サイト内
ウェブ

スターバックスの「JIMOTOフラペチーノ(R)」が登場!棒ほうじ茶で石川の“いいじ”に出合う

  • 2022年8月1日
  • Walkerplus

スターバックスが2021年夏に、日本上陸25周年を機会に、47都道府県ごとに異なる「47 JIMOTO フラペチーノ(R)」を販売。各都道府県のパートナー(従業員)のアイデアをもとに商品化された「47 JIMOTO フラペチーノ(R)」は、発表後に、SNSを中心に私の地元の商品は…と盛り上がりをみせ、それぞれに商品と地元を語るなど、自分の地元を感じながら楽しめるフラペチーノ(R)として人気を博した。ただ、昨年の夏は新型コロナウィルス感染症の影響で行動制限もあり、近くの店舗で地元の商品を楽しむことで終わった方も多く、他県のものも飲んでみたかった!思い出の県の商品も飲みたかった!と惜しむ声も多数あり、不完全燃焼で終わった方も多いはず。
そんな日本中の話題となった「JIMOTO フラペチーノ(R)」が2022年夏に、全国の店舗に戻ってくる。2022年の「JIMOTOフラペチーノ(R)」は、お客、パートナーの声などによって選ばれた3種類を全国の店舗で販売し、いつもの店舗で3つのJIMOTOフラペチーノ(R)をどれでも楽しむことができる。そのひとつが「石川 いいじ 棒ほうじ茶 フラペチーノ(R)」だ。「いいじ」とは、石川の方言で「いいね」の意。棒ほうじ茶の「いいじ」を探しに、石川県を訪ねた。

■「ほうじ茶=棒茶」が石川では当たり前
江戸時代に加賀藩前田家のもと茶の湯の文化が発展した金沢。街を歩くと茶葉や茶器を扱う店を多く見かけ、お茶の文化が深く根付いていることを感じる。
「夏、冷蔵庫を開けると冷やしてあるのは、棒茶です」と言うのは、スターバックス コーヒー 金沢藤江店のストアマネージャー(店長)・川村秀美さん。
棒茶とは、茶の茎のみを焙煎した「棒ほうじ茶」のことで、金沢を中心とした石川では、ほうじ茶と言えば棒茶のことを指すほど日常的に飲まれている。明治期に金沢の茶商が、捨てる部分だった茎を焙じたことから始まり、当時高価だったお茶が庶民にも親しまれるようなったという。石川で生まれ育った川村さんも例外ではなく、「自宅でもオフィスでも、冷蔵庫に入っています」と愛飲している。
また、県内の生産者も加賀棒ほうじ茶の文化と茶の品質を守っている。

「石川 いいじ 棒ほうじ茶 フラペチーノ(R)」は、そんな棒ほうじ茶をたっぷり使った一杯。ミルクとともにブレンドしたベースに、ホイップクリームにも棒ほうじ茶のパウダーをかけ、茶の味わいと香りを堪能できる。
「通常、フラペチーノ(R)はご褒美感があるのですが、地元で棒ほうじ茶に馴染みがあるからこそ、1回飲むだけで満足するというより、お茶を飲むようにリピートしてくださるお客様がたくさんいらっしゃいました」と昨年の様子を振り返る。

石川の棒ほうじ茶を使ったフラペチーノ(R)は2018年が最初。「47 JIMOTOフラペチーノ(R)」で県内各店からフラペチーノ(R)のアイデアを募った際でも、棒ほうじ茶を使った案が最も多く寄せられ「石川 いいじ 棒ほうじ茶 フラペチーノ(R)」が誕生したといい、地元での棒ほうじ茶の人気の高さがうかがえる。
川村さんも「2018年の販売の際は、全国で売り切れてしまって飲めなかった方もたくさんいたと聞いています。昨年はさらに、県内のみの販売だったため、今年は全国の店舗で多くの方に楽しんでいただきたいです」と意気込む。

ほうじ茶とほかの緑茶との最大の違いは、「焙煎」すること。石川では棒ほうじ茶を自家焙煎する茶舗が多く、店ごとに手法や焙煎機に工夫を凝らして茎を焙じ、ほうじ茶特有の芳ばしさや甘さ、まろやかさが生みだしている。
そこで棒ほうじ茶が大好きな川村さんと、その魅力をさらに深く知るため、今回のフラペチーノ(R)で使用する加賀棒ほうじ茶の製茶・販売を手掛ける「油谷製茶」と「上林金沢茶舗」を訪ねた。

