
神奈川県箱根町の「箱根ドールハウス美術館」を含む一帯が、ミュージアムパーク「はこにわ」として生まれ変わって、もうすぐ半年。大人も乗って公道を走行することができるレンタルのミニクラシックカーや、銀座の画廊オーナーがセレクトした絵画作品が飾られる一棟貸し宿泊施設「はこヴィラ」といったユニークな設備が加わり人気を呼んでいる。秋の観光シーズンも注目の、同施設の魅力をあらためて紹介!
■大人も子どもも夢中になれる!
「 ~子どもと一緒にコドモになれる場所~」をコンセプトに2023年4月にオープンした「はこにわ」は、約9500平方メートルの広大な敷地に展開するバラエティに富んだ複合施設。前身となった「箱根ドールハウス美術館」は、2016年夏に箱根町の歴史ある温泉地・芦之湯にオープンした国内唯一のドールハウス専門美術館だ。
日本では「子どもの玩具」というイメージが強いドールハウスだが、本家の海外では趣味の領域を超え、大人が本気になって取り組むミニチュアの美術工芸品。箱根・小田原にゆかりの深い詩人・童謡作家の北原白秋の「子供に還ることです。子供に還らなければ、何一つこの忝い(かたじけない)大自然のいのちの流をほんたうにわかる筈はありません」という言葉のように、ドールハウスの世界を通して「子どもと一緒にコドモになれる」、遊んで学べる場所を作りたい!と考え、まるでおもちゃ箱のような世界をこの箱根の地につくり上げたという。
オープンにあたっては、豊かな自然を生かして外庭に敷いた線路の上にミニSL機関車を走らせ、さらに公道走行可能なオープン型のミニカーでの周遊も楽しめるようになった。また、アート空間にグループで滞在できる一棟貸しコンドミニアム「はこヴィラ」も登場。家族や友人たちと、別荘感覚でゆったりと過ごせる空間となっている。
■大人も乗れる“ミニサイズの”乗り物
同施設の見どころのひとつが、「箱根ドールハウス美術館」外庭に広がる、池のある散歩道「ノームの森」。その自然豊かなエリアでは、開放感あふれる「駅舎テラス」と各種イベントが開催される「停車場ステージ」を繋ぐミニ機関車「SLピクシー号」が運行中。
さらに、公道走行が可能なレンタカーとして、1960年代の憧れの名車・ACコブラを複製したクラシックミニスポーツカーを用意。実際に乗車して、芦ノ湖など箱根の名所を巡ることができる。
■アート空間を独占できる宿泊施設も
「箱根ドールハウス美術館」の裏手に新設されたのが、完全貸切の一棟貸し宿泊施設「はこヴィラ」。約50平方メートルの広い部屋で、宿泊は最大で5名まで。食器・調理器具付きの自炊が可能なキッチンや、洗濯機などの家電も完備している。コンドミニアムタイプの客室内には、銀座で40年以上の歴史を持つ「牧神画廊」オーナーのセレクトによる絵画作品(購入可)が飾られていて、どっぷりとアートに浸ることができる。
■「箱根ドールハウス美術館」もチェック!
