サイト内
ウェブ

3.1メートルの「狐刀カカルクモナキ」を原寸大で再現!モンハン×堺市のコラボイベントに行ってみた

  • 2022年8月10日
  • Walkerplus

2004年にカプコンから発売された「モンスターハンター」(以下、モンハン)。狩人(ハンター)が密林や砂漠などの広大なフィールドで巨大なモンスターを狩猟するゲームだ。最近では「モンスターハンター:ライズ」の大型拡張コンテンツ「モンスターハンターライズ:サンブレイク」(以下、サンブレイク)が2022年6月30日に発売され、早くも全世界の販売本数が300万本を達成(2022年7月13日時点)するなど、今や世界的人気を誇るゲームシリーズの1つになっている。

そんななか「モンスターハンター×堺 -いにしえの技にせまる-」と題し、大阪府・堺市「さかい利晶の杜」にて、7月9日から9月4日(日)までモンハンと堺市のコラボレーションイベントが開催!日本でも有数の刃物生産地である堺市がゲーム内で登場する武器を作り、公開している。

今回はそんな異色のコラボイベントに、モンハンとカプコンを愛してやまないゲーマーの筆者が胸を高鳴らせながら訪れた。等身大の「狐刀カカルクモナキ」などが目玉となる本展の見どころをご紹介!

■まさにモンスター級!全長3.1メートルの太刀を“原寸大”で再現
会場に入ると、すぐ右側に過去のイベントでも出展されていたハンターの装備が勢揃い。入り口手前から「ジンオウ」「レギオス」「ゴア」「バルク」「オーグ」「ラヴィーナ」の順で全6種類が並んでいるが、いずれも原寸大なので迫力満点だ。筆者と同行していた編集部員は、あまりの佇まいのかっこよさに思わず記念撮影。

そのすぐ目の前に鎮座しているのが、本展のメインとも言える「狐刀カカルクモナキ」。ゲーム本編で、キャラクターが自身の身体よりも大きい武器を軽々と振り下ろす姿が見られるが、「実際に目の前にするとどのくらいの大きさなんだろう?」と、プレイヤーなら一度は考えたであろう想像を見事に具現化。

原寸大サイズである全長3.1メートル(刃渡り2.2メートル)、総重量150キロで再現されており、その存在感に「ハンターはこんなでかいものを振り回しているのか…」と圧倒されてしまった。ゲームをしているだけではわからないが、もしかするとモンスターよりハンターのほうがよっぽど脅威的なのかもしれない。

そしてよく見てみると大きさだけでなく、見る角度によって刀身の色合いが変化したり、鞘にはモンスターの爪痕が残っていたり、さらには柄の部分が伸縮するなど、ゲーム内での設定が忠実に再現されている。実際に手触りなどを体感してみたいものだが、接触NGのため存分に目で楽しもう。

銃刀法上の関係で刀身の部分に鋼が使用できないため「極軟鉄」という素材で製作されており、また鍔(つば)や鞘の部分は金属のような光沢があるが、こちらは全て木製なんだそう。その完成度の高さに驚くこと間違いなしだ。この記事を書いている時も、「やっぱり本当は金属だったんじゃないか?」と少し疑ってしまうほど精巧なつくりだった。

この再現太刀を製作したのは、刀匠・水野淳さん(水野鍛錬所)、木彫・前田暁彦さん(木彫前田工房)、彩色・山口雅和さん(プロモデラー)の3名。3名とも堺市にゆかりのある職人で、構想に1年以上、製作期間はなんと3年掛かりと、大規模なプロジェクトだったそう。

ゲームでは加工屋に行けば1秒もかからずに武器が完成するためついありがたみを忘れがちだが、武器の製作の過程を知って、今後は加工屋への感謝の気持ちを忘れずに狩猟を行えそうだ。

■デザイン画に「肉焼きセット」も!堺市製の刀剣にも注目
ほかにも最新作であるサンブレイクの貴重な設定資料集も数多く展示されており、なかでも本作から新たに登場した“王域三公”と呼ばれる「メル・ゼナ」「ガランゴルム」「ルナガロン」の装備デザイン画は本展が初出だ。

資料集の鑑賞中にふと横を見てみると、「上手に焼けました〜!」でお馴染みの「肉焼きセット」が。すっかりハンター気分の筆者は肉をグルグル回すことに夢中に。ただ、肉の大きさが背負っているリュック並みに大きく、「これをペロリと食べてしまうハンターの胃袋は一体どうなっているのだろう」と素直に思った。彼らは本当に人間なのだろうか。

また、展示の後半では「堺のいにしえの技」と題して、堺市博物館が所蔵する堺製の刀剣「泉州刀」や、かつて鉄砲の主要生産地として栄えた堺の「火縄銃」などが公開されている。古墳時代から続く堺市の金属加工技術の結晶が見られるので、刀剣や歴史に興味がある人にとっても大満足の展示だ。

■なぜ堺市とのコラボレーションなのか?
堺市といえば、2019年に「大仙陵古墳」をはじめとした古墳群が世界文化遺産に登録されたことが記憶に新しいかもしれない。中世には自由都市・貿易都市として発展していたりと、長い歴史のある街だが、日本で有数の刃物生産地でもあるのだ。

堺市の刃物生産の技術は、5世紀の大仙陵古墳の建造によって培われたという。その後16世紀に入りポルトガルから日本に鉄砲とタバコが伝来すると、タバコの葉を刻む包丁が大量に必要になったため製造が盛んになったんだとか。そして品質の高さから江戸幕府に「堺極」(さかいきわめ)の印を受け全国的に流通し、その伝統が現在に受け継がれているのだ。

そして今回のコラボイベントの実現は、堺市からカプコンへ企画を提案したことがきっかけだそう。刀剣や武具・防具が数多く登場するモンハン。まさにぴったりのコラボレーションだったと言える。

■コラボは堺の街全体に!フォトラリーやラッピング電車も
本展の会場となった「さかい利晶の杜」以外に、堺市の街を舞台にしたイベントも用意されている。各スポットのクエストを達成し、写真を集めると「オリジナルコラボポストカード」がもらえるフォトラリー形式のイベントだ。こちらも9月4日(日)まで開催。

また今回のイベントを記念して、6月23日より阪堺電車でコラボラッピング電車が運行中。シリーズのマスコットキャラクター「アイルー」や「メル・ゼナ」が描かれている。

今回のコラボイベントに参加して、昔からプレイしていたモンハンがこうした一大プロジェクトに発展していることが、自分のことのようにうれしく、なんだか誇らしい気持ちになった。また、モンハンと古代より伝わる堺市の高度な鍛治技術の融合によって誕生した「狐刀カカルクモナキ」の再現太刀を通して、ゲームだけでは気づけなかったモンハンの魅力と共に、堺市の伝統や文化の素晴らしさを知ることができた。

このイベントのように、ゲームがきっかけでいろんな街の魅力を知る機会がどんどん増えていったら…と考えると、ゲーマーとして今後が楽しみでならない。

取材・文=西脇章太(にげば企画)

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.