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「私の方がぷりてぃだろ」先住犬が新入り犬にやきもち、その結末に感涙…愛犬との絆感じる創作漫画に反響【作者に訊く】

  • 2023年8月31日
  • Walkerplus

自分の主人を最高の相棒だと思っていた柴犬。けれどある日突然、仔犬を連れてきたことで嫉妬の炎が燃え上がり――?
漫画家のさく兵衛(@sakubetaro)さんがX(旧:Twitter)に投稿した創作漫画「君は最高の相棒」に、7.8万件を超えるいいねとともに読者から「犬好きみんな泣きます」「不意打ちの展開で号泣」と感動の声が集まっている。ウォーカープラスは作者のさく兵衛さんに、本作を描いた舞台裏を取材した。

■新入り犬へのいじらしい嫉妬と思いきや…愛犬との深い繋がりに涙
「君は最高の相棒」は、2023年8月17日にさく兵衛さんが自身のアカウントに投稿した作品。柴犬「テツ」の主である女性の「カオリ」がある日、生まれて間もない仔犬を連れてくるところから話は始まる。

突然の新顔に動揺するテツは、嫉妬心から自分のかわいさをカオリに向け必死にアピール。けれどカオリは仔犬にかかりっきりで、テツは「お払い箱ということなのでは?」といじけてしまう。

だがそんなとき、新入りの仔犬が具合が悪そうなことに気付き、「こいつを放っておけば私の天下が」と考えるテツ。だがテツは大声で吠え、驚いたカオリは仔犬が大事に至る前に病院へ向かうことに。

病院からの帰り道、「テツ…キミが私を呼んでくれたんでしょ?」と語りかけるカオリ。「昔からキミは面倒見が良い奴だったよ」というカオリのつぶやきに、まんざらでもない表情でテツは鼻を鳴らす。

帰宅したカオリにくっついて歩くテツだったが、カオリが「ただいま」と告げた先にあったのは、テツの写真が飾られた仏壇。実はテツは既にこの世になく、気持ちの整理がついていなかったカオリは、しばしばいなくなったテツに語りかけていた――、というストーリーだ。

■「うちの犬もこうだったら」それぞれの“最高の相棒”とオーバーラップする物語
先住犬のかわいいやきもちが描かれコメディのようにはじまる前半から、年月が経っても消えることのない愛犬との絆を感じさせる結末までの流れが心を掴む短編。「うちの犬もこうだったらいいな」「うるうるしてしまいました」と、愛犬家の読者からは強い共感を集めた作品だ。

実家で暮らす柴犬をモデルに描いたという同作。アイデアのきっかけや作品へのこだわりなど、作者のさく兵衛さんに話を訊いた。

――飼い犬のいじらしさと、いなくなっても忘れない絆を感じさせる作品です。本作はどんなところから物語を作っていかれたのでしょうか?

「感情を描くということを意識して描いた作品で、今回は『嫉妬』という感情をテーマにしました。その際、最初はテツは生きている犬という設定でしたが、描いていくうちに『愛情深い飼い主が先住犬を蔑ろにするだろうか?』と考えるようになり、今回のストーリーに変更しました」

――柴犬のテツは漫画的なデフォルメ描写と、現実的な犬らしさの両面が描かれかわいらしいです。テツを描くうえで意識した点があれば教えてください。

「犬を描くうえでは、自分が実家で飼っていた犬を参考にしました。気付くとじっとこちらを見ているので、そういう仕草が今回の漫画にも反映されているのだと思います。犬が見せる人間臭さ、たとえば自分のことをかわいいとわかったうえで甘えるポーズをするなどの仕草が好きなので、そこを意識しました。

また、テツというキャラクター自体は『嫉妬』というテーマで描こうと決めていたので、多少オーバーに感情の起伏を表現しました」

――さく兵衛さんは作品ごとに画風やコマ割りなどを工夫されている印象があります。本作は4コマ的なコマ割りですが、この形を選んだ理由はありますか?

「本当に正直に言うと、最初は『4コマで描くなら自分はどのくらいの時間が掛かるのか』というのを計りたくて描きました。そして4コマ漫画はコマ一つ一つがそんなに大きく取れないので、あまり描きこみのある絵だと読みにくいかと思い、シンプルな絵柄にしました。今もそうですが、当時もいろいろな作風を模索していた時期なので、自分に合った画風やスタイルはあるか、いろいろ試していました」

――また、本作で挑戦したことや、普段と違うアプローチを取り入れた点があれば教えてください。

「普段はストーリーの方にばかり力を入れていたので、今回はキャラクターの想いを大切に描きました。登場人物の感情を最初に決めて描いたのは普段はしないアプローチでしたが、いつもよりキャラクターに感情移入してしまい、自分で考えた話なのに感極まって泣きながら描くことになってしまいました」

――本作は昨年もSNS上で注目を集め、今回の再掲でも反響を呼んでいます。反響への思いを教えてください。

「最近あまり新作漫画を載せられず、時期がお盆ということもあって、お盆に合うようなこの漫画を軽い気持ちで再掲載をしたのですが、前回を超える反響があって驚いています。私の実家にいる犬は息災ですが『この子が亡くなったとしても代わりになる子はいないな』と常々考えています。コメントをくれた方々の中にも、それぞれ大切な子がいらっしゃる方が多く、ペットといえど、それぞれにとってはかけがえのない家族だなと思っています」

――最後に、さく兵衛さんの作品に興味を持った読者に向けてメッセージをお願いします。

「告知になりますが、9月15日(金)に『シャープさんのSNS漫画時評 スマホ片手に、しんどい夜に。』(講談社)という本が出ます。漫画SNS『コミチ』で連載しているシャープさん(@SHARP_JP)(注:シャープ企業公式アカウント)の漫画時評をまとめた単行本です。その中のひとつに私の描いた漫画が載っており、シャープさんがそこに優しい文章を添えていただいているので、よかったら読んでください」

取材協力:さく兵衛(@sakubetaro)

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