Text by CINRA編集部
関和亮監督の映画『かくかくしかじか』制作の舞台裏が明かされた。
東村アキコの同名自伝漫画を映画化する『かくかくしかじか』は、東村の生まれ故郷の宮崎をはじめ、石川、東京の3つの街を舞台に、漫画家を夢見るぐうたら高校生・明子と、彼女の人生を変えたスパルタ絵画教師・日高先生の9年間の日々を描いた作品。明子役を永野芽郁、日高先生役を大泉洋が演じる。5月16日公開。
制作は東村の全面協力体制のもと実現。東村は脚本家・伊達さんとともに脚本家として初クレジットも果たしており、脚本を作るべく宮崎と金沢へのロケハンにも同行した。
その理由について東村は「なぜ私がロケハンに行ったかというと、これは自伝漫画なので私しか知らない場所がいっぱいあるからなんです。私がサボっていた喫茶店、一人で行っていた海、バス停…いろんなところがありましたが、私しか案内できない場所なんですよね(笑)」と明かした。
また「宮崎と金沢はあまり街並みも変わっていないので、(当時よく行った場所が)全部まだありました。そこから制作にがっつり入って、脚本も一緒に作らせていただいて。伊達さんがベースを書いて、私がセリフを足し、また時系列を整理して…という、交換日記のように脚本を作っていきました」と語り、エピソードの取捨選択、セリフの修正、宮崎弁の方言指導、美術監修、漫画所作指導まですべてを請け負ったという。
さらに親戚、同級生、後輩と「東村ファミリー」も協力。明子と日高先生が日々を過ごした絵画教室のシーンは東村の祖母の自宅を貸し切って撮影された。
方言指導は実際に俳優としても活動する高校時代の同級生が担当したほか、本物のデッサンが何枚も必要となる絵画教室のシーンでは、当時日高先生の絵画教室に通っていた生徒が集結し、デッサンの準備に協力。
金沢美術工芸大学で行われた合評会のシーンでは、実際に当時東村を指導した美大の教員がカメオ出演。合評会のシーンに出演する学生たちも同大学に通う現役の学生で、同シーンで並べられるデッサンも実際に学生たちが描いた。
東村は「今回は自伝漫画(の映像化)なのでということで、やらせていただきました。本当にこれが最初で最後だと思います」と振り返る。
©東村アキコ/集英社 ©︎2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会
©東村アキコ/集英社 ©︎2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会
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©東村アキコ/集英社 ©︎2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会