サイト内
ウェブ

新たな旅スタイル&移住サポートを紹介!観光庁が「第2のふるさとづくりプロジェクト」成果報告会を開催

  • 2023年3月21日
  • Walkerplus

新型コロナウイルス感染症の影響などによって働き方・住み方に関する意識が変化するなかで、密を避け、自然環境に触れる旅へのニーズなどが高まっている。また、大都市には“ふるさと”を持たない若者が増え、田舎に憧れを持って関わりを求める動きも存在している。

そんななか、観光庁では「第2のふるさとづくりプロジェクト」を推進。国内観光の新しい需要を掘り起こし、地域経済を活性化する観点から、いわば“第2のふるさと”として、「何度も地域に通う旅、帰る旅」という新たな旅のスタイルを提案している。

2023年3月9日には、同庁による「第2のふるさとづくりプロジェクト」成果報告会が開催された。第2のふるさとづくりに必要な要素として、地域との関わりの創出、柔軟な滞在環境づくり、移動の足の確保などに対して優良事例を創出するため、全国19地域でモデル実証事業を実施し、報告会では3地域の実証内容を発表。これに加え、「交流の場・拠点の作り方」と「第2のふるさとづくりと移住」をテーマとしたトークセッションが行われた。

北海道川上郡弟子屈町からは「北国からの贈り物」の鈴木藍氏が登壇し、「北海道・国立公園の町で『食住遊働』コンセプトによるどさん子育成プログラム実証事業」の取り組みについて報告。

自然との共生や本質的に豊かな時間、そこで働く人たちの哲学と生きざまを疑似体験できる“食住遊働プログラム”と合わせて、地域との深い交流を育むツアーとファンコミュニティ形成、WEBサイト活用によるコンテンツの可視化、同町のファンと地域をつなぐコンシェルジュ育成などの実内容を説明し、「1万年以上の昔から、自然と共に人が生きてきた弟子屈町の歴史に触れ、次の世代に向かって何をしたらいいのかを一緒に考え、世界に誇れる地域づくりを行いたい」と目標を語った。

京都府南丹市美山町からは「南丹市美山観光まちづくり協会」の高御堂和華氏が登壇し、「地域に通う、心が通う、課題解決型ラーニングツーリズム事業」の取り組みについて報告。

同事業では、かやぶき屋根などの日本の原風景を保つ同町の魅力と、山村留学など教育機関との連携の実績を生かし、企業や教育と結び付いたラーニングツーリズムの実証を実施。4大学から約70人が参加したツアーでは、旅マエから関係性を構築し、地域の暮らし体験や地域で活躍する若者へのインタビューなど「地域に溶け込むプログラムにより理解促進につなげた」ことを高御堂氏は報告した。

さらに企業を対象としたプログラムでは、同町が生産する食材を扱う企業の社員が来訪して生産者との交流を図り、持続可能な農業について意見交換を行ったことを説明。来訪者と地域の人をつなぐ役割として、町内の事業者や住民を対象にコンシェルジュを養成したことも報告した。

3県7市町村にまたがる「雪国観光圏」(新潟県南魚沼市他)からは、代表理事の井口智裕氏が登壇し、「『地域に何度も通う旅、帰る旅』を持続可能かつ再現性高く実現するためのカスタマー・プラットフォームづくり(CRM 基盤)及び関係性構築人材の育成プロジェクト in 雪国観光圏」の取り組みについて報告。

「帰る旅」の循環モデルの中心的な事業として、宿泊施設内にシングルルームを設置し、5時間の手伝いと自室の清掃活動により、無料での滞在を提供すると共に、関係を構築する実証を実施。地域に密着して暮らすように旅する“異日常型観光”の仕組みの構築について説明した。

そして来訪者を対象にした調査では、満足感を得た人が約70%で、再訪の意向率も約50%と良好な結果を確認。今後、事業を継続させてリピーターを獲得するために、観光事業者などを対象にした関係性クリエイターの育成など「人材育成に注力したい」と話した。

同報告会の後半、「交流の場・拠点の作り方」についてのトークセッションでは、沖縄県国頭村役場を退職してやんばる地域で観光業に取り組む「Endemic Garden H」代表取締役の仲本いつ美氏と、埼玉県横瀬町まち経営課の(自称)失敗推進係長、田端将伸氏が登壇した。2人は、官民それぞれの立場から地域の携わり方についてコメント。地域交流の拠点を作り出すために心掛けていることとして、田端氏は「来訪者も住民も気軽に声を掛け合う空気づくりが大切」と語り、仲本氏は、宿泊施設が住民の生活圏に位置することから「宿泊者と共に必ず集落を歩いてローカルルールを伝える」という、適度な距離感を保つための工夫について話した。

また、「第2のふるさとづくりと移住」をテーマとしたトークセッションでは、自身が移住経験者で、現在は移住のサポートや観光案内をはじめとするまちづくりに取り組む「埼玉県小川町魅力発信拠点むすびめ」の八田さと子氏が登壇。移住者の紹介動画の制作や、日帰りも可能な有機農業の研修、町内の見どころを紹介するツアーといった移住サポートの施策を紹介した。

なお、3月下旬からは「第2のふるさとづくりプロジェクト」特設ページにて、今年度、モデル実証事業を行った19自治体の施策などをまとめたナレッジ集を公開予定。同プロジェクトの背景や狙い、今年度採択された19事業者による事業概要、3地域による施策の詳細や成功のポイントなどを紹介する。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.