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「サマータイム」 詳細解説

読み:
さまーたいむ
英名:
Summer Time(daylight saving Time)

サマータイム制度は、世界約70カ国で導入されている。その効果としては、時計の針を1時間進めることによって、たとえば、会社の始業時間が1時間早まることになるため、涼しい時間帯なのでクーラーの使用が抑えられ、また、明るいので照明を使う時間も短縮されるなど、省エネによる二酸化炭素(CO2)の排出削減につながり、温暖化防止に寄与するということがある。また、明るい時間に仕事が終わるため、ショッピングやレジャーなどの経済的効果や、余暇の有効活用などのメリット、交通事故・犯罪の防止などもあげられている。

日本でも戦後間もない1948年に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって、サマータイムが導入されたことがある。このときは石炭が不足し始めて、電力不足が深刻になったことが理由だったが、その後、電力事情の改善などもあって、継続すべきかどうか世論調査を実施した。その結果、「農(漁)村生活にぴったりせず、労働過重になる」「習慣を変更されることを好まない」などの理由で、反対意見が多数を占め、サマータイムは1952年に廃止されている。

その後、石油危機や地球環境問題への関心が高まったこともあり、1990年代からしばしばサマータイムが経済産業省の諮問機関などで取り上げられるようになった。1995年には参議院法制局が「夏時刻法案」を作成するなど、機運が盛り上がり、2004年に超党派の「サマータイム制度推進議員連盟」が設立され、議員立法の準備を進めている。

札幌商工会議所では2004年から、日本標準時より1時間早める「北海道サマータイム月間」を実施している。3年目となる2007年の参加者数は初年度6000人の5倍となる3万人まで増加、サマータイムが北海道全域で実施された場合の消費増加額を、361 億9151万円と推計している。一方、この制度では時計の進みは変えないため、企業内の一部社員の早出出社の形に近い。また、取引先との関係などで早く帰ることができずに労働時間が増えたとするアンケート結果も約18%にのぼっている。

経済財政諮問会議の「骨太方針2007」には、「サマータイムあるいはそれに準じた取り組み」の早期実施を検討することが盛り込まれた。2007年8月の1カ月には、日本経団連が通常の就業時間を1時間早めるサマータイム制を試験導入し、事務局全体で8月の二酸化炭素排出量は前年同月比約5%の減少、約113tになったとしている。

現在、OECD加盟国の中で、日本、韓国、アイスランド、アメリカやオーストラリアの一部の州を除いてはほとんどの国でサマータイムを導入しているが、日本でのサマータイムの導入に対しては、実際にどの程度の省エネ効果があるのか、農業、漁業従事者にとって適切な制度か、サービス残業など労働時間増加、時間を年に2度変えることによる身体、精神への負担、各種システム変更に伴うコストなど、反対意見も少なくない。これらの意見を十分に検討すると同時に、導入した場合にはモニタリングを行うなどしてその効果、影響について評価することが必要であるとされている。

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