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【THE ORAL CIGARETTES/山中拓也】初の著書を発売!自分の人生を晒すことは、誰かの悩みに寄り添うことになる

  • 2021年3月2日
  • Walkerplus

ロックバンドTHE ORAL CIGARETTESのヴォーカル山中拓也が3月2日(火)に初の著書となる「他がままに生かされて」を発売する。「自分の汚い部分を全部さらけ出し、こだわりを持って取り組んだ一冊」と話す山中に、書籍の制作秘話や、書籍に込めた思いについて語ってもらった。

■自分には良いところなんてないとか、人生をどうやって切り開いていけばいいのか分からないという人にこそ読んでほしい
―自分の人生についての書籍を出そうと思ったきっかけを教えてください。

山中:お恥ずかしい話ですが、インスタライブで一度酔っ払いながら自分の学生時代がどれだけクズだったかとか、かっこ悪い過去について話したことがあったんです。僕としては「そんなこと聞きたくなかった」って言われるかとも思っていたんですが、ファンからは「辛いと思ったことを教えてほしい!」という感想をいただいたことが、大きなきっかけになりました。それに加えて、ファンが悩みをSNSを通して僕に教えてくれることがあって、そういう悩みにずっと声をかけたいと思っていたんです。でも、ひとりひとりに返信することは難しくて、もどかしい気持ちを抱えていました。

そんなときですね、ちょうどタイミングよくKADOKAWAさんから書籍化のお話をいただいたのは。書籍のなかで、自分の人生を語ることで、みんなの悩みに寄り添えるのかもしれないと思いました。

個人的に一番読んでほしいのは第1章の生い立ち部分ですね。ファンは「こんな人だったの?」ってガッカリすることもあるかもしれないけど、一回そこでショックを受けてもらって(笑)。こんな人間でも生きていけるんだなとか、夢を叶えているんだなということが伝わったらうれしい。僕にできたんだから、みんなにもできるよという気持ちを込めて書いています。

―書籍に込めたこだわりについて教えてください。

山中:原稿の部分で言うと、ファンの方からいただいた相談や悩みをピックアップして、自分なりに答えているところですね。一問一答のQ&A形式で見せてしまうと、受け取り方がひとつになってしまうと思ったので、僕の人生と重ね合わせて書きたいと思いました。

写真の部分だと、まずは表紙ですね。帯を書いてくれた米津玄師と僕を引き合わせてくれたカメラマンの方に撮影していただきました(笑)。照明を落として、1本のペンライトを振り、光の残像を残すという撮影方法だったんですけど、でき上がった写真がかっこよすぎて震えましたね。撮影中は「そんなにペンライト振って、明日筋肉痛にならない?」って心配されるほど熱中してました。

書籍のなかに掲載している写真も、いろいろと自分のやりたいようにさせていただきました。担当編集の方はきっと頭を抱えていたと思いますけど(笑)。地元・奈良での撮影が終わり、あとは構成を考えるだけだったんですが、衣装やロケーションの違う写真をもっと載せたい!と思ってしまって…。急遽、カメラマンと衣装を10パターン、撮影で映り込む車などを手配。朝9時から夜の21時までぶっ通しで撮影して、自分の納得のいく写真が載せられたんじゃないかと思います。制作期間もお話をいただいてから約1年かかってまして、けっこう長いらしいです(笑)。

■自分を客観的に見なければ、誰かの悩みには寄り添えない。それが楽曲づくりとの最大の違い
―書籍を作るうえで、今までのバンド活動が役に立った部分はありますか?

山中:書籍を作るときにも、楽曲を作るときにも自分の内面を見つめるということは変わらないんだなと思いました。大人が嫌いだと思っていた昔の自分や、人を踏み台にして上に登ろうとする汚い人間とも向き合わなきゃいけない。そうすると自分の心が傷ついた経験についても触れなければいけない。

僕は楽曲を作るときに自分の内面をさらけ出そうと思っているので、そんなに大変な作業ではなかったですが、習慣にしていなかったら大変だったのかもしれないと思いますね。

―反対に、苦労した部分はどういったところですか?

山中:楽曲は、主観的に作ることで形になることが多いなと思います。自分がどう感じたか、自分が何に怒っているのかを言葉にしていけばいい。でも、今回はTHE ORAL CIGARETTESを知らない人にも僕という人間を知ってほしいという大きな目標があったので、自分のことを客観的に見る作業も必要になりました。

人の悩みに寄り添うためには、自分のことばかりに注目していたら伝わらないことも多いですから。なので、原稿のチェックは毎回「初めて読むんだ…!」という気持ちで読むことを心がけました。

ファンの人なら当然知っているようなことかもしれないけど、僕を知らない人が読んでもきちんと伝わるように、丁寧に書きました。客観性を大事にするという部分でいうと、今回の書籍では担当編集の伊藤さんに「あとがき」を書いていただいています。

伊藤さんからは「山中さんの言葉で書いた方がいいのでは…」と言われましたが、僕を客観的に見て、「本を出したい!」と思ってくれたので、そういう目線が入るだけでもっといろんな層の方に響いていくんじゃないかなと思います。


取材・文=山岸南美

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