白髪を見つけると、気分が下がるという人は多いかと思います。年齢を重ねるにつれて増えてしまう白髪ですが、ヘアケアだけではなく食事からも対策をしてみてはいかがでしょうか。
管理栄養士の筆者が、白髪対策におすすめの冬食材をご紹介します。
白髪が増える原因は、加齢やストレス・栄養不足・頭皮の血行不良などが考えられています。加齢によってメラニン色素を作る細胞（色素細胞）の働きが低下したり、ストレスによって活性酸素が増え色素細胞に栄養が行き届かなかったりすると白髪が増えてしまう場合があります。
また、過度なダイエットや冷えによって血行が悪い状態が続き、髪に十分な酸素や栄養素が行き届かないと白髪が増える原因につながります。
加齢やストレスによる影響をゼロにすることはむずかしいので、髪に良い栄養素を摂取して少しでも身体の内側から白髪にアプローチしていきましょう。
牡蠣には、「亜鉛」が豊富に含まれていることが特徴的です。亜鉛は体内のさまざまな代謝に関与しているため、十分に摂取することで頭皮や髪の新陳代謝を活発にすることが期待できます。
また、牡蠣には「鉄」も含まれているため、頭皮の血行促進効果も期待できます。鉄と亜鉛は不足しやすい栄養素ですので、冬に美味しくなる牡蠣を食べてしっかり亜鉛を補いましょう。
鉄も亜鉛も「ビタミンC」と一緒に摂取すると吸収率が高くなるため、「牡蠣のレモンソテー」や「牡蠣のレモン蒸し」などのメニューでいただきましょう。
冬に旬となる真鱈も、白髪対策にはおすすめです。鱈には良質な「タンパク質」が含まれていますが、カロリー・糖質・脂質が非常に少ないためヘルシーに食べることができます。
また、鱈には「ヨウ素」や「ビタミンB12」も多く含まれており、新陳代謝を促す働きや貧血を予防して血行を良くする働きが期待できます。
鱈は淡白な味をしているため、どんな食材と組み合わせやすいのがポイントです。筆者のおすすめは、黒ゴマやチーズ。
黒ゴマには、血行促進効果がある「ビタミンE」や代謝に関係する「ビタミンB1」「ビタミンB2」などの栄養素が豊富に含まれているので、白髪対策におすすめです。チーズには「タンパク質」や、丈夫な粘膜や皮膚に導く「ビタミンA」が多く含まれているため、髪の健康に役立ちます。
「鱈のごま味噌焼き」「鱈のチーズ焼き」「鱈のチーズムニエル」などのメニューでいただきましょう。
ごぼうの皮には、「クロロゲン酸」や「タンニン」などのポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは強い抗酸化作用をもつため、白髪の原因につながる活性酸素を除去して髪の健康をサポートします。
ごぼうのアクにもクロロゲン酸が含まれているため、アク抜きは短時間でさっと行いましょう。また、皮の部分にポリフェノールが多いため、皮を剥きすぎないようにしましょう。たわしやスポンジで皮をこする程度でOKです。
白髪対策に役立つ「亜鉛」を含む牛肉と組み合わせて調理することがおすすめです。
ポリフェノールは水溶性ですので、「牛肉とごぼうのしぐれ煮」「牛肉とごぼうの和風スープ」などにしましょう。血行促進効果がある生姜もプラスしてくださいね。
たらこに含まれる「チロシン」というアミノ酸には、メラニン色素を生成する働きがあるため白髪を予防におすすめです。
また、チロシンにはストレスを和らげる働きもあります。ストレスを感じるとアドレナリンやノルアドレナリンが消費されるのですが、チロシンはそれらの前駆体になることで神経の働きを調節してストレスを和らげるのだそう。
ストレスも白髪が増える原因につながるため、チロシンを意識して摂取することが大切です。
たらこには塩分やコレステロールも多く含まれるため、食べ過ぎには注意が必要です。
「人参とたらこの炒めもの」「アボカドとたらこの和え物」など、野菜と組み合わせるとヘルシーに食べることができるので、ぜひ試してみてください。
冬に美味しくなる食材で気になる白髪対策ができると良いですよね。おすすめの食べ方を参考に、ぜひ食事に取り入れてみてくださいね。
（フリーランス管理栄養士 今井 尚美）
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【参考】
※白鳥早奈英・板木利隆 監修「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」（2009年）高橋書店
※白髪の原因とは？意外な習慣も白髪の原因に！ – 大正製薬
※ストレスで白髪は増える？気になる白髪のメカニズムと対策法（2022年3月） – 茨城県メディカルセンター
※亜鉛 – わかさ生活
※ビタミンB12 – わかさ生活
※ごま – わかさ生活
※チーズ – わかさ生活
※ごぼう – わかさ生活
※チロシン – わかさ生活
