サイト内
ウェブ

何が違うの?初心者でもわかる「サウナのある施設」あれこれ

  • 2023年12月6日
  • Walkerplus

ここ数年で人気が出たサウナだが、そもそも日本には昭和の時代からサウナは存在していた。ブームにのって登場したサウナ施設もあるものの、昔からサウナを保有している施設も多い。初心者がどこに行くか迷ったときに少しでも参考になるように、サウナのある施設それぞれの特徴を紹介する。

■女性人気も高いラグジュアリー感のある「スパ」
国際スパ協会という団体では「スパは、心、体、精神の再生を促すさまざまな専門サービスを通じて、全体的な健康を促進する場所」と定義している。美や健康を維持したり回復したりするのを目的とする施設というわけだが、「〇〇スパ」という名称の施設すべてがこの定義にのっとっているかは定かではない。ただ、全般にラグジュアリーで、女性専用のエステなど女性にうれしい設備やプログラムなどが充実していて、女性1人でも利用しやすい雰囲気の施設が多い印象。料金は2000~3000円台がボリュームゾーン。

「スパ」は温泉療養で有名なベルギーの都市「スパ」の名に由来するという説と、ラテン語で「水による健康や癒やし」とうい言葉の頭文字をとったという説があるそう。いずれにしても美や健康、リラックスなどを目的としている施設ということで、マッサージやリフレクソロジー、ヘッドマッサージ、オイルマッサージ、エステなど、リラクゼーションメニューが充実している。浴室内は比較的シンプルだが、炭酸泉やジャグジーなどがあり、入浴中もゆっくりじっくり過ごせるようになっている。

サウナ室は施設によって個性が出るところだが、初心者でも入りやすい雰囲気。ミストサウナ(スチームサウナ)がある施設も多いので、最初はそこで体を温めるのがおすすめ。メインのサウナ室は最近ではセルフロウリュやオートロウリュで湿度を保っていて、アロマ水などの香りに癒やされる。水風呂もそこまで冷たくない。

■おすすめポイント:ゆっくり、じっくりそしてラグジュアリー
ミストサウナ(スチームサウナ)がある施設が多く、いきなり熱いサウナは無理という人にもやさしい。ガチでサウナに入るという人ばかりではなく、風呂利用の合間にサウナという人も多いため、同じテンションの人がいるのは初心者には心強い。さらに、長時間滞在できるので、時間を気にせずゆっくりサウナを体験できる。サウナ室に長時間入るという意味ではなく、徐々に体を慣らしていくことができるということ。1回目はサウナ室からすぐ出てしまったり、水風呂も足首で断念したりしても、2回目、3回目とトライしてみることができる。もちろん無理は禁物だが、少しずつ慣れてくる感覚を体感できる。水風呂に入れない人の姿も見かけるので断念しても気にならない。

サウナ以外の施設の充実ぶりもうれしいところ。アメニティがそろっていたり、パウダールームが充実していたり、館内着やタオルが付いていたり、手ぶら利用が可能。さらにリラクゼーションメニューが豊富でサウナと併せて利用することで心身ともにリラックスでき、自分の体と向き合う機会になる。

■残念ポイント:1回でなかなかの出費のため頻繁には通いにくい
初心者が気になるところがあるとすれば料金。そもそもの入館料が2000~3000円台で、タオルや館内着が含まれているとしても、長時間過ごすとなると館内着の着替えやタオルの追加料金がかかる場合がある。スパで過ごしたことがある人なら、あの時間が過ごせるならこの代金は必要経費!と思えるが、初めてでは「風呂とサウナに入って2000~3000円も?」となるかもしれない。

しかも、長時間滞在するとリラクゼーションメニューや岩盤浴、館内の飲食店など入館料以外での出費も考えられる。サウナには必須の飲み物も持ち込み不可の場合が多く、ドリンク代も欠かせない。もちろん、入館料以外は断じて使わないで利用することも可能。給水機などが設置されているので無料で水分補給もできる。ただ空腹は耐えられないし、“せっかくだから”とあれこれやってみたくなるのも正直なところ。長時間ゆっくりするにはそれなりの出費が必要だが、頑張った自分の心身のケアだと思えばアリ。ただ、頻繁に通うのはお財布との相談が必要だ。

