“夏は肌が老化しやすい季節”というのはご存知でしょうか。意識せず過ごしていると、夏が終わった頃に一気に老け込んでしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は、ずぼらだけど国際薬膳調理師の筆者が、夏の肌老化を防ぐために意識したい3つのことをご紹介します。
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)においては、以下の3つにより夏の肌老化が進むと考えます。
夏は汗をたくさんかきますが、「汗をかくことによって体や肌に必要な潤いが減る」というのが、薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)の考えです。
この夏に減った分の潤いを補っておかなければ、体が乾燥した状態で秋に移行してしまうので、秋冬に乾燥して、乾燥からのシワなどの肌悩みが起きやすくなります。
夏は冷たいものを飲食することが多くなりますが、その習慣がお肌のハリやツヤを失わせる原因となります。なぜなら、冷たいものを食べることで胃腸系システムである脾(ひ)が弱るからです。
脾は肌のツヤや弾力、ハリの源である気(き)を作り出す場所ですので、脾が弱ることでお肌のたるみやツヤが失われます。
中医学ではシミやくすみの原因は、冷えによる血(けつ)の巡りの悪さが関係していると考えられています。
夏は、冷たい食べ物を口にする機会が多く内側から冷えることもありますし、エアコンや薄着になるなど外側からも冷える要因が多く、血の巡りが滞りやすくなるシーズンです。
肌が老化しないためには「潤いを与える」「冷たいものを摂り過ぎない」「血の巡りを良くする」この3つを意識することが大切です。そのために取り入れたい習慣をご紹介します。
中医学では、白い食材にはお肌に潤いを与える作用があるといわれています。
白い食材はさまざまありますが、特に筆者がオススメしたい食材は山芋です。
山芋には肌を潤す作用、そしてハリ・ツヤ感が失われないために必要な気を補うことが期待できます。
一押しレシピは、「山芋のバター焼き」。熱したフライパンにバターを入れ、輪切りにした山芋を両面こんがり焼いて、ブラックペッパーで味付けをして完成です。
バターにもお肌に潤いを与える効果が期待できますので、山芋とあわせることで、さらに潤い効果アップが狙えます。
夏は水分補給が大切ですが、がぶがぶと冷たいものを飲むことは脾を痛めてしまい、肌のハリツヤが失われることにつながったり、血の巡りが悪くなる原因にも。
そこでオススメしたいのは、夏野菜から潤いを補給することです。
きゅうり・ズッキーニ・トマト・オクラ・茄子などの夏野菜には、体に必要な潤いを与えることが期待できます。また、ミネラルウォーターをたくさん飲むのと違い、胃腸を弱らせることなく必要な潤いを補うことができます。
夏野菜は体を冷やしやすいので、加熱して食べましょう。
筆者のオススメは、夏野菜をたっぷり入れた煮込み料理です。
熱したフライパンに、オリーブオイルをひき、にんにく、生姜を入れ、お好きな夏野菜をたっぷり入れて煮込んだら完成です。
そのままでも、パスタの具材にしても、ドリアにしてもいいので、アレンジがきくのも嬉しいポイントです。
血が滞らないためには、温かいものを食べること、そして血行をスムーズにする食材を摂ることが必要です。
血行をスムーズにする食材は、今が旬の「みょうが」がオススメ。みょうがには、身体を温め血の巡りをスムーズにする作用がありますので、冷たいものを摂りがちなこの季節にぴったりです。
味噌汁にみょうがをプラスすると、よりいい効果が期待できます。
インスタント味噌汁にみょうがをトッピングするだけでも、お腹が温まり、血の巡りが良くなり、肌老化予防をサポートすることができますのでお試しください。
夏は、紫外線のダメージのほかに、肌老化を招きやすい食習慣が多くなりがちです。少し意識を変えるだけで、ダメージを軽減したり良い方向にもっていくことができますので、今回ご紹介した習慣を取り入れて夏老けを防ぎましょう。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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【参考】
※日本中医食養学会 著『食養生の知恵 薬膳辞典 食物性味表』(2019年)燎原書店※池田陽子 著『1日1つで今より良くなるゆる薬膳。365日』(2020年)JTBパブリッシング※櫻井大典 著『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方』(2018年)ナツメ社