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「てか生きてないから偉くないし」「(逆を言われた)」…フリもオチも1枚に詰まった1コマ漫画にニヤリ【作者に訊いた】

  • 2023年11月12日
  • Walkerplus

「てか生きてないから偉くないし」「(「生きてるだけで偉い」の逆を言われた)」…。
コマごとに連続する展開を見せるのが漫画の基本だが、たった1コマで完結する1コマ漫画は、瞬間的な笑いやどんなオチかを考察したくなるようなものまで、情報量が少ないからこそ奥深いもの。X(旧Twitter)でオリジナル作品を発表するあくまでクマ(@akmd_kuma)さんも、そうした1コマ漫画を数多く発表している。

読者からは「騙し絵か」「発想が天才的過ぎる」と反響を集めるあくまでクマさんの作品。ウォーカープラスでは、1コマ漫画を描くようになったきっかけや4コマとの違いについて話を訊いた。

■シュールなシチュエーションから台詞の掛け合いがツボる作品まで…奥深い1コマ
もともとは4コマ漫画を中心に制作し、たびたび反響を集めてきたあくまでクマさん。2023年は、フリからオチまで完結しているもの、描かれた光景そのものが笑える作品まで、フルカラーで1コマ漫画を中心に発表している。

幽霊に辛辣な一言を浴びせる「オバケに厳しいギャル」は、記事冒頭で書いたようにギャルから理不尽に辛辣なことを言われる幽霊がなんともあわれな1コマ漫画。その台詞が出てくるまでの前後の文脈も想像したくなる作品だ。

また、X上で5900件以上のいいねを集めた「虫かごの中に入れられたDVDマーク」は、DVDプレイヤーの待機画面でDVDのロゴが動き回るスクリーンセーバーが表示されるという懐かしの光景をネタにした作品。意味がわかるとツボにはまる1コマに多くのいいねが寄せられた。

■「台詞の有無」でも変わってくる、1コマ漫画の作り方
――4コマ漫画を中心に描いていたあくまでクマさんが、最近1コマ漫画を多く描かれている理由を教えてください。

「仕事の合間に4コマ漫画を描き上げようとしたのですが時間がとれなくて、仕方なく1コマ漫画で描くことが続いていたのが元々のきっかけです。この機会に1コマ漫画の表現をさらに磨いてみるのもいいかなと思って続けてみることにしました。なので、そのうちまた4コマ漫画が中心に戻るかもしれません」

――以前、4コマのアイデアを「お題を元に回答を考えるような大喜利に近い」と話されていました。1コマ作品でもこうした考え方は変わらないのでしょうか?

「考え方は4コマ漫画と1コマ漫画ともに同じですね。大喜利のお題というのは『こんなスイカ割りの掛け声は怖い』や『童話の登場人物が理系だったらありそうなこと』など、言い回しはいろいろとあると思うのですが、基本的には『もしも〇〇が××だったら』かなと思っています。それを漫画として描く上で、表現方法によって1コマ漫画か4コマ漫画に使い分けているというところですね」

――一つのネタを4コマと1コマ、いずれで描くかの基準はありますか?

「どちらの表現にするかの判断基準は、今のところは『1コマ漫画で表現できそうだな』と思ったら1コマ漫画にしていますね。私の感覚としては、描きたいイメージを先に考えて、それに合った題が思いついたら1コマ漫画として表現して、難しそうであればストーリー仕立てにした4コマ漫画にしています」

――1コマとタイトルで完結する作品と4コマ漫画では作り方にも違いが出てくると思います。1コマ漫画でのアプローチの違いを教えてください。

「まず、1コマ漫画は“登場人物のセリフありの漫画”と“セリフなしの漫画”の2パターンで描いているんですけど、セリフありのものは『4コマ漫画をさらにショートにした漫画』という気持ちで、セリフなしのものについては4コマとは異なりどちらかといえば「大喜利」のつもりで作っています。

セリフあり・なしの大きな違いとしては、絵の中に時間の流れがあるかという点なのかなと思っています。セリフなしの漫画は題とコマの中の絵を一目見れば伝わるかと思うのですが、セリフありのほうはコマの中のセリフを読むことで、そこで内容が伝わると思います。ただ、1コマ漫画に入れられるセリフは今のところ2つまでにしています。それ以上だと詰め込みすぎてしまいますので」

――あくまでクマさんが考える1コマと4コマの違いはどんなところにあるのでしょうか?

「結局のところ、入れられるセリフやキャラクターといった情報量なのかなとは思っています。1コマ漫画も4コマ漫画も両方とも入れられる情報に制限は決まってますが、その情報量をどういう風に配置するかというパズルみたいな話の組み立て方は、どちらの漫画でもあまり変わってないとは思っています」

――ちなみに、これまでの作品で個人的にお気に入りの1コマを挙げるとするならどの作品になりますか?

「『虫かごの中に入れられたDVDマーク』が特に気に入っています。DVDプレイヤーにディスクを入れずにそのままにしておくと画面に流れる映像で、画面の枠にぶつかると色が変わる少し懐かしいものかと思います。たまたま目にした動くDVDマークが気になってメモしていまして、そのメモを見返したときに『このマークがどこで動いてたらおもしろいだろう』と思って描いた作品です。

虫かごに入れることで生き物っぽさが出たかなと思います。伸びるかどうかをあまり気にせずに描いたのですが、思ったより反響がありましたね。この作品にいろいろな反応があったのですが、動くDVDマークを知らない若い方もいたようで、ちょっとしたジェネレーションギャップを感じました」

取材協力:あくまでクマ(@akmd_kuma)

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