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予約購入した本に傷が…!?「え、どこ?」「光に当てると、ホラ」美本を取り寄せてほしいこだわり強めのお客さん【作者に聞く】

  • 2024年3月21日
  • Walkerplus

「傷があるので交換していただきたい」本を持ってカウンターにやってきたお客さん。見た目は綺麗な本なのに「光に当てるとわかります」と、角度をつけてカバーの傷を見せた。今回は、漫画家・佐久間薫さんが描く書店員の裏側「カバーいらないですよね」より、ちょっとクセが強い「美本を希望するお客」を紹介したい。

■光にかざしてみるとカバーに「傷がある」ので取り替えてほしい
書店には、さまざまな人が訪れる。「ただ読むだけだから、背が破れていても構わない」という人もいれば、反対に「ほんの少しの傷も許せない」という人もいる。今回訪れた男性は「予約していた本に対する交換希望」だった。

予約した本を購入したものの、カバーに傷があると言う。しかし、書店員が見る限り傷らしきものは見当たらない。なぜなら陳列されていない新しい本だから。「傷…?」書店員がいぶかしく思っていると。

「少しわかりにくいかもしれませんが…」と、男性は本を斜めにした。「光を当てれば分かります。ホラ」と傷を見せる。対応した書店員は「これが傷んでいるというなら本屋にあるもの全部傷んでいることになる」と思った。

店のものと交換可能か陳列棚を確認してもらうと、やはり「全部傷んでいるので、交換してほしい」と男性。「いろんなお客さんがいてこだわるポイントもさまざま…。なるべくそれに沿えるように心がけたい」と別の店員は言う。

今回のような美本にこだわる人や、ちょっと変わったお客にも対応する書店員。本書は「事実をもとにしているお話が多いですが全部ではありませんし、漫画用にアレンジもして描いています」と佐久間さん。こだわりのあるお客さんに対しても「できないこともありますが、うちの店は可能な限り対応する方針です」と話す。

近年は、ネットで手頃に本が購入できる。書店員として勤めていて、どう思うのか聞いてみると「やっぱり本屋は楽しいと思います。よく言われていることだと思いますが、ネット書店は家に居ながら本が探せるし届くのも早くて便利ですが、本屋の店内をぶらぶら当てもなく見て回り、探してもいなかった魅力的な本を見つけることってありますよね?また、うちの店は特に地域密着型なので、常連のお客さんが店員と雑談することも多いです。そういった楽しさは、実店舗ならではだと思います」と本屋の魅力を話した。

本作で佐久間さんがこだわったことは、鉛筆で描いたところ。「ベタの部分も鉛筆で仕上げてそれ以降はスキャンしてパソコンで仕上げるんですが、鉛筆の細かなグラデーションを残したいので微妙な調節が難しく、回によって濃淡のバランスが違ったりします(誰も気づいてないと思いますが(笑)、まあ、それも味わいとして読んでいただけたらと思います」(佐久間)

佐久間さんは、そのほかに「ねこ書店」「猫ニャッ記」「本屋の今泉くん」「そこらへんのおじさん物語」と、新刊「お家、見せてもらっていいですか?」などの著書がある。。


取材協力:佐久間薫(@sasakumako)

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