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加藤ローサ「母親はいろいろな顔を持っている」シングルマザーを演じた最新作で子育ての大変さに共感

  • 2022年8月19日
  • Walkerplus

出産を期に芸能活動を縮小していた加藤ローサの、10年ぶりとなる映画出演作『凪の島』が、2022年8月19日(金)より公開。瀬戸内海の島を舞台に、両親の不仲により心の傷を抱えた主人公の凪(新津ちせ)のひと夏の成長を描いた本作。凪の母として、島の人々に助けられながら奮闘するシングルマザーの真央を演じた加藤に、母親としての自身についてや島でのロケの思い出、地元・鹿児島のおすすめスポットについて教えてもらった。

■島の自然な空気の中で作り上げた映画
――最初に台本を読んだ時に感じたことを教えてください。

【加藤ローサ】長澤雅彦監督とのお仕事は3作品目で、プライベートでもよくお会いするのですが、監督のお人柄がそのまま出ているお話、という印象でした。要所要所にかわいいキャラクターが出てきたり、お茶目シーンがあったり。徳井義実さんが演じた真央の元夫も、すごくだめなパパなんだけど、憎みきれないようなところがあって、登場人物がみんな素敵だなって思います。

私は特に、嶋田久作さんのわらじいと木野花さんが演じた真央の母のやり取りが好きなんですが、作品全体に温かさがあって「あぁ、監督らしい台本だな」と思って読ませていただきました。

――加藤さんがモノマネをされるシーンがかわいらしくて印象に残っているのですが、あのシーンはもともと台本にあったんですか?もしかして、アドリブなのかな、と思ったのですが。

【加藤ローサ】モノマネ自体は台本にあったんですけど、「今の分かった?モノマネだよ」って凪に言ったのはアドリブですね。自分のモノマネに自信がなくて、分かってもらえるかなぁ?と思ったので、言ってみたんです。

――真央の自然体な感じから、アドリブなのか台本通りなのか、いい意味で分からなかったです。この現場だからこそ生まれたアドリブやお芝居はほかにもあるのでしょうか?

【加藤ローサ】島の方々を演じたエキストラさんは地元の劇団の方が中心で、「好きなようにやっていいよ」と言われていたのか、発する言葉や会話なんかはアドリブというか本当に自由なものでしたね。セットも特別に作ったものはなくて、島にあるものに少し手を加えるくらいでしたし、島の空気そのものが映し出されていると思います。島の人たちと宴会をしているシーンもたくさんあるんですけど、演技っぽさが全然なくて自然だなぁと思っていました。

――作品の自然な空気を島の人たちが作ってくれたんですね。

【加藤ローサ】まさにそんな感じです。長澤監督はあんまりカチカチに決めずに撮る方なので、その場でセリフが増えたり、減ったりして、現場の空気が生きた作品になっていると思います。

長澤監督とは10代、20代とご一緒させていただいていて、今回は30代になってのお仕事だったので、さすがにちょっと成長した姿を見せたいなと思っていたんですけど。

――加藤さんの成長に関して、長澤監督はなにかおっしゃっていましたか?

【加藤ローサ】特にはなかったですね(笑)。監督は、いつもあまり多くを語らないというか。現場でも「あなたがそこで思ったことを僕がそのまま切り取ります」という感じで、特に「こうして欲しい、ああして欲しい」というのもあまりないんです。「どっちがいいですか?」って私から聞けば答えてくださるけど、そうじゃない時は、なにも言わないのはいいってことなんだなと思って演じています。

■いろいろな顔を持つ母親として真央に共感
――真央を演じるうえで、どんなことを大切にしていたんでしょうか?

【加藤ローサ】今回はありがたいことに、娘の方がしっかりしている役どころだったので、変に気負わずに演じました。ちせちゃんも、凪のようにとてもしっかりしている子なんです。すごく好奇心旺盛で天真爛漫なんですけど、大人と子供という距離感ではなく、対等に話せる芯の強さみたいなものを持っているので、撮影の合間にもそういう感じでいろいろとお話して。漢字を教えてもらったりもしました(笑)。

――しっかりしている娘の凪に対して、真央はちょっとそそっかしい感じのお母さんですね。

【加藤ローサ】作中では島に来てからの真央の姿が切り取られていますが、都会にいた時はきっと「ひとりでちゃんと頑張らなきゃ」って、一生懸命に張り詰めていた女性だったんじゃないかなって想像しました。その反動もあって、自分の母親の元に帰ってきたことで子供に戻ったというか、頼れる人がいる島での生活では心が解放されて、ああいうキャラクターになったんじゃないかなと思いました。

――加藤さんは海外での生活や子育てが大変だったそうですが、ひとりで頑張っている母親というところに共感する部分もあったのでしょうか?

【加藤ローサ】やっぱり共感しますよね。自分の母親の元にいると、自分が娘に返ってしまうなと感じる部分もありますし。それに、母親になると、仕事の時や学校の行事、家庭内と、いろいろな顔を持って、それぞれに違う顔で対応していかなければいけないんですよね。真央にも、そういうところはあるんじゃないかな。

――子育てに集中された期間を経て徐々にお仕事に復帰されていますが、今と以前でお仕事に対するスタンスなど、ご自身の中での変化はありますか?

【加藤ローサ】以前はありがたいことに、とてもたくさんのお仕事をやらせていただいていて、ちょっとキャパオーバー気味だったところもあったと思います。今回は久々に映画の台本をいただいたこともあり、ゆっくり丁寧に読ませていただきました。そういう時間が持てることで心の余裕もできたので、家庭を優先しながらお仕事をさせていただく、今の状況の方が自分には合っているのかなと思いました。バランスを取りながら、無理なく少しずつできることをやっていけるのが理想ですね。

■温泉が大好き!「でも、関東にいる時はスーパー銭湯ばかり」
――瀬戸内海に囲まれた島でのロケということでしたが、加藤さんの地元である鹿児島も海に囲まれた県ですよね。瀬戸内海とは違う雰囲気なのでしょうか?

【加藤ローサ】やっぱり鹿児島の海は荒々しいですよね。溶岩でできた黒い地層というのもあるんですけど、外海だし。初めてゆっくり瀬戸内海にいましたけど、これが海なのか?って思うくらい穏やかで、鹿児島の海とは全然違います。すごく癒やされるんですよ、瀬戸内海って。

――本作でも美しい風景が映っていましたが、生で見たらもっとすごいんですね。

【加藤ローサ】はい。夕陽なんか、もうすごくきれいで「あぁ今日も生きてたな、お疲れ」って思いながら1日を終える感じでした。デトックス効果もあると思います(笑)。

――地元・鹿児島でのおすすめスポットについても伺いたいです。

【加藤ローサ】私、温泉が大好きなんですよ。だから、実家に帰っても温泉に行きまくってます。「たまて箱温泉」は海を180度一望できる温泉なんですけど、すごくおすすめです。桜島も見えて良かったな。家族で唐船峡の流しそうめんに行って、砂むし温泉に入って、たまて箱温泉で過ごしたのも楽しかったですね。

――普段から温泉には結構行かれるんですか?

【加藤ローサ】入りますよ。それこそ島でロケをしていた時も、瀬戸内海が一望できる温泉があって、ぱるる(島崎遥香)と2人で毎日入っていたんです。そのホテルには女子2人だけだったので、携帯で動画を見たり、芸能界の話とかたわいもない話をしたりして過ごしていました。でも、関東にいる時はスーパー銭湯ばかり行ってます(笑)。

撮影=八木英里奈
スタイリスト=浜木沙友里
ヘアメイク=三宅茜
取材・文=大谷和美

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