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「砂漠化」 詳細解説

読み:
さばくか
英名:
Desertification

砂漠は、降水がほとんどなく、植生もみられず、人間の生活が困難な「極乾燥地」とされている。砂漠化が急激に進んでいるのは主にアフリカ、アジア、オーストラリア、南アメリカなどで、国連環境計画(UNEP)の2006年の発表によると、砂漠化の影響を受けているのは、600万〜1200万km2である。これは、世界の全陸地面積に対して7%前後にあたり、カナダや中国の面積に匹敵する。また、農地や放牧用地などでは、毎年35万km2以上の面積が生産性を失っているという。砂漠化によって耕作面積が減少すると、食料不足が起き、民族間の争いが生じる。また、砂漠に生きていた動植物が生息できなくなり、砂漠の生態系にも影響が出る。

砂漠化が深刻な事態になったのは1960〜1970年代で、アフリカのサヘル地域では大干ばつに見舞われ、多くの死者や難民が出た。これをきっかけに、1977年に国連で「国連砂漠化対処会議」が開催され、砂漠化防止行動計画(PACD:Plan of Action to Combat Desertification)が採択され、国際レベルでの取り組みがスタートした。しかし、その後も砂漠化は止まることなく、1983〜1984年にかけてアフリカを大干ばつが襲い、飢餓や環境難民が発生した。こうした状況を受けて、1994年6月に、国際的な連帯と協調によって、深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(とくにアフリカの国)における砂漠化に対処し、干ばつの影響を緩和することを目的として、砂漠化対処条約(UNCCD:United Nations Convention to Combat Desertification)が採択され、1996年に発効した。

砂漠化対処条約では、砂漠化の影響を受ける国が負う義務として、砂漠化への対処を優先して十分な資源を配分することや、住民の意識を向上などが示された。また、先進国が負う義務として、途上国による砂漠化対処の努力を支援することや、資金などの支援を提供することが示されている。この条約の発効によって、先進国、発展途上国の別なく砂漠化防止への取り組みが始まった。日本もこの条約に批准しており、米国に次いで第2位の義務的拠出金の拠出国として、毎年140万ドル以上を条約事務局に拠出している。また、政府開発援助(ODA)の各種スキーム(開発調査、技術協力プロジェクト、一般無償資金協力、草の根無償資金協力、及び有償資金協力等)を通じた支援を行っている。

国連は、国際社会が砂漠化への対処をさらに促進することを目的として、砂漠化対処条約が発効して10年の2006年を「砂漠と砂漠化に関する国際年(International Year of Deserts and Desertification, 2006)」とする決議を行った。この中では、各国に対し、この国際年を記念して砂漠化問題に関する一層の普及啓発を図る取り組みを行うことが求められた。

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