「くれくれ」振りまき、大暴走。長年にわたって染みついた行動を直すために必要な取り組みは?【作者に聞く】

  • 2023年11月15日
  • Walkerplus

現代社会では、多様な人との関わりが人間を成長させる重要な要因の一つとして評価されている。学生時代の留学経験、職場の同僚、プライベートの夫婦関係。何かと人にものをねだり、さまざまなトラブルを巻き起こす「くれくれちゃん」こと、ちこちゃんも友人や夫との関わりを通して、社会を知り、人間を知り、自分を見つめ直した一人である。今回はそんな、ちこちゃんを題材としたコミックエッセイ「欲しがるあの子を止められない」の作者ぱん田ぱん太さんへのインタビューを通して、「人との関わり」について話を伺う。

■突然のメッセージに困惑…

医療系の仕事に就いているアラサーきよか。ネイリストを目指す姪っ子の中学生メイちゃんとも仲が良く、ある日、メイちゃんがしてくれたネイルをSNSに掲載する。投稿に対して多くのリプが付くなかで、学生時代の友人「チコちゃん」から一件のメッセージが届く。「チコちゃん」と連絡を取り合う中で、「チコちゃん」に違和感を抱くきよか。学生時代に「くれくれちゃん」を繰り返し、人間関係でトラブルを巻き起こしていたチコちゃんとの記憶が蘇る…。


――作品はSNSでのやり取りから始まりますが、SNSを使う際に気を付けていることはありますか?

特にInstagramでは読者さんからのコメントの数が多く、すべてに反応することはできないのですが、おもしろいと思ったコメントや鋭いコメントには返信をしてみたり、コメント欄の上部に固定してみたりと、なるべく私からの反応を返すようにしています。X(旧Twitter)も同様です。楽しく読んでくれているフォロワーさんたちを大切にすると、長期的に読んでもらえるきっかけにもなるのだなぁと最近実感しています。


――チコちゃんは家庭と世間のギャップに悩んでいる場面が見られましたが、過去にぱん太さんの家庭では当たり前でも、世間的に見たら変わった事象がありましたらお聞かせください。

実を言うと、特に思い当たりません。私自身はものすごく平凡な、愛情もコミュニケーションもそれなりのいさかいも日常的にある、ごく普通の家庭に育ったと思っています。あるとしたら、母の料理のレシピがスタンダードだと思っていたらちょっと変わっていた…などなど、本当に些細なものです(笑)。


――最後のシーンではチコちゃんの「その後」について気になる描写がなされていましたが、長年にわたって染みついた行動を直すためには、どういった取り組みが必要だとお考えですか?

「人との関わり」が必要だと思います。もし、根気強く関わってくれる大切な人が身近にいるのなら、その人の協力が必要だし、いないのであればカウンセリングへ行くなど、とにかく自分一人でそれを解決するのは難しいのではないか、と私は考えます。


――最も印象に残っているエピソードがあれば、理由とともに教えてください。

私の印象にも残っているし、また読者さんの反響も大きかった「ポテト強奪事件」と「ユキちゃんのコンプレックスと過食症」のエピソードです。前者は多くの方が似たような経験をしたことがあるプチトラブルで、後者は多くの方が大なり小なり持っている悩みなのかもしれないなぁと感じました。


チコちゃんときよかのように、SNSを発端としたトラブルに遭ったことがある人も多いだろう。コメントやDM機能などで多くの人々と簡単につながれる一方で、さまざまな問題も起こりやすくなっている。利便性を享受しながら、DM一つ、コメント一本投稿する前に一度冷静に考え、相手を思いやることで防げることも多くある。それでも止められないときは、素直に他者を頼ることも大切だ。SNS上でも現実世界でも、親身に相談にのってくれる人は必ず存在するものである。


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