サイト内
ウェブ

オロナミンCとポカリで…「オロポ」?ブレンドして楽しく水分補給!サウナドリンク徹底解説

  • 2024年1月17日
  • Walkerplus

サウナに入るときに注意すべきことのひとつが水分補給。サウナでは大量の汗をかくため水分補給は不可欠。サウナ(浴室)に入る前、サウナの合間、サウナ後と、水分を摂るべきタイミングはいくつかあり、とにかく水分をこまめに摂ることがサウナを楽しむことに繋がる。ということで、今回はサウナドリンクについて考えてみた。

■サウナ好きでなくても知っている?代表的サウナドリンク「オロポ」
サウナ好きなら知らない人はいない、なんならサウナとは縁遠い人でも聞いたことがあるかもしれないほど、サウナドリンクとして認知されているのが「オロポ」。“オロポ”という飲料があるわけではなく、大塚製薬の「オロナミンCドリンク」と「ポカリスエット」を合わせたドリンクのことだ。

「オロポ」を初めて提供したサウナ施設は東京・西麻布にある「Adam・Eve(アダムアンドイブ)」といわれている。女性専用サウナと男性専用サウナがある施設だが、ここの女性専用サウナEveで「オロナミンCドリンク」に「ヤクルト」を入れたドリンクを販売していたことがあった。ただ、甘味が強く量が少なめということもあり、それならと先代が「ヤクルト」の代わりにポカリスエットを入れてみようと作ったのが「オロポ」誕生のきっかけ。以後、20数年以上で愛され続けている。

「Adam & Eve」では浴室と食事ができる休憩所が直結しているため、サウナの前だろうが、途中だろうが、いつでも飲みたいときに「オロポ」が飲める環境にある。これはほかの施設ではなかなか体験できない水分補給のスタイルだ。ちなみに、「オロポ」以外でもアルコールでなければ浴室でドリンクメニューが楽しめる。

この「オロポ」が実際にサウナを利用した人たちの間で評判を呼び、「Adam・Eve」だけでなく、広くサウナ施設で提供されるようになった。最初からオロナミンCドリンクとポカリスエットを合わせた状態で提供する場合と、オロナミンCドリンクの瓶とポカリスエット(缶またはペットボトル)、氷が入ったグラスを提供して自分でブレンドするスタイルなど、提供方法は施設によって異なる。「オロナミンC」と「ポカリスエット」を1:1で混ぜるのが一般的だが、自分でブレンドする場合は好みの比率にすることも可能だ。

スーパー銭湯&炭酸泉発祥の店として知られる「竜泉寺の湯」(愛知県名古屋市)では、BEAMS監修で「オロポ」をテーマにデザインしたTシャツやバッグ、タオル、ジョッキなどのグッズを販売するまでになった。そんなこんなで「オロポ」が広くサウナドリンクと知られることとなり、サウナ後の喉と体をほどよく潤すドリンクとして、サウナとの相性の良さからすっかりサウナドリンクとして定着した。

■スポーツドリンク+ビタミン系炭酸飲料の組み合わせが人気
「オロポ」を構成する飲料はいずれも大塚製薬の商品だったが、スポーツドリンク+ビタミン系炭酸飲料の組み合わたドリンクでもいけるのではということで、次々とポスト「オロポ」が登場した。

ポカリスエットといえば同じようにスポーツ時の水分補給ドリンクとして、「アクエリアス」(日本コカ・コーラ)が浮かぶ。ということで、次なるサウナドリンクは、オリンピック公式スポーツ飲料としても知られる「アクエリアス」と同じ日本コカ・コーラから発売されている「リアルゴールド」を合わせた「アクリ」。施設の食事処でコカ・コーラ製品を扱っていたり、自販機を置いていたりすることもあり、比較的出会える可能性は高い。

1980年代に登場したポカリスエットやアクエリアスと比較すると、2012年誕生と歴史は新しいものとして、サントリーの「グリーン ダ・カ・ラ」に、同じくサントリーの「デカビタC」を合わせた「デカラ」もある。運動するときの水分補給ドリンクというより“日常生活の水分補給”として知られている「グリーン ダ・カ・ラ」は果汁やフルーツのエキスを使用していて、ポカリスエット同様に夏場の熱中症対策飲料としても知られる。この「グリーン ダ・カ・ラ」+「デカビタC」は「DEKARA(デカラ)」という名前のドリンクとしてサントリーから過去2回発売されたこともある。

