
一般社団法人デスフェスは、「よい死の日」である4月14日を中心に、2025年4月12日(土)~17日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて、“死”をオープンにカジュアルに体験できるイベント「Deathフェス 2025」を開催する。
2024年4月に第1回を同会場で開催し、10代から90代まで2000人を超える人が来場した本イベント。今年はさらに規模を拡大し、コンテンツ数を2024年の40から68に拡充。また、渋谷ヒカリエの6階〜11階のカフェ&レストランとも提携する。
2024年の来場者は30代〜50代が半数以上。同時に10代〜20代も全体の4分の1を占め、若い世代にも関心を持たれた
イベントへの思いを担当者に聞いた。
ーー今回のイベントに関して、意図や狙い、ターゲットは?
2025年、日本は“多死社会”を迎えますが、都市化や核家族化により死は遠ざけられ、話しづらいテーマになっています。「Deathフェス」は死をタブーではなく生きることと地続きのテーマとして捉え直し、誰もが気軽に考え、対話できる場を提供します。「終活」というと、シニア層をイメージしますが、死は決してシニアだけのものではないはずです。若年層を含めた幅広い層にアプローチするため、インプット型ではなく体験型のイベントとするため「フェス」としました。
ーー今回のイベントのイチオシ、目玉となるものは?
「よい死の日」(2025年4月14日)には、NEO阿波踊りエンターテインメント集団「寶船」によるスペシャルパフォーマンスをお楽しみいただけます。また期間中は、ビールやおつまみをおともに「死」についてオープンでポジティブに対話する「Deathスナック」も開店します。ほかにも、「地獄VR」「入棺体験」といった没入型ワークショップ、死に関する哲学者や専門家による「アカデミックデイ」開催など見どころ盛りだくさんです。
ーー今回のイベントのアイデアはどのようにして生まれた?また、その実現に向けて苦労した点は?
もともとは共同代表の市川望美、小野梨奈の2人から始まった活動ですが、たくさんの方の共感応援を得て、今年は“カツギテ”と呼ばれる約20人のプロボノメンバーと一緒に、一丸となってただいま準備を進めています。全員、本業があるなかで携わっているので大変ですが、「日本に新たなカルチャーを生む」、その思いで“Death活”を楽しんでいます。
ーーユーザーへのメッセージは?
“死”をテーマにした唯一無二の祭典です。死に対する概念や価値観が変わります。ぜひ足を運んでみてください。
■「死」を通して「生きる」を考える、新しいフェスティバル
没入型ワークショップ「地獄VR」の様子
2025年、団塊世代全員が後期高齢者となり、日本は本格的多死社会を迎える。年間死亡者数は2040年に約170万人でピークを迎え、その後数十年にわたり高止まりし(厚生労働省「人口動態統計」調べ)、社会システムや葬送文化にも大きな課題をもたらすことが予測されている。
しかし、都市化や核家族化により、死を身近に感じたり話したりする機会は減少し、死は遠い存在になりつつある。
そこで、“死”をタブーではなく“生きる”ことと地続きのテーマとして捉え直す場として「Deathフェス」が開催される。同イベントでは、従来のようなシニアを対象とした葬儀や相続を中心とした終活ではなく、「死」というテーマが持つ多様な側面を表現するようなトークセッションや、「地獄VR」「入棺体験」といった没入型ワークショップを実施。また「Deathスナック」で対話の場を設けるなど、多様なコンテンツを通じて、気軽に“死に向き合う”きっかけを提供してくれる。
■開催概要
名称:Deathフェス2025
日時:2025年4月12日(土)〜17日(木)11時〜20時
※最終日は18時終了
※「8/」COURTのみ日程によって終了時間が異なる。
※一部のステージプログラムはオンライン配信あり。
会場:渋谷ヒカリエ 8階「8/」COURT・CUBE、SHOWCASE aiiima、Creative Lounge MOVほか
参加費:無料、事前チケット登録制
※当日現地で受付も可能、一部有償プログラムあり。
■2024年からのパワーアップ点
(1)COURTを全日程貸し切り、会場スペースが拡大。
