企業などが経営理念に基づいて定める、環境への取り組みに関する基本方針。環境マネジメントシステム(EMS)規格であるISO14001における要求事項の一つで、環境目的および目標設定のための枠組みを提供するものと定義されている。最高責任者を含めた経営層は、その組織における環境方針を定め、必要事項を確実に満たさなくてはならない。
必要事項とは、組織の活動、製品・サービスが環境影響について適切であること、継続的な改善と環境汚染の予防を誓約すること、環境関連の法規制・条例などの要求事項を遵守すること、環境目標の設定及び見直し、環境方針の文書化・実行・維持、社員など全従業員への周知、一般の人が入手可能であることなど。
企業による環境パフォーマンスのレベルは、環境方針によって大きく左右される。また、環境方針は環境報告書の必須記載項目にもなっている。たとえば、NTTグループは、NTTグループ環境ビジョン「THE GREENVISION 2020」を策定し、すべての企業活動において地球環境の保全に向けて最大限の努力を行うという理念を示している。最近では、地方自治体や学校などでも環境方針を作成・公表するところがある。