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「クールアース50」 詳細解説

読み:
くーるあーすごじゅう
英名:
Cool Earth 50

2007年5月、安倍前総理が発表した、地球温暖化防止のための長期目標。公表当初は「美しい星50」という名だった。世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比べて2050年までに半減することが主な内容で、日本がG8サミットなどの開催を前に、ポスト京都の方向性を示したものとして国際的にも注目された。クールアース50は3つの柱からなる。第1の柱は、「世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減する」という長期目標と、その実現に向けた革新的技術、そしてそれを中核とする「低炭素社会づくり」という長期ビジョンの提唱だ。

第2の柱は、2013年以降の温暖化対策の国際的な枠組みの構築に向けた、次の3原則の提唱だ。
1) 主要排出国がすべて参加し、京都議定書を超え、世界全体での排出削減につなげる
2) 各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組み
3) 省エネなどの技術を活かし、環境保全と経済発展とを両立
そして第3の柱が、京都議定書の目標達成を確実にするため、日本が国民運動を展開するという取り組みだ。

クールアース50を実現するため、福田総理は2008年1月、「クールアース推進構想」を発表した。同構想は、1) ポスト京都フレームワーク、2) 国際環境協力、3) イノベーション(技術革新)、の3つからなり、ポスト京都の枠組みについては、温室効果ガス削減目標の公平さを確保し、主要排出国とともに国別の総量削減目標を掲げて取り組むことを目指すとしている。また、国際協力では、エネルギー効率を世界全体で2020年までに30%改善することや、100億ドル規模の新たな資金メカニズム(クールアース・パートナーシップ)の構築などを掲げる。これらと革新的技術の開発により、低炭素社会への転換を図るのが同構想の骨子だ。また、福田総理は、北海道洞爺湖サミット開催1カ月前の2008年6月、世界の温室効果ガス排出量を2050年までに半減させるため、日本として60〜80%の削減を目指すことを表明した。

また、経済産業省は、革新的技術の開発を進めるため、2008年3月に「Cool Earth―エネルギー革新技術計画」をまとめた。同計画は、2050年の大幅削減に向けて、日本が重点的に取り組むべき21の革新技術(高効率天然ガス火力発電二酸化炭素回収・貯留(CCS)太陽光発電原子力発電など)を選定。長期にわたる技術開発の道標として、それぞれの技術の行程表を作成するとともに、国際連携のあり方を示している。

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