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【コロナ対策情報付き】国宝 松本城は戦いの仕掛けと太平の世の優雅な櫓が織りなす国宝

  • 2020年9月16日
  • Walkerplus

国宝 松本城の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やアトラクション、イベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

■国宝 松本城ってどんなところ?
標高590メートルの盆地内、その平地に位置する松本城は、日本に5つしかない国宝の城のひとつで、姫路城、犬山城、彦根城、松江城とともに指定されている。漆黒をまとったその姿から俗に「烏城」と呼ぶ人もいるが、その名は文献上にはなく、歴史上では別名を「深志城」と呼ぶ。城の向こうにはアルプスの山並みが見渡せ、その姿を背景にして五重六階の松本城天守が威風堂々と立つ。

天守とその周辺は松本城公園として整備され、市民の憩いの場として市民に愛される松本のシンボルだ。春には約300本の桜が咲き乱れ、天守と本丸庭園の夜桜ライトアップは多くの人で賑わう。

■【基本情報】スタッフが語る!時代の変遷を見つめてきた漆黒の城の秘話
1504年~1520年(永正年間)に築かれた深志城が、松本城の始まり。後に戦国武将、石川数正・康長父子によって、1594年(文禄3年)ごろに大小の天守と渡櫓が築かれ、石落としや鉄砲狭間など実戦的な備えを施し、まさに戦うための城が完成。しかし、戦いに有利な山城や平山城が多い戦国の世で、平地に建てられた平城は珍しいといえよう。

一方で、戦いのない江戸時代に入ると、1633年(寛永10年)ごろには月見櫓を増築。朱塗りの廻縁をめぐらせた優美な造りで、戦国と太平の世という対照的な時代が、ひとつの城に同居。そこには歴史の潮流を読み取ることができる興味深さがある。

明治維新後、廃藩置県を機に城はすべて陸軍省の財産となり、全国各地の城が取り壊される中、松本城は市民の手によって守られ受け継がれてきた。

「実は明治時代に天守が傾き、天守の柱にロープを結んで引っ張って傾きを直したという伝承が残っているんです。そのロープの跡が天守5階の柱に残っているので、ぜひ確認してくだい」とスタッフ。柱は傷ついたけれど、しっかりとその姿を守ったといわれる歴史の傷跡を見ておこう。

■【見どころ1】現存する五重六階の天守としては日本最古
内堀、外堀に囲まれた松本城は、大天守・渡櫓・乾小天守・辰巳附櫓・月見櫓の5棟が連なる連結複合式の城。その中心をなす大天守は五重六階で、高さ29.4メートル。見た目は5層だが中は6階という内部をじっくり見学しよう。階段が急勾配なため、短いスカートは避けたほうがよさそうだ。

1階の見どころは武者走り。ここは武器貯蔵庫でもあり、部屋を取り囲んだ天井の低い廊下を武士が慌ただしく駆け抜けたという。2階には火縄銃などの展示があり、武者窓といわれる竪格子窓から撃ったそうだ。3階は隠し階で、窓のない場所は倉庫だったとか。4階は御座の間で、城主が座を構えていた部屋。5階は重臣たちの作戦会議の場。この階に傷が残る柱がある。そして、望楼として使われた最上階の6階。東は美ヶ原の山々、西はアルプスの峰々、南は松本市街地と塩尻市、北は城山など、展望窓からぐるりと絶景が望める。天井を見上げると太い梁が井桁に組まれ、その中央には1618年(元和4年)以来まつられている、二十六夜神が見える。

■【見どころ2】大天守に続く棟々や復元された太鼓門を見学
大天守と乾小天守をつなぐ渡櫓は2階建て。乾小天守は非公開。辰巳附櫓と月見櫓には石落としがなく、これらは江戸時代の平和な時代に増設された櫓だということだ。

松本城には昭和と平成で復興された門が2つある。本丸に入る正式な門、黒門は、櫓門と枡形からなる本丸防衛のための門で、黒い色は当時の格調の高さを表している。また、二の丸の入り口にある太鼓門は、樹齢400年の檜や樹齢140年の松などを使用して1999年(平成11年)に復元。どっしりとした門構えが魅力的で、見応えがある。

