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【漫画】不穏な空気をしばき倒す関西弁ツッコミ!新感覚のホラーギャグに抱腹絶倒

  • 2021年12月28日
  • Walkerplus

どことなく不気味で不穏な雰囲気、自分のドッペルゲンガーに出会ってしまう展開……。明らかにホラーのノリでありながら関西弁のツッコミでたたみかける漫画が「最高に笑った」とTwitterで話題だ。

■異なる時間の自分同士が遭遇、ホラー展開のはずが怒涛のツッコミで流される
反響を呼んでいるのは、漫画家の森とんかつ(@tonkatsu_mori)さんが自身のTwitterにて「ツッコまざるをえない怖い話」として投稿した作品。

丑光高校に新たに赴任してきた「どこにでもいる関西人」の高校教師・園渚。担任となったクラスで自己紹介をしていると、掃除ロッカーの中から小学生と思しき女の子が現れる。生徒によると彼女・物部スイカは、丑光高校に伝わる「百七不思議」の一つなのだとか。すかさず「いや多いな!」と返す園先生。一方スイカは、首だけの赤ちゃん(のおもちゃ)を見せたり吹き矢を吹いたりとやりたい放題。「シバくりまわしたろか!!」と追いかける園先生だったが、スイカが逃げ込んだ掃除ロッカーを開けると男子トイレに繋がっており、そこには用を足すもう一人の自分がいた。

あまりの事態に気を失ってしまう園先生。落ち着いた後、(着任早々何やったんやほんま…夢でも見とったんかな)とトイレで振り返っていると、勢いよくトイレの個室が開き、中から自分が飛び出してきた。気を失う前に見たのは、今この時の自分自身だったのだ。ホラーであれば真相が明らかになり真の恐怖が待ち受けるような事態だが、そこに現れたスイカがなぜか便器を覗き込んできて、「こら見な!!」「何がや!!」と園先生はツッコむのに必死。過去の自分は何をするでもなく個室を閉めて去っていくのだった……。

この投稿には6.2万件を超えるいいねがつき、ユーザーからは「ツッコミどころ満載だな」「赤ちゃんのやつ結構えぐいのに他のギャグで消されていく」「怖いだけなのは苦手だけどこれは平気」と、ホラーにあるまじき疾走感あふれるツッコミに笑ったというコメントが多く寄せられた。

■恐怖と笑い全部乗せの“とんかつパフェ”のような作品に
本作はgood!アフタヌーン(講談社)に掲載された読み切り作品で、現在は『スイカ』として同誌上にて連載中。10月には単行本第一巻が発売されこちらも反響を呼んでいる。今回は作者の森とんかつさんに、本作が生まれたきっかけや作品作りでのこだわりなどを訊いた。

――本作が生まれたきっかけを教えてください。

「『DAYS NEO』という漫画投稿サイトに、今連載しているスイカの原型みたいな、小学校が舞台のスイカを投稿しました。それを見て担当になってくれた編集さんから『森さんの描く高校生が面白いんで、高校を舞台にしたスイカを描いてほしい』と言われたのがきっかけです。小学生のスイカが何故高校にいるのかというのを解決する策として、百七不思議という設定を考えました」

――関西弁ツッコミで畳みかけるアイデアは本作に合わせて考えられたんですか?

「たまたまです。元々漫画を描き始めた頃は、キャラクターの台詞は標準語で書いていたんですけど、普段使ってる言葉じゃないので違和感があって。かといってそのまま普段の会話を落とし込むとそれはそれで『関西弁でっせ』感が強くて恥ずかしかったので、徐々にちょうどええとこを絵柄も含めて模索していった感じです。単純に自分の表現したいニュアンスを読者に伝えるために関西弁を使っています」

ホラーテイストに畳みかけるギャグというスタイルとなったのは?

「子供の頃に見たマイケル・ジャクソンのスリラーの影響が強い気がします。怖いけど面白いし、かっこいいし、気持ちいいし、オチ最高やし。僕のやりたいことが全部詰まっています。純粋なホラー漫画には憧れはあるんですけど、描こうと思ったことはないですね。絵が下手なんで描ける気がしないです」

――キャラクターやお化け、怪物のデザインも幅広く、こだわりを感じます。

「諸星大二郎さんや徳弘正也さんの描かれるクリーチャーが好きで、あんなん描けたらええなと思ってるんですけど、無理ですね。デザインはいつもぎりぎりまで悩んでいます。臓袋の回(第二話。単行本第一巻収録)のウサギ女は、ネームの段階ではリス男やったんですけど、原稿描いてる最中に思いついて急遽変えました。キャラクターが沢山出るワクワク感が好きなんで、そういう感じになったらええなと思って楽しんで描いています」

――シチュエーションも、ギャグで落とす作品の雰囲気がなければぞっとするような話も織り交ぜられていますね。

「恐怖と笑いは紙一重みたいな漫画じゃなくて、どちらかと言うとどんぶりにギャグとホラーをのっけて出したみたいな。とんかつパフェって食べ物あるじゃないですか。見た目すごいけど食うたら意外といけるみたいな。そんなイメージで描いています。読者を驚かせたいなとは思ってるんですけど、本気で怖がらせたいとは思ってないんで、ホラーに引っ張られすぎんように踏ん張っています」

――作品作りを通して意識している点、こだわっている点があれば教えてください。

「読者が安心して読めるように、精神的にタフなキャラ。台詞は少なめに。勢いで誤魔化す。ぐらいです」

――SNSで大きく話題になったほか、単行本第1巻もかなりの評判を呼んでいます。読者からの反響はどう感じていますか?

「ただただ嬉しいです。最近初めてのファンレターも貰いました。返事はまだですが必ず書きます。普段愛想のないTwitterの使い方してて申し訳ないんですが、コメントとか見て喜んでいます。ほんまありがとうございます」

――読者に期待してほしい点や今後の展望など、最後に作品のアピールをお願いします。

「とりあえず打ち切りは免れたんで、百七不思議目指して頑張ります」

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