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「私は大丈夫になりたいだけ」探し物がみつからない!?汚部屋を片付け始めると、意識がほかに移ってしまう時の対処法【作者に聞く】

  • 2023年8月16日
  • Walkerplus

毎日暑くて、どこにも出かけたくない!涼しい場所でゆっくり漫画を満喫したい人におすすめ、ウォーカープラスの人気作品をお届けする。今回は、井上まい(@omo_mai)さんの「大丈夫倶楽部」を紹介しよう。


■自分が住みやすい場所って?居心地のいい場所や人と過ごすこと
「大丈夫倶楽部」は、現在マンガファイブで連載中。「ちょっと大丈夫じゃないときに読むと、自分の心に拳一個分の大丈夫が生まれて救われます」などのコメントが届く人気作品で、2023年9月1日に電子書籍の第5巻が発売する。

「アレ、どこいったっけ?」主人公の花田もねは、失くしものを探していた。すぐわかる場所に置いたはずなのに見つからない。ごちゃついた部屋を探していると、チケットの半券を発見!「これノートに貼らなきゃ」と別のことに夢中になってしまい、探していたものを忘れてしまう。

さらに置きっぱなしのレシートを発見。家計簿に記入していないことに気づく。

1人で悶々としていたところに友人の芦川さんが訪れ、片付けのお手伝いをしてくれることになった。次から次へと意識が別のところに移ってしまい「次から次へと気が散って…一番最初に何をしようとしていたのかしら?」と、困っていたもねは、芦川さんの声がけのおかげで冷静さを取り戻し、今できることをやろうと動き出す。

作者である井上まいさんに「大丈夫」をテーマにした理由を伺うと、「大丈夫になりたい、ほっとしたい願望を実際に長く持て余す時期が自分にもあり、ふとそれを作品に翻案して形にできそうと思えたからです。個人的には、言い聞かせるというより願って目指すようなイメージです」と、語る。

本作では、謎の生命体「芦川さん」が登場する。人ではないものが現れたのにはびっくりしたが、芦川さんの存在について訊くと、「読んで感じていただいた通りで構わないのですが、他人はみんな正体不明で人でも人じゃなくてもわからない、というニュアンスが伝わっていればうれしいです」と、井上さん。

毎回、ちょっとしたトラブルやハプニングをどうやって大丈夫にしていくのかストーリーが楽しみでもある。本作を描くうえでこだわっていることは、「逆に、共感してしまう人たちに向けて「でも、仕方ないし別にいいんですよ」と言ってしまいたい。押し付けない力の入れ具合で、心の角を丸くしたい気持ちでいます」とのこと。

読者からは「うまくいかないこともあるけれど、大丈夫な気持ちになれる」という声も届く。多くの人がホッとできる漫画であることについて、「作品はあくまで可能性の提示で、大丈夫になったならそれはその方の自力によるものですし、読んで落ち込んでも、期待通りにならなくても、一つの読書体験になれたらと思います」と、受け止め方の最適解は読者に委ねている。

なんとか部屋の一カ所を片付けた、もね。まだ半分は片付いていないが「それでもいい」と、片付いた部屋でくつろぐ。自分のできる範囲で無理をしない彼女の生き方は、満足度も幸福度も高い。


取材協力:井上まい(@omo_mai)

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