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75歳のユーチューバー・川原恵美子さん。郷愁を誘う料理レシピと、常識をくつがえす調理法で1年足らずでチャンネル登録者数32万人超えに!

  • 2021年10月23日
  • Walkerplus

「『田舎そば川原』です。よろしくお願いします」。まったりした讃岐弁で始まるYouTubeチャンネルが注目を集めている。週に3回配信される季節の食材を使って作る煮物、漬けもの、ご飯もの、おやつレシピは、昔懐かしい母の味ばかり。配信しているのは香川県まんのう町で手打ちそばの店を営む75歳のYouTuber、川原恵美子さん。スタートして1年間で登録者数32万人超を記録。独自のレシピとお茶目な人柄が人気で、TBS「週刊さんまとマツコ」にも登場するなどメディアでも注目されている。

川原恵美子さんは、香川県まんのう町在住。21歳で結婚し、男の子2人を育てる。農業を営む傍ら、編み物講師、結婚式場や老人介護施設の職員として身を粉にして働き、夫の親族を含めた10人ほどの大家族を切り盛りしてきた。

決して経済的に恵まれていたと言えない環境の中、興味を持ったのが料理だった。「学校で勉強できなかった分、独学で何でも勉強するのが好きだった」と川原さんは言う。30代できのこの研究に没頭し、生食できるマッシュルーム、ブラウンマッシュルームの栽培を研究し、成果を発表。地元新聞にその紹介記事が掲載されたりもした。

毎日作る料理も必要に迫られ、いかに食材のムダを省き、家族全員を満足させ、おいしくできるかの工夫を重ねてきた。「料理の本にも書いていない、料理の先生も言わない調理法やコツを実地で編み出したのが私の料理」と言う。漬物ならいかに素材から水気を抜いて長期保存できるようにするか、野菜の皮や茎、芯、つるまでもムダにせずおいしく食べるかなど独自の工夫は数限りない。

そんな中、訪問介護の仕事をしていたとき、利用者のために作っていた昔ながらのそばが評判になった。香川県といえば、うどんが有名だが、それとは別に「ここらへんは昔から各家庭でそばを打っていた」という。来る人にそばをふるまっているうち、自然発生的にできた店が「田舎そば川原」だ。建物は知人が不要になった建設現場の寮の素材を工面した。そこへいつしか椅子やテーブルが運び込まれ、看板ができたのだ。川原さんがちょうど60歳を迎えるころだった。

「田舎そば川原」が知る人ぞ知る地域の人気店になった後、川原さんは「まんのう町に何か恩返しがしたい」との思いを懇意にしている地元テレビ局の職員に伝えた。「YouTubeはどうでしょう」と提案され、「これまでのレシピを若い人たちに残したいという思いもあったので、ようわからんかったけどお任せした(笑)」。こうして2020年8月15日に「みょうがの甘酢漬け」でデビュー。最初の再生数は20回ほどだったが「わあ、20人もの人が見てくれとる」と喜んだという。それが徐々に再生回数を伸ばし始めた。

そして2021年6月に配信したそうめんの常識を覆す「そうめん ゆでるな!」がバズる。424万回再生(2021年10月現在)と驚異の数字をたたき出した。従来とは違い、鍋に蓋をして麺を蒸らすように茹でるそうめんは、粘らず、長時間経ってもできたてのおいしさを保つ、長年の経験から生み出された調理法だ。この動画を密かに見ていたマツコ・デラックスにより、TBS「週刊さんまとマツコ」にリモート出演。そうめんをひと口食べたマツコが「ぜんぜん違う~」と驚きの声を上げた。

このほか、酢キャベツ、黄金の目玉焼き、煮卵、なすの辛子漬け、きゅうりのわさび漬け、大根のはりはり漬けなど名作が次々にアップされている。

YouTubeチャンネルを見て不思議に思ったことを尋ねてみた。それは動画の冒頭で「川原恵美子です」と言わず「田舎そば川原です」と店の名を名乗る理由だ。「この店は、近隣の人たちのおかげでできているから。この店から発信するYouTubeという意味で『田舎そば川原です』と言ってるの」そう言って川原さんはにっこりと笑った。

●プロフィール
川原恵美子(かわはらえみこ)、YouTuber。香川県まんのう町・手打ちそば店「田舎そば川原」店主。1946年生まれ。2006年9月16日「田舎そば川原」開店。民宿も営業中。2020年8月15日~「田舎そば川原」をYouTubeで動画配信中。

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