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ばんそうこう?バンドエイド?それともサビオ?地域によって違う呼び名の謎に迫る!

  • 2021年11月17日
  • Walkerplus

傷ができたときに貼るアレ、あなたは何と呼んでいるだろうか。「当然、〇〇でしょう?」と思ったかもしれない。実はその「〇〇」の名称は地域によって大きく異なるのだ。一般名称は「絆創膏」だが、その呼び方は全国各地でさまざま。隣り合う地域でも、呼び方が違う場合もあるようだ。ちなみに筆者は以前「サビオ」と呼んでいたが友人たちに通じず戸惑った経験があり、現在は「バンドエイド」と呼ぶようにしている。

そんな地域による呼び方の違いを、ひと目で分かるマップにまとめたのが「ばんそうこうの呼び方マップ」だ。これによると、名称は「ばんそうこう」のほか、バンドエイド・カットバン・サビオ・リバテープ・キズバンなど、主に6種類の呼び方が存在する。「ばんそうこう」を除くいずれの呼び名も絆創膏の商標名だそうで、同サイト内では「エリアで最も普及した(あるいは認知された)商標名を”絆創膏”を指す呼び名として使っているのではないか」と推測している。

「ばんそうこう呼び方マップ」を手がけているのは、熊本県に本社を置く阿蘇製薬株式会社。なぜこのようなマップを作ったのか?担当者に話を聞いてみた。

■きっかけは”サビオ”から?「ばんそうこうの呼び方マップ」ができたワケ

―まずはじめに、御社がどのような会社なのか教えてください。

「弊社は絆創膏などのキズケア商品を主体とした医薬品・医療機器・医療衛生用品メーカーです。とくに救急絆創膏は国内最大の生産数(生産枚数)を誇ります」

―国内最大!不勉強で、存じ上げませんでした…。

「無理もないと思います。阿蘇製薬の名前を知らない方も多いのではないでしょうか。なぜなら、弊社製品の約8割がプライベートブランド(PB)、すなわち相手先ブランド商品なんです。ドラッグストアやホームセンター、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど、各業界のトップ企業からの生産委託に応え、お客様と共にPB製品の開発を行っています。オリジナル製品とPB商品をあわせると、150種を超える絆創膏をつくっていますよ」

―いわゆるBtoBの取引が主力である御社が『ばんそうこうの呼び方マップ』を制作することになった経緯をお聞かせください。

「きっかけは、絆創膏の呼び名の1つである”サビオ”ブランドの復活です」

―「サビオ」がきっかけとは?

「サビオはライオン株式会社から販売され、弊社で製造を手がけていたのですが、2002年に販売を終了しました。その後、年月が経っても絆創膏のことを”サビオ”と呼ぶ方がいるらしいことは弊社内でも知られていました。熱心なお客様からサビオに関するお問合せの電話をいただいたり、北海道の販売店様から弊社の営業担当へ『サビオの名前を付けた商品を販売したい』というお声をいただいたりもしたんです。

2019年、それらの声を受けて、弊社はとくにサビオブランドが定着していると言われていた北海道エリアで実態調査を行いました。その結果、販売終了から17年経っていたにも関わらず、北海道ではサビオブランドの絆創膏が広く認知されていることがわかったんです。そこから”サビオ絆創膏を復活させよう!”という流れになりました。

これらの調査の中で、絆創膏の呼び方が地域によって異なるということが改めてわかりました。そこで、サビオ絆創膏の再発売のプロモーションの一環としてアンケート調査を実施し、作成したのが『ばんそうこうの呼び方マップ』です」

―なるほど!地域によって呼び方が違うことは、調査前からご存知でしたか?

「はい、知っていました。ただ、エリア別に調査してみて、予想以上に呼び方にばらつきがあったのは驚きました」

―マップをつくるにあたり、どのような方法で調査されたのでしょうか。わかりやすくするために工夫したことがあればお聞かせください。

「調査はWEBアンケートで行いました。現在は『ばんそうこうの呼び方マップ』内にアンケートフォームを常設し、継続調査を行っています。地図上の都道府県ごとに一番多いもので表示させていますが、今後はより細かな情報を開示していくことも考えています。マップを作るにあたっては、スマホやパソコン、タブレットなど、どの端末で見ても見やすいように配慮したつもりです」

―ちなみに、御社内ではどの呼び方が優勢ですか?