■家族、友達同士、カップルで楽しめる「スーパー銭湯」
比較的身近なサウナのある施設といえば「スーパー銭湯」。スーパー銭湯はいわゆる街なかにある銭湯とは異なり、「その他の公衆浴場」と区分される施設で娯楽要素のある温浴施設。健康ランドなどもここに分類される。施設内に休憩スペースがあったり、レストランや食事処などがあったり、ゲームセンターや漫画本などが置かれたスぺースがあったり、まさにアミューズメント性がある。料金はスパに比べるとリーズナブルで、施設にもよるが1000円前後で風呂とサウナが楽しめることが多い。

スーパー銭湯は都心部というより郊外にあることが多く、車がないと行けないのではと断念してしまう人もいるようだが、駅近や最寄り駅からシャトルバスが走っているなど、アクセスも悪くないことが多い。また風呂やサウナ以外の設備も整っていて、レストランやカフェ、リラクゼーション、休憩スペースなどひと通りそろっているが、スパよりリーズナブルな印象で、ラグジュアリーというよりはフレンドリーといったところ。最近では漫画本を何千冊、何万冊そろえていたり、ワーキングスペースを完備していたり、住むように過ごせる施設が増えている。

■おすすめポイント:多くの人が利用しハードルが低い
個人的には気軽にできるサウナデビューはスーパー銭湯ではないかと思う。というのも、スーパー銭湯はファミリーから友達同士、カップル、シニアなどとにかく客層が広い。つまりサウナ室にもいろいろな人が出入りする。出入りする人も多いので、熱くてすぐ出たいというときにもあまり気にせず出入りできる。さらにサウナ室も広さがあるので、場所によって体感温度が変わるのを実感でき、自分にとって居心地のいい場所を見つけられそうだから。

施設によってサウナが複数あることも。ミストサウナ(スチームサウナ)があるなら、初心者はこちらから入ればいいし、設定温度の異なるサウナ室があるなら低いほうから試してみることができる。水風呂の温度設定は施設によるが、スーパー銭湯の水風呂はある程度の大きさがあるので初心者もトライしやすい。水風呂に入ってみて断念して出ていく人もけっこう見かけるので、初心者が試して途中で断念しても目立たない。

■残念ポイント:混雑時間帯は慌ただしさが否めない
曜日や時間帯にもよるが、混んでいるときはかなり多くの人が利用する。サウナも混んでくると他人との距離が近くなる。サウナ室は子どもの利用ができない場合がほとんどだが、たまにサウナ室を出入りして遊ぶ子どもがいたり、サウナ室内でおしゃべりを楽しむ人がいたりと、気になることも。サウナ室の出入りも増えるので、頻繁に出入りしやすい反面、落ち着いてゆっくり入る感じではなくなる。

さらに混雑時に多いのが、サウナ→水風呂のあとの休憩で椅子にあぶれてしまうこと。せっかくの休憩が思うようにできなかったり、しゃべり声がずっと聞こえてきたりでちゃんと休憩できないケースもある。風呂もサウナも水風呂も、混雑するとちょっと落ち着けない気がするのが難点。平日の午前中など空いている時間帯に行けると、大きな風呂、広いサウナ、ゆったりした水風呂、そのすべてを優雅に利用できるのでかなりラッキーだ。

■ご近所にありながら実はけっこう行ったことがない「銭湯」
いわゆる街なかにある銭湯は、生活に密着した施設。公衆浴場法という法律で定められた「一般公衆浴場」に分類された施設で、「地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設で、入浴料金が統制されている」と定義されている。東京都でいえば2023年12月現在、大人520円で入浴できる。地域に根差していて、東京くらしWEBによれば、2022年東京都内には462軒の銭湯があった。今年になってすでにいくつかが廃業しているので現在はそれ以下。ほとんどの銭湯が昭和初期から営業を続けている。