■各店が磨く焙煎技術が、加賀の棒ほうじ茶のブランド力をはぐくむ
焙煎には一般的に直火焙煎、遠赤外線焙煎、砂炒りの3つの方法がある。そのうち多くで採用されているのが直火焙煎と遠赤外線焙煎だ。直火は鉄製の回転ドラムを直火で加熱して焙煎するので、茎の表面から茶の香りを中に閉じ込めて風味が豊かになるのが特徴。一方、遠赤外線は茎の内側から加熱し、浅煎りを得意とする焙煎方法だ。

1918年に創業し、3代目の油谷祐仙さんが取り仕切る「油谷製茶」。ほうじ茶の良い香りに包まれながら焙煎所の扉を開くと、熱を放ちながら3つの焙煎機が稼働していた。遠赤外線と直火で同時に焙煎できるハイブリッドな焙煎機。茎を入れてぐるぐると回るドラムの中に遠赤外線のヒーターがあり、さらにドラムの下から直火を入れている。

「3つの焙煎機はそれぞれ温度が違うんです。ベースとなる焙煎、コクを出す高温の焙煎、香りを出す低温の焙煎に分け、異なる温度で焙煎した茎を最後にブレンドして最高の味になるよう計算しています」と、油谷さん。3台の焙煎機に1人ずつ、ほぼつきっきりで温度を管理。焙煎機ごとに役割の異なる棒ほうじ茶をつくり、それらをブレンドすることで茶の味や香りのバランスを整えているのだ。

焙じたばかりの茎を手のひらで握ってみると…硬かった焙煎前の茎に比べて「ふわふわ~っ。お布団みたい(笑)」と驚く川村さんに、「水分が抜けて茎が膨らむからだよ」と油谷さん。

一方、「上林金沢茶舗」が採用しているのは遠赤外線の焙煎。工場内にある1台の焙煎機に、3代目・織田 聡さんがつきっきりで温度管理をしている。

茎は遠赤外線の下のコンベヤーで流しながら焙煎。コンベヤー自体も小刻みに振動して茎を転がし、茎全体に熱を当てている。焙煎後の茎は下段のコンベヤーに流れていき、自然な温度で冷ましていく。

「焙煎していると室内の温度が高くなり品質に影響するので、そういうことも計算しながら随時温度を調整していくんです。10分に1回、ターゲット(焙煎見本)と照らし合わせ、品質が一定になっているかをチェックしています」と織田さん。季節、気温、湿度、時間、さまざまなものが焙煎には影響するのだ。
焙煎後の茎を「折ってみて」と勧められた川村さん。焙煎前の茎と比べ、パキッと軽くなっているのがわかる。「ふっくらした証拠なんですよ」と織田さん。

織田さんは、遠赤外線の焙煎にこだわる理由を「上林金沢茶舗の商品として僕が目指すところは、上品な味わいの加賀棒ほうじ茶。その味にこの焙煎機が合っているんです」と語る。

それはほかの茶舗も同様で、それぞれに目指す味があり、その味に合う焙煎機を使い、これまでの気温や温度、湿度などのデータを管理し、焙煎技術を磨いている。
油谷さんは「3種類の焙煎を混ぜるのはうち独自のやり方。真似ができないように作るのが私の仕事。そうやって作り手がそれぞれ技術を磨いていくことでおいしいお茶ができ、加賀棒ほうじ茶のブランド力を底上げしていくんだと思う」と、個々の職人が切磋琢磨することの大切さを語る。

油谷さんも織田さんも「お茶は嗜好品だから」と言う。どの店が良いというのではなく、どこのお茶が好きか。好みは人によって違う。だから自分の店のお茶が好きだと言ってくれる客の喜ぶ顔を想像し、茶を作り続けている。
「常に満足せずに改善をされているのがすごいですね」と川村さんも感嘆の表情だ。

■コーヒーにも通じる、原料や焙煎による繊細な味の違い
コーヒー豆との共通点も発見した。
緑茶でよく飲まれる煎茶の製造では、蒸した茶葉を揉み、乾燥させる。この状態の茶葉を「荒茶」といい、仕上げの加工の前に荒茶の茎や粉を取り除く。この段階で選別された茎が、棒ほうじ茶の原料となる。荒茶の段階で仕入れるので、焙煎後の味を“想像”して仕入れているのだそう。