アサヒ飲料の「スーパーH2O」というスポーツドリンクと同じくアサヒ飲料のエナジー炭酸飲料「ドデカミン」の組み合わせもある。こちらも2022年、その名も「スーパーH2O×ドデカミン」という、そのままのネーミングのドリンクとして発売されたが現在は販売終了している。気になる人は自分でブレンドしてその味を体験してみよう。

■2つのドリンクをブレンドするスタイルで楽しみが広がる
スポーツドリンク+ビタミン系炭酸飲料以外の組み合わせで、さらに別会社の商品を合わせたサウナドリンクもある。ポッカサッポロの「キレートレモン」と、カゴメの「トマトジュース」(食塩無添加)を合わせた「キレトマ」だ。カゴメの公式サイトでは「キレートレモン」の名前こそ出ていないが、レシピが掲載されている。カゴメでは2011年に、トマト原料を使用し、レモンとジンジャーの味わいの「トマッシュ」という炭酸飲料を販売していたのを思い出す。今思えば、この「トマッシュ」もサウナドリンクによかったかも。

同じように2つのドリンクをブレンドするサウナドリンクはほかにもあり、一般的かどうかは別として、さまざまなサウナ施設がいろいろな組み合わせを提案・提供している。例えばエナジードリンクの「レッドブル・エナジードリンク」と「ポカリスエット」を合わせた「ブルポ」をはじめ、キリンビバレッジの「ソルティライチ」+「オロナミンCドリンク」、「オロナミンCドリンク」+「ヤクルト」、「キレートレモン」+「ポカリスエット」など、もう何でもいいといえば何でもいい感じだが、とにかくさまざまな施設でドリンクを組み合わせまくっている。

合わせるのはドリンクに限らない。「オロナミンCドリンク」と森永製菓の「アイスボックス」を組み合わせた「オロックス」は特に夏場に愛されたサウナドリンク。「アイスボックス」はグレープフルーツ味のクラッシュ氷で、ナトリウムやビタミンC、クエン酸を配合している。氷代わりに「アイスボックス」で冷やすことで、味が薄まることはなく、「アイスボックス」が溶ければ程よいグレープフルーツ風味がプラスされ、飲み終わりには「オロナミンCドリンク」風味の「アイスボックス」をガリガリ食べられるという、サウナ後の火照った体にはうってつけの飲み物(食べ物)だ。

同じようなものでは、愛媛県の「喜助の湯」の「オロガリ君」なるものも。「オロナミンCドリンク」+「ポカリスエット」+「ガリガリ君ソーダ」という組み合わせ。「ガリガリ君」は居酒屋のサワーなどにも使われているのでジョッキに刺さっているビジュアルはもはや違和感がない。「喜助の湯」は、2022年、2023年と“サウナナンバーワンドリンク”を決める「S-1グランプリ」を開催していて、「オロガリ君」は2023年度のエントリードリンクのひとつだった。ちなみにこのときのグランプリは、「オロナミンCドリンク」+「トロピカーナ パインジュース」の「オロパイン」、2022年度は「オロックス」。

■サウナの前後に手軽なのはそのまま飲める1本
2種類の飲み物をブレンドするタイプのサウナドリンクは、グラスやジョッキ、氷などが必要なので飲む場所が限られる。より手軽なのは購入したらすぐ飲めるペットボトルや缶、瓶入りの飲料だろう。これについては先に挙げた「ポカリスエット」や「アクエリアス」、「グリーン ダ・カ・ラ」、「スーパーH2O」などをそのまま飲むという人も多いが、多くのサウナ好きに支持されているのは大塚製薬の「ポカリスエット イオンウォーター」だろう。

水よりも体液に近い「ポカリスエット イオンウォーター」は日本サウナ・スパ協会推奨飲料ということもあり、多くのサウナ施設や銭湯、温浴施設で販売されている。公式サイトでも「サウナで汗をかく、すべての大人の『ととのう』をサポートします」とうたい、サウナの前、中、後の水分・電解質補給を勧めている。「ポカリスエット イオンウォーター」は「ポカリスエット」同様、水分と電解質をスムーズに補給でき、より甘さ控えめで後味がスッキリしているので、ゴクゴクと飲みやすい。とにかくサウナ周辺で飲んでいる人が多いため、脱衣所や浴室内の棚などは「イオンウォーター」だらけになることが多く、どれが自分のボトルかわからなくなることも。事前にヘアゴムなどを巻いて目印を付けたり、キャップに名前を書くなどすることをおすすめしたい。

