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お菓子のオマケのレアシールを当てるコツがあった!?“昭和の子どもあるある”を描くノスタルジック漫画

  • 2024年3月12日
  • Walkerplus

漫画家・仲曽良ハミさんが描くノスタルジック漫画「しなのんちのいくる」。その単行本の1巻が2022年6月に、続く2巻が2023年6月に発売。さらに12月26日には3巻が発売し、話題を呼んでいる。

物語の時代設定としては昭和後期から平成初期あたり。おバカだけど憎めないヤンチャ少年「いくる」と、その姉で怒ると怖いけど実は弟思いな「しなの」。この姉弟を中心に、「あの頃」の笑いにあふれる日々を描いた漫画だ。

※発売中の書籍の中から一部を抜粋・編集し、仲曽良さんのインタビューとともにお届けする。


■僕らは裏技が大好きなのよ
当時、「ビックリマンチョコ」や「ラーメンばあ」といったお菓子にオマケとしてついているシール収集が大流行。仲曽良さんによると、中にはシールが重なっていてめくって楽しむというコンセプトのものもあり、レアシールはなんと2枚も重なっていたのだとか。いくるたちも、もちろんこのシールに夢中で…。

「漫画の世界観をさらに広げようと思って、家や学校以外の、街でのいくるたちの様子を描きたかったんです。今でいうコンビニのようなお店が当時は酒屋さんだったんですが、今ではあまり見かけないお店での子どもたちの姿をイメージしました」

■私は凄い…これで明日も頑張れる
「僕らは裏技が大好きなのよ」で登場したみなこちゃんが主人公となっているこのお話。「いくるたち以外のキャラクターにもスポットを当てた話を描きたかった」と仲曽良さんは振り返った。彼氏に振られたばかりでも休むことなく働くみなこちゃんは、オマケのシールに夢中になるいくるたちを見て…?

「人それぞれ、いろいろありながらも頑張っているんだけど、周りの人はそんなことは知らないわけです。でも、“誰かのふとしたときのふとしたひと言に救われることもある”というのを伝えたかったんです」

生きていれば「自分は無価値だ」と思い込んでしまうこともあるが、みなこちゃんは子どもたちにとってはヒーローのような存在になっている。「たとえ子どもたちの無邪気な言葉でも、言葉そのものに救われることもあるんじゃないかと思います」と仲曽良さん。

■女の子らしいって何さ
いつもいくると小競り合いをしている、ちょっぴり男勝りなクラスメイトの女子・マッキーと、学級委員長タイプでおしとやかな早川さんの対照的な2人を描いたお話。「もう高学年なんだから女の子らしくすべき」と言う早川さんに影響され、“男勝り”を封印しようと努めるマッキーだが…。

「そう簡単に人は変われないよね、というお話です。いくるはマッキーのことを『男子並みの戦力である』と認めているんですけど、マッキーは気づいていません(笑)」

このお話に関しての読者からのコメントは賛否が分かれ、「自分らしくいるべき」という声と「早川さんは悪くない」という声があったそう。それに対して仲曽良さんは、「どちらも正しいというか、どちらの言うこともわかるなと思いました」と振り返った。

■お前って大人の顔色ばっかだよな
マッキーとは逆に、“女の子らしさ”をすごく気にしていた早川さんの苦労を描いたのがこの作品。優等生でルールに厳しい早川さんだが、クラスメイトが知らないところでは思い悩むこともあったようだ。

「早川さんは、本当はいくるやマッキーみたいに何にも縛られず、何も気にせず遊ぶことに憧れていたんじゃないかと思って描きました。子どもにとって大人に怒られることはこの世の終わりのように感じてしまうんですけど、そうじゃないんですよね。別に怒られたって死なないんです。早川さんを救いたいと思っていたので、いくるの言葉で救われていてほしいなと思いますね」

■姉ちゃんの友達
いくるの姉・しなのの友達が家に遊びにくるというエピソード。普段のいくるとのやり取りを友達に知られたくないしなのと、それに対して不満を抱くいくるの姿を描いている。

「友達は弟のことをかわいがってくれて、悪い気はしないんですけど、『うちの姉ちゃんだけが怖いんだ…』って思っちゃうんですよ。しかも、姉ちゃんも張り切ってるのかいつもの姉ちゃんじゃなくて、弟しては『なんじゃそりゃ』とちょっとイラッともしちゃいます(笑)」

とは言いつつも、隣の部屋で楽しそうな声が聞こえてきて、ちょっぴり寂しさを感じることもあったそう。こうしたエピソードは現代でも“姉弟あるある”なのかもしれない。

■ぼんじり
中学生のしなのが、突然焼き鳥ばかり食べるようになった謎を追ういくる。その理由に、しなのの意外な一面を見ることになる。

「スーパーとか商店の前によく焼き鳥屋が来ていて、夕飯のおかずとかお父さんの晩酌のお共として食卓に並んでいたんですよ。それを買うしなののエピソードです。しなのはあんな感じのキャラなので、『まあ似合わないことないよな』と描きながら思いましたね(笑)。しなのが焼き鳥屋のかっこいいお兄さんにメロメロになっている姿を見た読者からは、『こんなしなのちゃんは初めて見た』というコメントが多く寄せられました。また、『姉の親友は弟とも仲良くなる』という“姉弟あるある”がここでも描かれています。第二の姉ちゃん、という感じなんですよね」

「あるある!」と笑えて、素直な子どもたちの言葉や行動に時折ハッとさせられることもある「しなのんちのいくる」。次回もお楽しみに!


取材・文=織田繭(にげば企画)

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