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「ガーデニング」 詳細解説

読み:
がーでにんぐ
英名:
Gardening

近年、庭やベランダで花や植物を育てるガーデニングが人気を集めている。ブームの背景には、もともと日本人が植物好きであったことや、ストレス社会に生きる現代人が花や植物に触れることによって癒されたいという思い、さらには中高年を中心にゆとりある生活をしたいという人が増えていることなどがあるようだ。若者もハーブづくりなどを通じて花や植物への関心を高めており、手ごろな観葉植物やミニ盆栽を飾って楽しむなど、人々の生活の中にガーデニングの発想が根づきつつある。お金をかけずに余暇や趣味を楽しむ風潮や、ゆったりとした時間の流れを楽しむスローライフの広がりも、ガーデニングブームを後押ししているのかもしれない。

ガーデニングとはもともと「園芸」を意味する言葉で、なかでも自然の風景がもつ味わいをいかした西欧風ガーデニングの発祥の地は英国とされている。英国をはじめとする欧州では、中世以前から薬に用いるための植物を育てる薬草園などがあった。産業革命前後から、富裕層などを中心として世界中から珍しい植物や造園材料を集めて育てる取り組みが盛んになり、各家庭へと広がった。とくに英国では早くからガーデニングが心と身体の健康を保つ上でよいとされ、18世紀頃には精神の病を患っている人に庭いじりをさせて自然の力でリハビリをさせる方法がとられるようになった。こうした試みは近代医学の発達に伴って忘れかけられたが、20世紀半ばになり園芸療法として復活し、日本でも高齢者向けなどに1990年代半ばから本格的に取り入れられている。

最近では自宅の庭やマンションのベランダだけでなく、地域の人ともガーデニングの楽しみを共有しようという動きが出ている。ドイツの「クラインガルテン(小さな庭)」に似た発想だ。一方、育てた野菜を収穫する市民農園については、1990年に「市民農園整備促進法」が制定されたことがきっかけとなって、多くの人が市民農園を楽しんでいる。また、ビルの屋上や遊休地を使って、都市で暮らし、働く人たちにガーデニングの場を提供する試みが広がりつつある。こうした動きの背景には、軽量の人工土壌など緑化関連資材の開発が進んでいることがある。

ガーデニングや家庭菜園が普及する一方で、家庭用の園芸用殺虫・殺菌剤、肥料などによる事故も年々増えている。(独法)国民生活センターは2011年3月に、園芸用品のうち除草剤や殺虫剤、肥料などによる体調不良や誤飲などの事故を防ぐため、消費者への注意喚起を行った。園芸用除草剤の使用で呼吸困難や体調不良、湿疹が出た事例や、植物活性剤や肥料、除草剤などを誤飲した事例などを紹介している。こうした薬剤を使用するときは、使用者本人はもちろん周辺の地域や住民などへの配慮が欠かせない。

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