サウナの途中に飲むものではペットボトルの水をチョイスする人も多い。しっかり水分は補給したいのでゴクゴク飲めるものがいい、となると味のないものがいいという感じだろうか。基本的にはほとんどの施設でミネラルウォーターのペットボトルを販売しているが、漫画「サ道」の作者タナカカツキさんがパッケージを手掛けた「富士ミネラルウォーター」の「サ水」はちょっとした特別感がある。

また、「霧島天然水のむシリカ」も、サウナの水分補給にぴったりだと注目されているミネラルウォーターのひとつ。軟水と硬水の間にあたる中硬水でミネラルが豊富なのに飲みやすいのが特徴だ。通販をはじめスーパーやコンビニ、ドラッグストアでも販売している。美容にもいいということで女性支持が高い。

とにかく、サウナ室に入る前、出たあとなど、こまめに水分を摂ることが大切。施設によっては持ち込み不可としているところもあるが、自販機などで販売していたり、給水器やウォータークーラーなどを設置したりしているはずなので必ず水分補給をしよう。

■サウナ後に飲みたい!おなじみから新顔までいろいろ
銭湯やスーパー銭湯でよく見かける「牛乳」や「コーヒー牛乳」、「フルーツ牛乳」、「いちご牛乳」は昭和の銭湯から受け継がれる根強い人気の湯上がりドリンク。最近ではリラクゼーションドリンクの「チルアウト」もよく見かける。リラクゼーションドリンクはエナジードリンクの対極にある“ホッとひと息いれよう”というときに飲むもので、アメリカなど海外ではかなり前から大きな市場を持っていたが、日本では2016年ごろ初めて発売され、少しずつ認知されてきた。

最近見かけるようになったドリンクとしてはキリンビバレッジの「おいしい免疫ケア」もある。2023年夏に銭湯・サウナと「おいしい免疫ケア」で“Wでととのう”を掲げ、東京近郊や大阪などの約200以上の施設で大規模サンプリングを行ったことで、その後、銭湯やサウナでの販売が増えたと思われる。キリンの免疫研究で生まれた“プラズマ乳酸菌”が含まれていて、これが健康な人の免疫機能の維持に役立つということで、機能性表示食品となっている。体の内側から免疫ケアができる飲料とサウナでまさに“Wでととのう”というわけだ。ただ、量的には100ミリリットルなので、水分をしっかり摂りたいサウナ後には+αで水分を補いたい。

さらに最近都内の銭湯でよく見かけるのが2018年に誕生した「イヨシコーラ」。東京・下落合に本店があり、100年前のレシピをもとに和漢方の技術を使い、柑橘類やスパイス、コーラの実などすべて天然の材料で作られたクラフトコーラ。数年前からブームとなったクラフトコーラの先駆者的存在だ。独特のスパイスの香りと唯一無二のクラフトコーラの味わいで、サウナや入浴後のドリンクとしても人気急上昇中。2023年、全国の100を超える銭湯や温浴施設で、「イヨシコーラ」を作る際に出る“コーラ粕”を活用した「イヨシコーラの湯」なる“クラフトコーラ風呂”を実施し、銭湯利用者を中心にさらに認知度を上げ、支持者を増やしている。

サウナーによるサウナーのための“サウナー専用ドリンク”「ととのった(R)」も注目。自宅の横にテントサウナを設置し、ほぼ毎日サウナに入るほどのサウナ好きという代表が、実際にサウナーがサウナ後に飲みたくなるドリンクを、と2年かけて作ったというもの。クエン酸3300ミリグラム配合で酸味がほどよく、1本32キロカロリーと低カロリー。ビタミン11種、BCAA、食物繊維も配合し、柑橘系のあっさり味でサウナで失った塩分やビタミン、水分を補給してくれる。まだ見かける施設は少ないが気になるサウナドリンクだ。

と、まあここまででもけっこうな種類があるが、世の中にはまだまだ“サウナドリンク”として販売・提供されているものがあり、また個人のオリジナルサウナドリンクもあったりするので、紹介したものはほんの一部ということになる。サウナに行くたび何を飲むか迷うのも楽しいし、行った先で新たなドリンクとの出会いがあるのもまたうれしい。サウナ初心者もサウナ体験のあとにはこんなご褒美があること、水分補給がこんなにも楽しいものだということ知ってサウナを楽しんでほしい。





文=岡部礼子

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.