「熊本では”リバテープ”が主流ですが、弊社に入社したと同時に”リバテープ”とは呼ばなくなります。競合他社の商標ですので(笑)。入社後は、”救急バン”か”ばんそうこう”という人が多いと思います」

―熊本の会社なのに、サビオは北海道で復活したんですね。

「本社工場は熊本にありますが、従来から全国の小売店様とビジネスをさせていただいています。先ほども少しお話したとおり、サビオブランドの復活は北海道に強みを持つ販売店様から要望があったことがきっかけでした。北海道限定なのは、ほかの地域と比較してサビオブランドの浸透度、認知度が圧倒的に高いため、まず北海道からスタートしようということになりました」

―サビオは御社のほかの製品に比べて違いはありますか?往年のサビオとの違いも教えてください。

「ブランドの復活に当たり、当社がこだわったのは、サビオブランドに愛着を持っていただいている方々の、絆創膏に対しての”想い”です。2019年3月、約5000名のスクリーニング調査(本調査に先駆けて行う事前調査)から北海道エリア在住の約500名を抽出し、『絆創膏を購入する際の重視ポイント』についてアンケートを実施しました。そこで求められた機能と品質に徹底的にこだわり、”新サビオ絆創膏”として復活させています」

―入念な準備をされたのですね!機能と品質について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか。

「絆創膏のテープ部分は不織布とフィルムの二層構造で、伸縮性に優れながら防水機能を持たせた素材を採用しました。ゴワつき感も少ないやわらか素材となっていますので、関節部分などにもぴったりフィットし、つけ心地も快適です。傷口に貼るものですから、消毒成分を含有したパッドを採用するなど、衛生的にもこだわっています。そしてこれらの素材については、往年のサビオの頃には、まだ開発されていない素材も含まれています」

―単に、同じ商品を復活させたというわけではないと。

「当時の商品の復刻版ということではなく、現代に生まれ変わった”新サビオ絆創膏”という位置付けです。そのためパッケージも一新し、ホワイトカラーをベースに高級感のあるシンプルなデザインとしました」

―絆創膏は進化しているのですね。選び方や使い方にコツがあれば教えてください。

「現在、絆創膏には大きくわけてモイストヒーリング(湿潤療法)とドライヒーリング(従来型)の2つのタイプがあります。モイストヒーリングは、体液を傷口に保持することで、人間が本来持っている自然治癒力を引き出す治療法です。一方、ドライヒーリングは傷口に雑菌やバイ菌が入らないようにしながら、乾燥させて傷口を治します。

モイストヒーリングは、早くきれいに治るということが話題となり、近年認知されてきた治療法ですが、”傷口から体液が出てきていること”が大前提となります。体液が出ていない場合や、治療が進んで表皮ができ体液が出なくなった場合、衛生環境が悪い場合などは、傷口を保護する一般的な絆創膏の使用をお勧めします。

従来型の絆創膏についても、指の曲げ伸ばしにもしっかりフィットする”伸縮タイプ”や水に強い”防水タイプ”、パッド部分に消毒成分を含ませた”薬剤付きタイプ”など、さまざまなタイプが登場していますよ」

―用途やケガの部位によって、いろいろ選べるんですね。

「注意事項として、モイストヒーリングで治す場合は、数日ごとに貼り替える際に傷の状態をよく観察し、膿や腫れ、発熱やズキズキした痛みなどが発生していないことを確認してください。もし異常を感じたら、すぐに医師の診断を受けてくださいね」

―細やかなアドバイスありがとうございます!『ばんそうこうの呼び方マップ』の公開後、どのような反響があったでしょうか。作ってよかったことや、お客様からのコメントがあれば教えてください。

「お陰様で、非常に多くの方から閲覧いただいています。このコンテンツをきっかけに、弊社の名前や商品を知っていただけたのではないかと思っています。寄せられたアンケートのコメントを読むかぎり、特に同じ地域にずっと住まれている方は、その地域の呼び方が日本全国で使われていると思うことが多いようです。『他の地域で自分の呼び方が通じなかった』という報告もよくいただきますね。地域ごとに呼び方が違うという驚きが、面白いと思っていただいている最大の理由だと思います」

―こんなところに地域差があるとは、私もマップを見るまで知りませんでした。最後に、絆創膏の想いや読者の方に伝えたいメッセージがあればぜひお願いします。

「ケガをしたり傷ができたりという誰もが望まない非常事態に、素早くできる応急処置として絆創膏は利用されているものと思います。ケガの悪化を防ぎ、痛みを抑えながら、ケガをした後の日常生活にできるだけ支障を与えない形で治療をすすめて、早くきれいに治す。そんなキズケア商品の”目指すべき姿”に向かって、今後も様々な商品を提供していきたいと考えております」

『ばんそうこうの呼び方マップ』には、絆創膏のエキスパートならではのこだわりが詰まっていた。出身地の違う友人同士で「これ、なんて呼んでる?」と聞いてみると話題が広がっていきそうだ。同サイト内には、それぞれの呼び名の由来もわかりやすく解説されている。アンケートも継続して実施されているので、あなたの呼び方を投稿してみては。

取材・文=油井やすこ

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