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「お座りください」は実は失礼な言い方?新社会人必読!失敗する前に知っておきたいビジネス敬語20選

  • 2024年4月25日
  • Walkerplus

こんにちは。クイズを愛する2児のサラリーマンけんたろ(@kenlife202010)です。クイズ好きが高じて、日本語や雑学に興味を持つようになり、X(旧Twitter)やVoicyではクイズを中心に言葉の知識や雑学ネタを発信しています。 

こちらでは「言葉にまつわる知識」をテーマに、よくある日本語の間違い、実は知らない身近なモノの名前、漢字、社会人としての言葉、言葉の雑学などをお伝えしていきます。

今回は「身につけておきたい敬語」です。

この春から社会人になられた方は敬語の使い方に悩まれている方も多いのではないでしょうか?私も学生から社会人になったときは、それまで使っていた敬語とのギャップに戸惑いました。ビジネスでは言葉遣い一つで相手に悪印象を与え、それが原因で失敗に至ることも十分にあります。

今回はそんな失敗する前に知っておきたい基本的なビジネス敬語を20個ご紹介します。

承知いたしました
「了解です」は物事を飲み込むことや、理解して承認するなどの意味を持ちます。どちらかと言えば、親しい間柄や社内で用いられます。友人から「〇〇に19時集合でいい?」と聞かれて、「了解!」といった使われ方です。そのため敬意が低い印象を与えかねません。一方、「承知いたしました」は依頼・要求・命令を引き受けるという意味であり、尊敬の意が強い表現となりますので、社外などは特にこちらを使う方がよいでしょう。もしくは「かしこまりました」も丁寧な表現で使えます。

お疲れ様です
「ご苦労様」は他人に仕事を依頼したときなどに、その苦労をねぎらって使う言葉です。そのため目上の人には使わないのが一般的となっています。一方、「お疲れ様です」も相手の労苦をねぎらう意味で使う言葉ですが、こちらは同僚や目上の人に使われます。そのため基本的には「お疲れ様です」を使うのが無難です。しかし、年配の人ではそもそもねぎらいの言葉を目下の人から目上の人に使うものではないとする方もいるので、注意は必要です。

お掛けください
来客があった際に着席を促す場面で、「お座りください」は一見丁寧な言葉に聞こえますが、それと同時に飼い犬に「おすわり」としつける言葉が連想されるのではないでしょうか。「おすわり」にはしつける者からしつけられる者への言葉のイメージが強いので、目上の人には使うのは避けたほうがよいでしょう。「腰を掛ける」という「座る」の言い換えから「お掛けください」とする方がよいとされます。

申し訳ございません
「ごめんなさい」は謝罪の言葉ではありますが、「ごめん(御免)」は“許す”を敬った言葉で「なさい」は「する」の尊敬語「なさる」の命令形になります。つまり「許しなさい」という意味になります。そのため目上の相手には適しておらず、ビジネスでは「申し訳ございません」がよく使われます。しかし、「申し訳ございません」は誤用と言われることがあります。その理由は「申し訳ない」までが1つの言葉であり、それを切って「ございません」という打ち消しの言葉を使うのは間違っているというわけです。ただ、現在では「申し訳」だけで言い訳という意味があるので、そこに「ございません」を付け足しても正しいと言えます。

存じ上げております・存じております
「知る」「思う」の謙譲語が「存じ上げる」となります。もう1つ似た言葉に「存じる」がありますが、似て非なるものです。「存じ上げる」は「〇〇さんのお名前は存じ上げております」のように知っている対象が人であるときに言う言葉です。一方、「存じる」は「〜の商品については存じております」のように対象が商品や日程など人以外であるときに言う言葉です。そのため使うときは間違えないように注意しましょう。

いたしかねます
「できない」の謙譲表現になります。「する」の謙譲語「いたす」に「できない」を意味する「かねる」が付いた謙譲語です。「できかねます」も使うことができますが、「いたしかねます」は自分がへりくだることで相手の要望を受けられない想いをより伝えられます。

私としては
よく「自分的には」「私的には」のような表現を耳にし、どことなく婉曲のニュアンスで用いられています。しかし、本来「〜的」は「〜に関する・性質を有する・状態」といった意味を持ち、「人工的」「物理的」のような使い方をします。婉曲表現が悪いわけではありませんが、自分の意見を述べるときは不自然な印象を受けます。そのため、「私は」「私としては」「私の気持ちとしては」のように言い換えましょう。

ご遠慮願います
「やめてください」は直接的過ぎる言い方になるため、「遠慮」に「ご」を付けた「ご遠慮」と、「ください」は命令形になるためより丁寧な「願います」という表現が望ましいでしょう。厳密に言えば、「控えてください」の意味となり、禁止を表すのには弱いのですが、ビジネスマナーとして許容されています。

復唱いたします
「繰り返します」は特に悪いというわけではありませんし、こちらから相手に話した内容を再度伝えるときには「繰り返しご案内いたします」のように使います。ただ、相手がこちらに話した内容を確認のために再度言うときには「復唱いたします」の方がより丁寧な印象が伝わります。

大変勉強になりました
「参考」を辞書で調べると、「照らし合わせて考えること。自分の考えややり方を決める手がかりとすること。また、その材料」とあります。手がかり、つまりヒントになったという意味合いで「参考になりました」が使われることが多いと思いますが、捉え方によっては、“材料”の部分から「参考程度に聞いておきます」というニュアンスで聞こえかねません。そのため、目上の人に対しては「大変勉強になりました」と伝える方が謙虚な姿勢も伝わるでしょう。

