アパレル業界に約10年いた体験をもとに「女社会の知られざる闇。」を漫画化しているゆき蔵(@yuki_zo_08)さん。身バレしないようにフェイクは入れているものの、エピソードのネタはすべて実話ベース。時代に反したパワハラ上司やクセ強な顧客などが毎回登場する。接客の経験者なら「あるあるー！」と共感できるネタだらけだ。今回は出勤時間についてのお話。アパレル業界のみならず、出勤時間に関する問題はどの業界でも起こっているのではないだろうか？
ゆき蔵が異動になった店舗は、自宅から片道2時間弱の場所にあった。距離が遠く、時間に融通が利かないこともあり、ゆき蔵は毎日早めに出勤し、15分前には店舗にスタンバイしていた。
そんなある日、店長から「いいご身分ね。15分前出勤なんて」と怒られてしまう。「異動してきたばかりなら、普通は1時間前に来るべきでしょ？」と言うのだ。しかし、タイムカードは定時で付けるように店長に管理されている。つまりは、“サービス残業”ならぬ“サービス早出”を強要されているのだ。
同僚のキコちゃんが「事前にお伝えしてなくてすみません」とコソコソ声をかけてきた。どうやらキコちゃんも“サービス早出”を強要されていたのだが、家が遠いゆき蔵にはさすがの店長も強要しないだろうと思い、言っていなかったとのこと。
早出を依頼すること自体はパワハラではないのだが、その分の給与を支払わずに強要する場合は、パワハラ以前にコンプライアンス違反となる。就業時間外の早出は時間外労働となり、通常の時給の1.25倍の手当が支払われて然りだ。このエピソードについて作者であるゆき蔵さんに話を聞いてみた。
――ゆき蔵は実際に無給で、1時間早く出勤する羽目になったのでしょうか？
はい。毎日1時間前出勤が基本で定時に出勤すると一日中嫌味を言われ続けました。退勤も同様で、あがりの時間が迫るとわざと仕事を頼まれたりしてましたね。もちろんその時間は店長に抹消され無給でした(笑)。
――このあと、ストックの整理方法でも店長に怒られ、キコちゃんが手伝おうとすると「そういう傷の舐め合い、やめてもらえる？」ときつい言葉を吐かれていますね？
店長の考え方もさまざまで、売場をよりよくするためにスタッフの自主性を求める人も多かったのですが、鬼ヶ島店長は違ったみたいです…。自分の城(売場)によそ者のアイデアなんて必要なかったようで、ものすごく否定されました。完璧なワンマン店長だったので、下の子たちは合わせるしかありませんでしたね。
ゆき蔵さんのブログ「ゆき蔵さんぽ。」には、「女社会の知られざる闇。」のほかにも、実話をベースに描いたエピソードが満載！華やかなアパレル業界の裏に渦巻く闇の部分を覗けるとあって人気だ。基本的に毎日20時30分、多いときは1日に2回(12時、20時30分)更新しているので、ぜひ読んでみて！
取材協力：ゆき蔵(@yuki_zo_08)
