿燈(かんとう)、仙台・七夕の東北三大祭、山形の花笠、弘前のねぷた、鹿角(秋田)の毛馬内盆踊りなどさまざまな祭りがあり、夏の風物詩となっている。このほかにも、関東地方では浅草三社祭、関西地方では京都・祇園祭や岸和田のだんじり、四国では徳島の阿波踊り、九州では博多どんたく港まつり―などが有名だ。
A: 子どもの健やかな成長を願い、毎年夏に全国各地で行われる「地蔵盆」。京都を拠点として活動する環境団体である環境市民は、夏の風物詩となっているこの祭りを環境にやさしいものにしようという「エコ地蔵盆」を提案している。期間中は楽しい祭りも、終了後はゴミの山になることが多い。また、子どもたちが食べるおやつには、着色料などの合成添加物が含まれた袋菓子がほとんどだ。「エコ地蔵盆」は、祭りの期間中にできるだけ添加物が少なく安心できる食べ物を選ぶことや、ゴミを出さない工夫をすることを、参加者に呼びかける試みだ。一方、野外フェスティバルや学園祭の時に、ゴミを出さないことや分別を呼びかける取り組みも各地で増えている。