ご無沙汰しております
「お久しぶりです」も広く使えますが、少しくだけた印象を与えます。社内では問題ありませんが、社外でのビジネスシーンでは避けた方が無難です。一方の「ご無沙汰しております」は「久しぶり」と同様の意味ですが、「長い間に訪問も連絡もできておらず申し訳ございません」の詫びの気持ちも含まれているため、ビジネスシーンではこちらを使っておけば間違いありません。

〜の件ですよね
よく「メールのヤツですよね?」のように「ヤツ」を耳にしますが、粗野な印象を受け、親しい間柄なら問題ありませんが、ビジネスシーンでは避けるべきでしょう。百歩譲ってこちらから送ったメールの内容であればまだ良いですが、相手からのメールに対してだと失礼になります。そのため、「〜の件」もしくは具体的にその内容を伝えるのが無難でしょう。

張り切って務めさせていただきます
「やらさせていただきます」はよくある間違いの一つです。「させていただく」は謙譲表現として正しいのですが、「やらさせて」となると「さ」が余分です。こういったものを「さ入れ言葉」と言い、「休まさせていただきます」も「休ませていただきます」が正しいので注意しましょう。では「やらせていただきます」でよいのでしょうか?「やる」が俗っぽい響きをもつため、社外で使うときは特に言い換えた方が無難です。今回の例であれば、自分のやる気を示すために「張り切って務めさせていただきます」とするのもよいでしょう。また、「〜させていただく」を多用すると聞き苦しくなるのでその点も注意です。

いつもお世話になっております
「世話」は「面倒を見ること・面倒なこと」を意味するので、「お世話様です」には「誰かのために頑張ってくれたことに対する労い」の意味が込められます。そのため、目下の人から目上の人に対して使うのは失礼に当たります。ビジネスシーンでは「お世話になっております」を使いましょう。相手への感謝の気持ちが伝わります。

伺います/参ります
敬語の中でも難しいのが尊敬語と謙譲語の使い方です。相手を上げるのが「尊敬語」、自分を下げるのが「謙譲語」です。「〜させていただく」は一見正しい敬語と思いがちですが、「見る」の尊敬語は「ご覧になる」、謙譲語は「拝見する」、「言う」の尊敬語は「おっしゃる」、謙譲語は「申し上げる」のように言葉が変化するものがあります。今回の「行く」の場合も、謙譲語の「伺う」、もしくは「来る」の謙譲語の「参る」を使うのが正しいです。

〜はいかがいたしますか?
「〜はどうしますか?」も丁寧な表現のため、社内や親しい仲であればこちらでも問題ないと思います。しかし、より敬意を持って接する必要のある方に対しては「〜はいかがいたしますか?」もしくは「〜はいかがなさいますか?」を使った方が無難です。元々の言葉を「どう」と「する」から成り立っています。「どう→いかが」、「する→いたす(謙譲語)or なさる(尊敬語)」とすることでより敬意を込めているのが伝わります。ただ、言葉的には「どう」の尊敬語が「いかが」なわけではありません。どちらも漢字では「如何」と書き、敬語レベルに違いはありません。

ご挨拶をさせていただきます
「〜のほう」という言葉は遠回しに言いたい場合や、方向を示す場合、2つのうち1つを示す場合に用いられることがあります。「お体のほうはいかがですか?」のように体調に関してズケズケ聞くのが憚られる場合に使われたり、「会社のほうへ向かいましょう」や「犬と猫なら猫のほうが好きです」のように使われたりします。しかし、中には遠回しにする必要がなく、方角や選択でもない場合にも「〜のほう」が使われることがあります。「ご挨拶のほうをさせていただきます」「お会計のほうは1万円です」「資料のほうをお持ちしました」など。これらはくどさもあるため、「〜のほう」は省くのが賢明です。

お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
電話で相手が名乗らないときに、「誰ですか?」と聞くと角が立ちます。そのような場合は、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」と尋ねましょう。さらに、クッション言葉として、「失礼ですが」「恐れ入りますが」などを最初に付け加えることで、よりやわらかく丁寧に聞くことができます。

どのようなご用件でしょうか?
訪問してきた相手に「何の用ですか?」はあまりにぶっきらぼうな表現であるため控えましょう。「何→どのような」、「用→ご用件」とすることで、より丁寧な敬意を持った印象を相手に伝えることが出来ます。

ご理解いただけたでしょうか?
取引先や目上の相手に理解しているかどうかを確認するときに、「わかりましたか?」と聞くのは気が引けます。「わかる」の尊敬語として「おわかりになる」なので、「おわかりでしょうか?」でも敬語としては問題ありません。しかし、相手には上から目線で捉えられ不快に思う可能性があります。そのため「わかる」を「理解する」と置き換え、「ご理解いただけたでしょうか?」とすることで敬語としても正しく相手に不快感を与えることもありません。

いかがだったでしょうか?

中にはこちらが敬語と捉えていても、実は違っていたり、こちらが親しみを込めたつもりだったとしても相手を不快にさせたりする可能性がある言葉があります。相手との距離感を見定めつつ、社会人としての言葉遣いを身に付けていきましょう。距離感がわからない場合や、大事な商談の場では今回紹介したような言葉を使っておくのが無難です。

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