数十年続く中、リニューアルなどをしていてサウナを併設している銭湯も多い。そのなかでもここ数年リニューアルを行った銭湯は、サウナに力を入れた施設が目立つ。スーパー銭湯などに比べると広さ的には小さくなるが、個性的な特徴あるサウナのある銭湯が多く、地域住民のための施設という位置づけから、サウナ目当てで全国から訪れる人もいるような施設へと変貌を遂げた銭湯も少なくない。逆に昔ながらの銭湯はレトロ感がエモいとして人気となっているところも。

入浴料は統一されているが、サウナ代は各銭湯が決めているので、料金は施設によって異なる。無料で入れるところもあれば、1000円ぐらいかかるところも。さらにサウナ料金にタオルが含まれたり、含まれなかったり、スパバッグが付いていたり、サウナマットが付いていたりとさまざま。そのあたりは銭湯の公式サイトやSNSなどで調べておくと安心だ。

■おすすめポイント:アットホームで温かく迎えてくれるレトロ感
生活に根差している銭湯は、アットホームでどこか懐かしさを感じる空間。リニューアルして新しい建物になっている施設であっても、このホッとできる感じが銭湯のよさ。番台といっても今はほとんどがフロントスタイルだが、そこに座るスタッフの人も気軽に声をかけてくれたり、挨拶をしてくれたりして何とも言えない温かい気持ちになる。サウナは施設によってかなり異なるが、慣れれば通える範囲にサウナがあるという生活が定着する。

都内の場合、自宅周辺に複数の銭湯がある地域が多い。徒歩だけでなく自転車も使えば、いくつか通える銭湯があるのでその日の気分で銭湯を選べる。さらに近所でなくても足をのばして銭湯を巡る楽しみもある。サウナに力を入れている銭湯では水風呂の温度も低めになっているが、一般的にはそこまで冷たくないので水風呂デビューもしやすい。また、サウナが別料金になっているので、浴室が混んでいてもサウナはそれほどでもない、というケースも。ただしサウナが人気の施設はその逆もある。

銭湯の風呂は、例えば炭酸泉やジェットバスなどがあったり、露天風呂や温泉があったりと、施設ごとの個性が出る。また、入浴剤やフレッシュなフルーツやハーブなどを使った替わり湯を行うことも多く、風呂が楽しめる工夫をしているのが楽しい。昭和の銭湯は風呂上がりに牛乳と相場が決まっていたが、今はいろいろなドリンクやアイスなどを販売するところが多く、喫茶や食事スペースを併設している銭湯もある。

■残念ポイント:施設による差の大きさと常連の独自ルール
そもそもすべての銭湯にサウナがあるわけではないので、自分が行きやすい銭湯にサウナがないという根本的な問題のあるケースも。さらに男湯と女湯のつくりが違うこともあり、男湯だけサウナがある、男湯のサウナのほうが大きくて充実しているといった差があることも。サウナの定員が少ないことや人気すぎることで待ち時間が発生したり、サウナ2時間までと利用時間を設定したりする銭湯もある。いずれにしても限られたスペースなので、自分の入りたいタイミングでサウナに入れない、水風呂が混む、休憩場所がないということもある。

さらに地域に昔から根付いているという点では、必ずどの銭湯にも常連がいる。特に女湯では“ヌシ”と呼ばれる人がいて、マイルールでグイグイ圧をかけてくることもある。先輩として教えてもらえることもあるが、なかにはマナーから逸脱している人もいて初めてだと圧倒されてしまうことも。基本的なマナーやルールは施設が提示しているものに従うのが正しいと思おう。どうしても困ったら番台へ。

今回は比較的行きやすいスパ、スーパー銭湯、銭湯について紹介した。どこも魅力的な施設ではあるが、それぞれに異なる特徴があるので、自分で居心地がいいと思う施設を見つけて楽しむのがおすすめ。ほかにも個室でサウナを楽しむ「個室サウナ(プライベートサウナ)」や、男性用のサウナがメインの施設、ホテルサウナなど、サウナが楽しめる場所はまだまだたくさんある。いろいろなサウナを体験すれば、それぞれの楽しみ方を知ることができる。サウナとひと言でいっても本当に多種多様なので、たくさんのサウナを体験して楽しみ方も深めていってほしい。


取材・文/岡部礼子

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.