2025/03/05 14:15 ウェザーニュース
寒さのぶり返しもありますが、陽射しや日中の暖かさに春を実感するようになってきました。野菜の生育や価格は天候の影響を受けやすいものです。
ウェザーニュースで実施したアンケート調査では、ほぼ半数が最近の野菜の購入頻度が「減った」と回答しています。「高くて買えない」と野菜の価格高騰を理由に購入を控えている人も多いようです。
回答者からは、「安い野菜や見切り品を狙って購入している」「もやしや冷凍野菜に切り替えている」というコメントも寄せられています。
この冬は野菜価格の高騰が話題となりましたが、3月は野菜売り場にも変化が現れそうです。
スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)の秋葉弘道社長は、「全体に3月後半にかけては落ち着きます。野菜がだいぶ下がってきたという印象になるのでは!?」と予想します。
ダイコン、キャベツ、ブロッコリーなど、食卓に欠かせない野菜はどうなるのでしょうか。
まず、サラダに欠かせない野菜が買いやすくなるという嬉しい情報です。
「先に安くなるのがレタスです。もう下がってきていますが、3月はさらに下がります。キュウリも下がります。
ブロッコリーも高値から脱出します。3月は、この数ヵ月間のなかで一番お買い求めやすくなるでしょう」(秋葉社長)
かなり高めだったダイコン、キャベツ、ハクサイは、3月中旬から下がっていくといいます。
「秋冬ものが早めに終わっているのに春物が遅れて、端境期(はざかいき)で高値になっているのがこれらの野菜です。
ダイコンは、春ダイコンが遅れていて高くなっているので、春ダイコンが出てくる中旬からだんだん落ち着いてくる感じです。
キャベツも似た動きですが、春キャベツに生育障害があるので平年並みまでにはならないでしょう。ただ、春が暖かめなので少し安めになるかもしれません。
暖かいという意味では、タケノコも比較的早めに出回りそうなので、3月はよさそうです。イチゴも3月の暖かさがいいでしょう。非常に期待できます」(秋葉社長)
おすすめなのがサツマイモだといいます。でも、サツマイモの収穫時期は秋では?
「昨夏、産地が天候に恵まれて、大きく美味しく育ちました。それをキュアリングといって貯蔵するので、熟成されて今とても甘いのです。まずい芋を探すのが難しいくらい。焼き芋なんて、皆さん毎回喜んでお買い求め頂いていますよ」(秋葉社長)
逆に2月まで安かった野菜に変化も。
「レンコンは、これまでにないほど厳しくなりそうです。3月頭から日に日に値上がりしていきます。ひな祭り需要は値上がりの1つの要因ですが、例年ならその後下がるところが今年は下がらないと思います。
トマトは異常な寒さで需要が低かったために安めでしたが、3月は高めになります」(秋葉社長)
ほかにも心配な野菜はあります。
「ナノハナは3月は高めです。年末から出がよくて前倒しで出荷されてきたため、ひな祭り需要とともに一気に上がるでしょう。中旬にかけて少し落ち着きますが、すごく安くなるとはいきません。
ジャガイモは全般的によくないです。西の方の産地もできがよくなくて、北海道も早めに終わりになってきます。
ニンジンもちょっとよくない状況です。秋冬ものが早めに終わって春物が遅れて、端境期で高値になっています」(秋葉社長)
秋葉社長は、この冬の野菜の高値について「昨年秋から冬にかけての雨不足が影響し、春も雨が不安要因ではある」といいます。日々の天気の変化にますます注意したいものです。