■【イベント】松本城おもてなし隊と一緒に記念撮影
松本城には、城内各所に出没する「おもてなし隊」がいる。小笠原秀政や登久姫など、歴代藩主やお姫様、忍者などの装束をまとっており、おもてなし隊に手持ちのカメラを渡せば撮影のお手伝いをしてくれる。カップルやファミリー、グループなど、全員がおさまる写真を撮りたいときはぜひ!質問すれば松本城の見どころも教えてくれる。

また、おもてなし隊と一緒に撮影もできるので記念にパチリ。おもてなし隊が登場する時間帯は8時30分~16時で、天候によって変更がある。

■【お土産&グルメ】売店でオリジナルグッズを手に入れよう
大天守の見学が終わったら本丸庭園内の黒門近く、有料ゾーンにある売店に寄ってみよう。野沢菜の漬物など長野県の特産品をはじめ、松本城をかたどった最中やまんじゅうなどの銘菓、オリジナルグッズ、記念メダル、ドリンクなどを販売。もちろん飾り物だが、本物さながらの日本刀や火縄銃、ほかに兜などもある。

おすすめは松本城限定販売の銘菓きんつば(760円)、伝統工芸品の松本手まり(2000円~)、松本城と桜のイラストの表紙、松本城限定御城印帳は1冊1990円、登久姫のクリアファイル(300円)など。ほかにも城マニアにはたまらない土産も多い。

■【おすすめの回り方】城内の回り方と観覧時の注意
松本城内天守の観覧時間はおよそ50分。大天守内は順路に沿って、階段のみの利用で6階まで登る。天守内は土足厳禁、入口で用意される袋に脱いだ靴を入れ、その袋を手に持って回ることになる。本丸庭園内にコインロッカーが用意されているほか、大きな荷物は売店で預かってくれるので利用するのもいい。

入口は黒門側からのみで内堀を渡るとすぐ発券所がある。史跡整備のため、以前あったもうひとつの入口、赤い埋橋側の埋門入口は閉鎖中。

また、松本城の入場チケットは松本市立博物館の入館券とセットになっているので、黒門口から出てすぐにある博物館にも立ち寄ろう。松本城の歴史資料や松本の民俗資料などを興味深く見ることができる。

■【混雑状況・アクセス】混雑が少なく、空気の澄んだ冬がおすすめ
松本城見学の混雑期間は、ゴールデンウィーク(GW)とお盆は特に混雑するということで、入城制限が設けられる。12月~2月の冬期は比較的空いているといい、雪におおわれた北アルプスと黒い天守の松本城の姿は1枚の絵のように美しい。

JR松本駅からはバスもあるが、徒歩だと約20分。途中、女鳥羽川の両側には中町通りと縄手通りの2大ストリートがあるので、行きか帰りを徒歩にするのもいい。

普通車の場合、公的な市営駐車場が城の周囲に2つ、市営松本城大手門駐車場と市営開智駐車場がある。また、自動二輪車とキャンピングカーは市営開智大型駐車場のみ可能。どの駐車場も松本城までは歩いておよそ8分の距離にある。

■【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】
・入場に際しては、必ずマスクの着用をお願いします。マスクを着用していない場合は入場できません。
・混雑を緩和するため天守の入場制限を行う場合があります。間隔を確保するため通常よりも待ち時間が長くなると思われます。また、混み具合によっては有料区域(天守・本丸庭園含む)への入場を制限する場合があります。
・発熱のある方、咳やくしゃみ、鼻水など風邪の症状がある人、体調の優れない人は入場を控えてください。
・県外からお越しの方は、各都道府県の移動自粛要請に従って来場をお願いします。
・松本城内では窓を開け、換気に努めています。城内の各所に消毒液を設置しています。
・受付カウンター等に透明ビニールカーテンやアクリル板を設置しています。
・来場者とスタッフの健康・安全を考慮し、スタッフもマスクを着用しています。

取材・文=AVANCER

<施設情報>
住所:長野県松本市丸の内4-1
アクセス:【電車】JR松本駅から松本周遊バスタウンスニーカー北コースで8分、松本城・市役所前下車すぐ【車】長野自動車道松本ICから約20分
営業時間:8:30~17:00(最終入場は16:30)、GWと夏期は変動あり
定休日:12月29日~31日
駐車場:110台(有料)
料金:観覧料大人700円、小・中学生300円(ともに松本市立博物館も観覧可)

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年8月時点の情報です。

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