(2)プログラムが40から68プログラムに拡充。
(3)4月14日(月)は渋谷ヒカリエ4階イベントスクエアでスペシャルパフォーマンスを開催。
(4)4月15日(火)にアカデミック・デイを開催。
(5)渋谷ヒカリエ6階〜11階カフェ&レストラン特典サービス。
(6)4月12日(土)の夜に、Deathフェスネットワーキングパーティを開催。
■主なプログラム
6日間にわたり、68のトークセッションやワークショップ、企画展示や没入型体験、死をテーマにした書籍の展示などさまざまなコンテンツを展開。注目の企画は以下の通り。
4月12日(土)
・ヴィヴィアン佐藤さんによる自分らしく「よい死」を表現するオープニングミニステージ(11時30分〜12時)
・Deathスナック 出張「すなbar」(17時30分〜20時)
4月13日(日)
・Deathスナック 出張「すなbar」(18時15分〜20時)
・死の体験旅行(R)(16時〜18時)
・「地獄VR」一度地獄に落ちてみる+住職の説法(16時45分〜17時45分)
・関東初来迎!ドローン仏による極楽来迎図(19時45分〜20時45分)
4月14日(月)
・NEO阿波踊りエンターテインメント集団「寶船」によるよい死の日Special Performance!(19時〜20時30分)
4月15日(火)
・棺の中でなに想う? Hello Death,Hello New Me!~入棺体験ワークショップ~(18時〜19時30分)
・島薗進さんと竹之内裕文さんによる「死生学」対談(18時30分〜19時30分)
4月16日(水)
・有機還元葬に関するトークセッション(15時30分〜17時)
4月17日(木)
・遺影撮影つき!死生観対話ワークショップ(11時〜12時30分、13時〜14時30分、15時〜16時30分)
・安斎勇樹さん、石山恒貴さん、山宮徳晃さんトークセッション「冒険する組織から学ぶ死をタブー視しない社会の創り方」(書籍付き)(14時30分〜15時30分)
入棺体験
ヴィヴィアン佐藤さん
NEO阿波踊りエンターテインメント集団「寶船」
【写真】関東初来迎!ドローン仏による極楽来迎図
■主な出演者・協力アーティスト
ヴィヴィアン佐藤(芸術家)/遠山正道(株式会社スマイルズ)/村田ますみ(終活スナックめめんともり)/布施美佳子(GRAVETOKYO)/寶船(NEO阿波踊り集団)/島田啓介(マインドフルネス案内人・翻訳家)/木下紫乃(スナックひきだし紫乃ママ)/島薗進(NPO東京自由大学学⾧)/前田陽汰(株式会社むじょう)/小池友紀(at FOREST株式会社)/北野貴大(キャリアブレイク研究所)/北見万幸(横須賀市)/上田裕文(北海道大学)/鵜飼秀徳(ジャーナリスト・浄土宗正覚寺住職)/古田雄介(ノンフィクションライター)/久住謙昭(一般社団法人みんなの仏教・日蓮宗妙法寺)/岩波直樹(非営利株式会社eumo 代表取締役)/葛西智子(株式会社SPACE NTK)/前野マドカ(EVOL株式会社)/竹之内裕文(静岡大学)/市川望美・小野梨奈(一般社団法人デスフェス)ほか
※2025年3月26日現在
※敬称略
■「一般社団法人デスフェス」とは
Deathフェス
2023年4月、NPO法人ETIC.の越境プログラム「Beyonders」に参加し、アイデアを発表。同年8月より、SHIBUYA QWSのプロジェクト「Deathフェス実行委員会」として活動開始。
毎年4月14日を「よい死の日」として、タブー視されがちな「死」というテーマに出合いなおし、生と死のウェルビーイングについて考えるイベントとして「Deathフェス」を提案。さまざまな人の協力を得ながら、2024年4月13日より6日間にわたって渋谷ヒカリエで実現。10代から90代まで2000人を超える来場者から寄せられたさまざまな思いや託された願いをもとに、年間を通した対話の場作り、創造的なオープンイノベーションの場としていくため、Deathフェス実行委員会から「リビングラボfrom Death」へと発展している。
※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。
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