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海野和男のデジタル昆虫記

アトリエのデジタルカメラ

アトリエのデジタルカメラ
2008年12月30日


 毎年、暮れか正月にはアトリエで使っているデジタルカメラについて書いている。今年新たに加わったカメラはニコンD700、オリンパスE-520、μ1030SW、リコーGX200、R10、カシオEX-F1、EX-FH20、DMC-G1だった。昨年の暮れにオリンパスE-3、ニコンD3とD300が加わっていることを考えれば、かなりの数だ。
 撮影枚数を調べてみると、カシオのカメラをのぞけば、だいたい例年通り。合計で約3万枚ちょっとだ。アマチュアのすごい人から見れば、意外に少ない数だと思う。これでもぼくにとってはフイルム時代の最盛期並みだ。ぼくの撮影スタイルでは、毎日シャッターを押しても、せいぜい3〜4万枚なのだろう。
 デジタル移行前のフイルム使用量は、年間800〜1000本ぐらいかなと思う。現像代をあわせると150万円ぐらいはかかっていたわけだ。ということは、これくらいたくさんカメラを導入してもフイルム代より安いのかもしれない。
 カシオのカメラは秒何十コマという連射カメラだから、なんと5万枚近い。もっとも大多数を秒60コマで撮ったとすれば、1000回未満しかシャッターを切っていないことになる。
 各カメラ別のシャッター回数はD300が一番多く8000枚ぐらいだ。ほかのカメラは、暮れに加わったG1をのぞけば一眼レフではそれぞれ4000〜5000枚程度とあまり差はない。他にD90やD3X、E-30など借用したカメラでも2000枚ほど撮影した。
 これをどう使い分けるかだが、高感度が必要な撮影ではD3やD700の右に出るカメラはないだろう。D700が出て、D3の出番は極端に減ってしまったが、高速連射ならD3だ。とはいっても、連射は基本的にしないので、D3のメリットは活かしきっていない。D90は導入はしなかったが、これは使用感でD300とほぼ同等、高感度ではD700に近いぐらい素晴らしいのだが、両方とも購入して間もないので、D90を買ったら、D300やD700を使わなくなってしまうように思い、ちょっともったいないなということで見送ったものだ。現在、あらゆる面から考えて、最もコストパフォーマンスの高いカメラがD90だと思う。
 E-520、E-30などのフォーサーズはボディー内手ぶれ補正も強力、ゴミゼロは今では他のカメラでも当たり前になってきたが、最強であることに変わりはない。レンズ込みで考えれば、魚眼から超望遠までそろえた時に、重量がかなり軽くなり旅にもってこいのカメラだ。
 マイクロフォーサーズになれば、このメリットはもっと活きる。マイクロフォーサーズのG1はこれからの一つのカメラのあり方を提案したのだと思う。この小ささと使いやすさは初心者にはありがたいと思う。そしてマニアックなカメラファンには昔のクラカメのレンズを他社が供給するアダプターでほとんど使えるという思わぬ楽しさもある。そして、そのようなレンズをつけたときに、絞り優先で露出が安定している点は素晴らしいと思う。楽しく遊べるカメラである。
 ぼくの被写体は昆虫がメインである。画質的にはどのカメラも35mmフイルムを凌駕していると思うので不満はない。特にD90やD700の高感度特性の良さは、今まで撮れなかった被写体すら撮れるようになってきている。けれど、ぼくスタイルの昆虫撮影には、優れた最短撮影距離の短い魚眼レンズが重要で、マクロレンズが優秀なこと、性能の良いテレコンが使用できること、レンズのマニュアルフォーカスがしやすいこと、マクロストロボが優秀で使いやすいことなど総合的なシステムとしての使いやすさが必要になる。
 ストロボを工夫して自作したりした昔のフイルム時代から比べれば、どのカメラのシステムもかなりのものだ。けれど便利さになれてくると、もっと使いやすいカメラがという欲求が高まってしまう。それぞれのカメラの良い部分を組み合わせれば素晴らしいカメラができるのだが、他社製や古いレンズやストロボとの互換性がどんどん失われているので、純正品だけで全てを満足させるカメラはないと言うことになってしまう。
写真はD90で撮影したマダガスカルの星空。高感度特性の良さは星をとめて写すことを可能にした。

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