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「好きなことを持って生きたい」1児の母が刺繍作家になる決意の漫画に共感!

  • 2021年9月9日
  • Walkerplus

「育児が落ち着いたら、自分には何が残るのだろう?」「私って、何が好きなんだったっけ?」の問いかけに、思わずハッとさせられ考えてしまう人も多いのではないだろうか。コミックエッセイ「好きなことを持って生きたい」では、そんな問いかけに向き合い、答えを見出していく様が描かれSNSを中心に大きな反響を呼んでいる。作者は、刺繍作家でイラストレーターのありまさん。1児の母であるありまさんが、刺繍作家として活動を始めた原点が描かれている。今回は同作についてはもちろん、ありまさんの活動や刺繍の魅力についても話を聞いた。

■好きなことのおかげで、落ち込んでも楽しく切り替えられるように
――どういった経緯で、イラストや漫画を始められたのですか?

「もともとインスタグラムの育児絵日記が好きでよく読んでいて、私も描いてみたいなと思い、2018年の妊娠中にSNSで絵日記の投稿を始めたことがきっかけです。妊娠中は赤ちゃんのことをネットで検索するたびに、不安や心配になることが多かったのですが、絵日記を通して妊婦さんや子育て中の方と交流ができたことで楽しく穏やかに過ごせるようになりました」

――「好きなことを持って生きたい」の漫画が大きな反響となっていますが、この漫画を描かれたきっかけについてお聞かせください。

「自分の頭の中のもやもやしたものを整理したかったので、漫画にしてみました。頭の中のことを文字とイラストにして描き出すと、自分の考えがまとまるので…。はじめは何にもやもやしているのか分からなかったのですが、描き終わった漫画を読んで、“新しくスタートを切りたい”と思っている自分に気がつくことができ、刺繍作家としてスタートする決意と覚悟を持つために公開しました。読んでいただいた方から、『好きなことをもう一度始めてみたい』というコメントを多くいただき、とてもうれしかったです」

――好きなことと向き合った結果、刺繍作家に。刺繍はいつ頃からされていたのでしょう?

「刺繍をはじめたのは大学2年生の時、周りから就職活動の足音が聞こえてきた頃です。友人は夢や目標を持って就活を始めていたのに、自分には趣味もやりたいこともなくてエントリーシートや面接でも何も話すことがない!と焦って…。とりあえず『好きなものを見つけたい!』となんとなく入った本屋で、たまたま目に入った刺繍の本を手に取ったのがきっかけです。中学生の頃に一度だけ刺繍を体験したことがあり、とても楽しかった記憶があったので、『これだ!』と思い始めてみました」

――「好きなことを持って生きたい」と決断され、刺繍を始められてからと以前とでは、考え方や見え方、生き方などどのように変わりましたか?

「なにかネガティブなことがあって落ち込んでしまうような日でも、頭の中が嫌なことに占領されないというか、好きなことで上書きできるようになったかなと思います。『嫌なことがあった…けど、あとで刺繍しよ〜!新しい糸使っちゃお〜!』みたいに、切り替えがうまくできるようになりました」

――刺繍のどんなところが特に好きですか?

「無心になれるところが好きです。両手を使うのでデジタルデトックスができますし、何も考えずにぼーっと、ただ糸と布と針の音を聞くととても癒されます。作品を作り上げて達成感が得られるのも魅力のひとつですね」

――これから刺繍を始めたい人に向けた、ノウハウのイラストも発信されていますよね。

「以前、娘のために作った刺繍の作品を見た方から『作ってみたいけど刺繍は難しそう、販売の予定はありますか?』と言われたことをきっかけに描いて掲載するようになりました。育児中でオーダーをお受けすることは難しいけど、図案や作り方ならシェアさせていただけるなと思って。私自身、育児絵日記を通してフォロワーさんと交流したことで、育児がより楽しくなったので、今度は『一緒に刺繍ができたら、刺繍ももっと楽しくなるかも!』と思ったのも、理由のひとつです。読んでいただいた方からは、『本では分からなかったことが分かった!』と言ってもらえたり、『刺繍を始めてみたい!』と言ってもらえたり、実際に刺繍を始めたといううれしいコメントをたくさんいただけて励みになっています。誰かが行動をするきっかけになれるなんて、とてもありがたいです…」

――「好きなことを持って生きたい」の漫画のほかにも、ありまさんにとって考え方や生き方が変わるような、転機となった作品はございますか?

「『私は自信がないけど、ありがとうと伝える』という漫画も、私の中の大きなターニングポイントを描いた作品です。自分にも、自分の作品にもずっと自信がなかったのですが、フォロワーさんからのひと言がきっかけで『もっと自分のことを認めてあげてもいいのかもしれない』と思うようになりました。今、楽しく活動ができているのはこの経験のおかげだと思っています」

――イラストや漫画、刺繍作家としての活動の中で、気をつけられている点はなんですか?

「漫画は『個人的な日記、私のための漫画』というスタンスで描いています。誰かに意見を押し付けたり、提案したりはしたくなくて、自分の気持ちを整理するために描いている、ということは忘れないようにしています。刺繍については、初心者の方でも始めやすいように、基本的なステッチで短時間で作れるように図案を考えるようにしていますね」

――ありがとうございました。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

「刺繍って案外簡単そう、おもしろそう、やってみたいなと思ってもらえるように、これからもたくさん作品や図案を作っていきたいです。また、刺繍の図案本やキットを出すことも目標に、刺繍の知識をもっと深めていきたいなと思います」


取材・文=大西健斗

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