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少子化対策で人工的に子供を育成!?人間とAIどちらがより「人」らしいか?倫理観を問われる超大作に涙の嵐!

  • 2022年10月20日
  • Walkerplus

少子化が進んだ未来では、人口が3千万人と激減。国は人口を維持するために、体外人工授精で人間を育成する機関を作った。親や家族を知らず、AIに育成される子供を描いたコガッツオ(@kogattuo)さんの「ランダムフラスコベイビーズ」を紹介する。

■人口が激減した日本の少子化対策を描いたフィクション
政府の特別な機関で18歳になるまで育成されるのは、無作為に選別され人工授精で生まれた子供達。彼らを育成するのは、AIのミランダとシスターカオリ。「生み育ててくれる国に感謝し、社会に貢献できる人物になりましょう」という国の指導要領のもとに、子供達は人間世界で上手く生きていく術を学んでいた。

「人間とは何か?」人種や見た目で判断せず、「お互いを信じること」。相互認証について教育するシスターカオリ。

ランダムフラスコベイビーズは18歳になると「卒業」となり、施設の外で人間として生活することになる。家族愛を知らず、AIと過ごす子供達は外の世界で生きていけるのか?彼らは漠然とした不安を感じていた。

「本当の人間」を知らない子供達。外の人間とは相互理解できるのか?また、AIと人間は相互理解できるのか?壮大なテーマを元に子供達の「卒業」までを描き切った本作。Twitterに投稿すると「すごいとしか言えない」「心を動かされた」と、大きな感動のコメントがたくさんが届いている。

■言いたいことをド直球で進む形のストーリー展開
141ページという超大作に挑んだ「ランダムフラスコベイビーズ」は、一体どのようなきっかけで生まれたのか。Twitterでバズ漫画となった感想を含めて、コガッツォさんにインタビューした。

――まずは、本作を描くきっかけを教えてください。

pixivに前編を投稿したのがだいたい1年前ですが、私は記憶力が鳥類並みなので描いたきっかけを憶えておりません…。記録をたどってみると下手な漫画を描いてネットで公開することが趣味だったことを思い出し、久しぶりに漫画でも描いてみるか…と描き始め、だんだん楽しくなってきたのが本作だったのだと思います。まとめますと、急に暇になったので本作を描いた次第です。

――大長編の本作ですが、各短編を少しずつ繋げて長編に組み立てていったのですか?

そもそもここまで長くする気は全くなく、取りかかる前はぼんやり40ページぐらいかなぁとか思っていました。私の漫画の描き方としては脚本らしきものを書き、それをもとにネームもどきを描き、下書き未満を作り、漫画みたいなものを作っていきます。この脚本の工程でやらかしました。
 
できた脚本(Ver. 1)をもとにネームを作ってみたら、脚本の1/2ぐらいのところで44ページとなりました。もともと想定していた40ページが80ページに増えたところまでは誤差(!?)の範囲と考え、できた44ページを「前編」としてpixivに投稿。あと40ページを「後編」とするつもりだったのですが、ここで残り40ページで扱うには題材が重すぎることに気づきました。

脚本を修正し、後付けでこれは三幕構成なのだということにして、日本語として変ですが「中編」を突っ込み、結果として前中後編合わせて141ページの「短編」読み切り漫画ができた次第です。つまりは無計画の結果となります。

――感動した!と心を揺さぶられる読者が多数います。現在、6.6万いいねがついていますが、感想としてはいかがでしょう(2022年10月12日現在)。

まことにありがたい限りでございます。見つけることができるおそらくほぼすべての感想は(勝手に)読ませていただきました。絵が下手なうえにセリフも多く、とてつもなく読みにくい漫画なのに、みなさましっかり読んで、また本当に伝えたいことを受け取っていただけた方が大多数でしたので、私の方が感動しております。そもそもこんなたくさんの方々に読んでいただけるとは思ってもおらず、またもっと賛否両論ぐらいになるかと思っておりました。ついに時代に追いつけた気がします。

また、否を言っている方の言うこともよくわかり、描いてるときにエクスキューズがいるかなぁ、と思っていたところを突かれていました。ただ、フィクションで本筋からズレたエクスキューズを多用するのは誠実ではないと思ったため、言いたいことにド直球で進む形のストーリーにしておりますのでご容赦を。今後もそうします。

――ストーリーが盤石で読み応えがありました。いろいろ考えさせられる作品ですね。本作に込めたテーマがあれば教えてください。

(お、も、て、な、し、のリズムで)お、た、が、い、が!です。

――コガッツオさんのこれまでの作品、これから取り組んでみたい作品があれば教えてください。

これまでの作品については恥ずかしいので伏せます。次の話としては、カナコがグリグリメガネを拾う漫画「カナコ、グリグリメガネを拾う」を描いております。SF漫画です。気長に待っていてください。

外の世界に適応するために育成される子供達。外の人間は、「無駄な税金をかけて偽物を作るな!」と反対。彼らはどのように相互理解できるのか。人間か?AIか?何が正しくて何が間違っているのか、倫理観を深く問われる作品だ。

■取材協力:コガッツオ(@kogattuo)

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