その年の茶葉の出来で味も左右されるので、五感や経験から判断して荒茶を仕入れ、焙煎技術で「いつもの商品の味」や「作りたい茶の味」を生み出していくのだ。
「コーヒー豆と似ていますね。私たちも例えば毎年販売するクリスマスブレンドのコーヒー豆は、同じ味を目指して焙煎し商品化しています」と川村さん。棒ほうじ茶とコーヒー豆、物は違ってもその向こうに見えているものは同じ、その味を待つ客の顔だ。

また、原料の茎は茶葉全体の10~15%しか取れない貴重なもの。いわば茶葉の副産物のため、農園や産地などを限定して作ることができない。逆に言えば、どんな茶葉の茎を使うかによって味が変わるというのが奥深い。
「一番茶は香りが良いので浅煎りに向く。二番茶、三番茶は香りが落ちるけれど深煎りにすることで香りを立たせる。煎茶の茎は香りが良いけど味は薄い、かぶせ茶の茎は香りが高く甘いなど、茶葉の種類によっても茎の質が違う。こうしたバランスをみながら茎を合組(ブレンド)するんですよ」と、油谷さん。

油谷製茶では、数種類の棒ほうじ茶のテイスティングをさせてもらった。一番茶を2種類、二番茶を1種類、そして焙煎前の荒茶を1種類。

一番茶の水色(すいしょく)は黄金色、二番茶はほうじ茶でイメージされる少し茶色みを帯びた水色だ。まずは荒茶から順に、香りを確かめていく。

「わぁ~、あきらかにそれぞれの香りが違いますね。でも言葉で説明するには難しい(笑)」と驚きながら、茶を飲み比べていく。
「同じ一番茶でも味が違いますね。こちらは香りがよく、もう一方はさわやかさがある感じがします」と川村さん。
「二番より一番のほうが、甘みがあるでしょう」という油谷さんの問いかけに、「そうですね、まろやかです。二番は飲み慣れているものに近いほうじ茶の味ですね。すっきりさは一番より劣りますが、こちらは芳ばしさがいいですね」と答える。
「ね、だから嗜好品なんですよ」という油谷さんの言葉に、納得の表情を浮かべる川村さん。
「どれが良いか悪いかではなく、どれが好きか、ですね。本当に嗜好品。気分によっても変えられる」と、コーヒーにも通じる茶の楽しみ方に触れたようだ。

■「フラペチーノ(R)×棒茶」との出合いで石川に興味を
油谷製茶でも、上林金沢茶舗でも、取材の際に私たちに出してくださったのは、もちろん加賀棒ほうじ茶。黄金色に輝く冷たい棒ほうじ茶を飲みながら話を伺うと、そのおいしさ、品質に誇りをもち、加賀棒ほうじ茶をもっと多くの人に届けたいという思いを強く感じる。
同じ焙煎機を使っても、例えば静岡で焙煎されたものと石川で焙煎されたものとでは、同じ棒ほうじ茶でも味が全然味が違うのだそう。「金沢は“弁当忘れても傘忘れるな”って言われるくらい雨が多い地域ですが、この気候風土が棒ほうじ茶に良い影響をもたらしていると思います」と、織田さんは誇らしく語る。

棒ほうじ茶がフラペチーノ(R)とともに全国に届けられることは、「加賀棒ほうじ茶にかかわる人たちはみな喜ぶと思います。県内の人は加賀棒ほうじ茶ってもう知っていると思うので、新しい楽しみ方として楽しんでほしいです」と、新しい棒ほうじ茶の文化が生まれるのではと期待を寄せる。

油谷さんは、棒ほうじ茶を知らないエリアの人が棒ほうじ茶に出合う機会ができたことを喜んでいる。「楽しみだなと思いますよ。飲んで、おいしいって、ニコッと笑ってほしい。金沢に行ったらおいしいからあれ買って帰ろうって思うきっかけになってくれたらうれしいですね」

今回、特別に「石川 いいじ 棒ほうじ茶 フラペチーノ(R)」用に焙煎された棒ほうじ茶を試飲したり、目の前で焙煎する様子を見学した川村さん。「香り高くまろやかで、ミルクに絶対合いますね!」と目を輝かせ、「このフラペチーノ(R)をきっかけに石川の“いいじ”を探しに来てくれたらうれしいです」と語る。

石川県民が愛する棒ほうじ茶が、職人の技術や思いと、スターバックスの地元への思いが掛け合わさり、全国へと届けられる。石川の“いいじ”な一杯をぜひ味わってみてください。


※運営・施設の了承を得て、撮影時のみマスクを外しています。
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.