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ヒット商品連発の「ヘソプロダクション」!そのユニークな発想の源に迫る

  • 2021年1月13日
  • Walkerplus

大阪市福島区大開。経営の神・松下幸之助の創業の地と知られる場所に「株式会社ヘソプロダクション」がある。一度聞いたら忘れられない印象的な社名のこの会社、商品の企画・販売を手がけているのだが、果たしてご存知だろうか。今「?」が頭を横切った人もきっと、商品名を挙げると「あ!あれかぁ」と思うはず。

今回は、会社名もさることながら、数々のユニークな商品を生み出しているヘソプロダクションの代表取締役・稲本ミノルさんに、社名の由来や企業としての取り組み、ヒット商品のほか、これはちょっと売れなかったな…といったものまで、話を聞いてみた。

―会社名がとてもユニークですが、社名の由来や企業としての取り組みを教えてください。
「企画、製品、サービス、社会、幸福、感動などの根幹となる大切なヘソ部分を作っていく企業でありたいと『ヘソプロダクション』と命名しました。事業領域を設けず、『やりたいか、やりたくないか』『おもしろいか、おもしろくないか』を経営の判断基準にしています。

ヘソで茶を沸かすのではなく、ヘソで世の中を沸かせられるように、バカバカしいことに本気で取り組んでいます。また、『Hesolution(ヘソリューション)』というスローガンを掲げ、さまざまなモノや企業の課題、問題を私たちのヘソ作りによって解決していく取り組みもしています」

―ユニークな商品をたくさん生み出されていますが、ベストセラーや大ヒット商品、最新のグッズは?

【ベストセラー商品】マジックふりかけシリーズ

「ご当地のふりかけ企画で行き詰っていた時、たまたま備品購入をするために開いた通販カタログを見て、ひらめいた商品です。『どんなものにもよく書ける』マジックインキを、『どんなものにもよく掛ける』ペン型のふりかけにすれば、持ち運びも便利だし、おもしろいと思いました。

メーカーを調べると大阪に本社を置く寺西化学工業株式会社様だったので、即、企画書を作成し提案に行きました。マジックインキのカラーバリエーションが色々な味の表現にも役立ちましたね。発売から約2年でシリーズ累計100万本以上を販売した当社の大ベストセラー商品です」

【大ヒット商品】忖度まんじゅう

「この商品は、得意先の方から『忖度という言葉で何かビジネスにならへんかな?』と相談を受けたのが企画のきっかけ。ビジネスシーンや日常にあふれる『忖度』の本当の意味を伝えられるデザイン、ご笑味いただきながら楽しめるコミュニケーション土産として商品化をしました。

しかし商品を案内したところ、『こんな商品、売れるわけがない』と小売店からは取り扱いを拒まれて苦戦。それでも、発売から2か月経った頃、新聞記事の内容がYahoo!ニュースのトップに掲載され、そこから半年間、製造が追いつかないほどの状態に。味は普通なのですが、みんな忖度して『おいしい』と言ってくれる大ヒット饅頭となりました(笑)」

【大ヒット商品】パインアメリップクリーム

「パイン株式会社様に企画を持ち込み進行しましたが、独特の香りの再現に大苦戦。パイン様からは『パインアメを舐めて本物に近付けるしかない』とアドバイスを受け、製造担当者とパインアメをめちゃくちゃ舐めまくり、試行錯誤の末ようやくできあがりました(笑)。

最初は、反応を見るためにクラウドファンディングでスタート。目標額の8万8888円は1時間も経たずに達成し、最終的には約100万円のご支援をいただきました。1年目は3万個、2018年の発売開始から累計で約8万個を販売。今でも変わらず売れている商品です」

【最新グッズ】「はちみつアラビックリ!?ヤマト」

「私が子供のころ、アラビックヤマト(液状のり)がハチミツに見え、おいしそうでたまりませんでした。その容器にハチミツを入れて製品化すれば、手も汚れないし、塗りやすい。これは実用的な商品になるのではと、断られることを大前提でヤマト株式会社様に企画を持ち込みました。安全面などの検討や検証により企画から商品化までに1年かかりましたが、子供のころから抱いていた思いが実現しました」

―逆に「これは売れなかった」という商品はありますか?

【イマイチ商品】なんでや「ね」んべえ

「ただデカい煎餅のインパクトとネーミングでそこそこ売れると思ったのですが…(笑)。まぁ、よく考えれば分かることですが、お土産として渡してもみんなで小分けする不便さや、大きな煎餅なので途中で食べるのが止めづらく保管も難しいなど、欠点だらけ。おもしろいだけでは誰も買わないということをはっきり分からせてくれた貴重な商品でした」

【イマイチ商品】サクサク大阪紅しょうが揚げ

「大阪のソウルフードである紅ショウガを新たな大阪土産として商品化。本当に『やみつき』になるおいしいスナックができたと思ったのですが、販売当時は関西人以外の認知度が想像以上に低く、手に取ってもらうことができませんでした。

味には自信があったので、試食販売を行うなどプロモーションに力を入れるべきだったなと感じています。商品力があっても認知されていないモノは売れない。仕かけ作りや販促方法を考え、取り組んでいくことの大切さを教えてくれた"ほろ苦商品"です」

■今後のモノ作りにも注目!
キャラクター雑貨、土産雑貨、土産菓子・食品、乗り物雑貨、コスメ、カプセルトイなどの商業プロデュース事業のほか、コンサルティング事業も展開する「株式会社ヘソプロダクション」。

稲本さんは「今後も『やりたいこと』で世界を切り開いていけるよう、また、モノ作りを通じて、世の中を少しでも明るく楽しくできるような企画を提案し続けていきます。いつかモノ作りの分野で『日本のヘソ』『世界のヘソ』と呼ばれる中心企業になりたいです」と意気込みを語ってくれた。

取材・文=惣元美由紀

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