同館の館長が20年以上に渡って世界中を巡り収集した、世界二大コレクションと呼ばれる“ヴィヴィアン・グリーンコレクション(イギリス)” や “モッツ・ミニチュアコレクション(アメリカ)”をはじめ、アンティークから現代作家のものまで世界各国のドールハウスを展観する。
2024年1月15日(月)まで開催されている企画展「昭和の家と懐かしの国産名車」では、43分の1スケールのミニチュアカーとともに古き良き昭和の時代を彷彿とさせるドールハウスを展観。ほか、数々のミニチュアグッズが並ぶミュージアムショップ、ランチやスイーツも楽しめるカフェ「cha cha」も好評だ。
また、館内の温室に設置された滝の流れる岩場「ジオラマウンテン」では、アルプスを縦断するスイスのパノラマ列車「ベルニナ急行」のミニチュア鉄道模型を実際に走らせることが可能(スイッチボタン式)。まるで妖精の棲家のような自然に囲まれて、奥深いミニチュアの世界を堪能できる空間に仕上がっている。
■ミュージアムパーク「はこにわ」概要
施設名:はこにわ/箱根ドールハウス美術館
電話:0460-85-1321
住所:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯84-55
営業時間:10時~17時30分(11~3月は17時まで)※最終入館は閉園の30分前
定休日:火曜日(祝日の場合営業)、年末年始。ほか駅伝・展示替えなどによる臨時休館あり
※8月は無休
駐車場:45台(施設利用者無料、駐車場のみの場合普通車1000円)
※カフェ・ショップのみの利用もOK
※施設内・テラスへの他店飲食持ち込み不可
※全館禁煙
■料金
【はこにわ入場料金(箱根ドールハウス美術館入館料)】
大人1800円、学生(中高大)1500円、小学生1200円、小学生未満無料
※はこにわ施設全て利用可(箱根ドールハウス美術館の鑑賞料、SL列車利用料を含む)
※団体客は大人1500円、学生(中高大)1200円、小学生900円
※障害者手帳所持者および同伴者1名まで半額
※「はこヴィラ」宿泊者特典:1泊につき5名を招待(宿泊中は何度でも入館可)
【ミニ機関車「SLピクシー号」乗車料金】
大人300円、小学生以下100円(※一往復の料金)
※はこにわ入場チケットの提示で無料
【ミニカーレンタル料金】※返却は17時まで
・レンタカー ミニコブラ(AT車/1人乗り)
2時間プラン:6500円(1台)/1万2000円(2台)
5時間プラン:1万5000円(1台)/2万8000円(2台)
※別途保険料(500円/1台)+燃料費(2時間プラン1000円、5時間プラン2000円)
※運転免許証所持者のみ運転可能(当日現地にて免許証の提示が必要)
※公道走行時は運転手以外の相乗りは不可(乗車は運転席に1名のみ)
【はこヴィラ宿泊料金】
・一棟丸ごと貸しオープン特別価格
金土祝:7万5000円〜/日〜木:5万2000円〜
※はこにわチケット5名分込み(宿泊期間中有効)
今回の施設に関して、担当者に話を聞いてみた。
「(今回の施設のターゲットは?)特に限定せず、国内外問わず、老若男女、子どもから大人まですべての層を対象にしています」
「(今回の施設の目玉は?)日本で唯一の、女性に人気の高いドールハウスの専門美術館に、新たに『実際に乗れる(公道を走れる)ミニカー』や『ミニSL機関車』などの男性も楽しめる要素が加わり、さらに家族で宿泊可能なキッチン付きの一棟貸コンドミニアム宿泊施設を新設しました」
「(今回の施設のアイディアはどのようにして生まれた?)幅広い年齢層に向けた企画として、3世代で会話を弾ませながら楽しめることができるようなテーマをと考え、昭和の時代の家(12分の1スケールのミニチュア)や旧車のミニカーの展示に加え、円谷プロダクションなどで模型製作を担当し、映画『ゴジラ』のミニチュア制作や、数多くの東宝特撮作品の造形を手がけた比留間伸志氏のミニチュア作品展示を企画しました」
「(ユーザーへのメッセージは?)イベントも多数企画しています、詳しくは公式サイトをご覧ください」
■株式会社ピエロタとは
1982年(昭和57年)に東京銀座にて創業。文化・芸術をベースに出版・アート企画プロデュースなど、あらゆるジャンルのメディアを創造する世界的にもユニークな形態と実績を有する。
ゆっくりとアートに浸れそうな新スポット、秋のおでかけ先を探している人は、ぜひ候補に入れてみては。
※新型コロナウイルス感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となります。
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