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【漫画】博物館にいた兵隊の幽霊から不審者認定されてしまう!?夫婦で印象がまったく違った“不思議エピソード”とは

  • 2023年1月21日
  • Walkerplus

子供のころから文字や絵で補足しながら会話を楽しみ、やがて伝えたいことを頭の中で反芻するうちにそれを漫画として描くようになったという、キタハタエミ(@emi_kitahata)さん。Instagramやpixivにて、エッセイ漫画などを公開している。今回は、夫の見た幽霊シリーズから『みどりの制服の警備員』をお届けするとともに、キタハタさんにこの作品に対する思いを聞いた。


旅行中、なんとなく通りかかった博物館に入ったキタハタエミさんと旦那さん。「ちょっと疲れたから」と旦那さんはベンチのある体験展示コーナーに入るのだが、すぐに「もーやだ信じらんない!!」と怒りながら出てきてしまう。急いで後を追うキタハタエミさんがその理由を尋ねると、なんでも部屋に“緑色の制服を着た兵隊さん”が前をまっすぐ見つめたまま立っていたそうで…。

不思議と怖い感じはなく、何の感情も読み取れなかったことから、旦那さんは兵隊のことを幽霊ではなく意識の残像みたいなものだと認識。しかし部屋に入るとその兵隊は突然動き出し、旦那さんは怪訝そうな顔で見つめられたというのだ。旦那さんが気まずそうな表情を浮かべていると、兵隊は何かを悟ったのか、もとの立ち位置に戻ったという。不審者扱いされたと怒る旦那さんだったが、キタハタエミさんはこの兵隊に対して「なんだか神様みたいだなぁ」と感じていた。

旦那さんいわく、兵隊は悲しそうでもつらそうでもなかったのだそう。いろいろと削ぎ落とされて、無に近い存在になりながらも“人を守りたい”ということだけがずっと残っているのだろう、と。誰にも知られず、信仰されることもなく、死してなお己を律して存在し続ける。キタハタエミさんは改めて、“緑色の制服を着た兵隊さん”に敬服せずにはいられないのだった。

旅行先での恐怖体験かと思いきや、なんだか心がほっこりしてしまう不思議エピソード。兵隊が旦那さんのことを怪訝そうな顔で見つめてきたのも、体験展示コーナーにいる子供たちを守りたいという思いからの行動だったのかもしれない。


■とても思い入れがある作品なんです

――思い入れがあるということですが、どのような理由からですか?

キタハタエミ「すでに他界しましたが、祖父が戦争経験者です。夫からこの方の話を聞いたとき、青年期の祖父に出会ったような不思議な気持ちになりました。祖父はとても気の強くキツイ性格の人間でしたが、痴呆が進むと人が変わったように温厚で優しい性格に変わりました。(聞くところによると、出征するまではそのような性格だったそうです)そして、晩年になると多くの仲間が亡くなった中で自分が生き延びてしまったことに対する罪悪感をしきりに口にするようになりました。この方に遭遇した事で、戦後祖父が抱き続けてきたであろう罪悪感や苦しみに対するひとつの回答を貰ったような、そんな気持ちになりました」

――裏エピソードがあれば教えてください

キタハタエミ「この方との遭遇が、このシリーズを描くきっかけになりました。夫の霊感について興味深く思っていましたが、私自身が身内や親しい人を亡くしているので、幽霊をただ一方的に怖くて恐ろしいものという視点で描きたくなかったんだと思います」

画像提供:キタハタエミ(@emi_kitahata)

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