魚は、脂質が少なく良質なたんぱく質を含むものが多く、健康のために意識したい食材です。また、更年期に取り入れたいカルシウムなどのミネラルも豊富に含むため、40・50代女性は積極的に魚を取り入れましょう。
管理栄養士の筆者が、40・50代が健康・美容のために取り入れたい魚についてご紹介します。
鮭の赤色は、「アスタキサンチン」という色素です。
アスタキサンチンは強い抗酸化作用があるため、紫外線などによって肌がダメージを受けて、シミやシワができるのを防ぐ働きがあります。
また、血流を良くする働きもあることからも、細胞に十分な栄養を届けるのをサポートするため、健やかな肌づくりに取り入れたいものです。
アスタキサンチンは脂溶性なので、鮭を調理するときには、バター焼きやムニエルにしていただきましょう。
ビタミンCが豊富なレモンを仕上げに絞ると、さらに抗酸化作用を高めることができ、風味も良くなるのでおすすめですよ。
大葉やパセリなども味の相性が良いので、一緒に食べることを意識しましょう。
女性はダイエットや偏食などから鉄不足になりやすいですが、鉄は酸素や栄養を運搬する赤血球の構成成分なので、不足すると冷え性やくすみ肌の原因に。年齢よりも老けて見えてしまう、なんてこともあります。
カツオは魚の中でも鉄が豊富なので、肌の血色感UPに効果的です。
カツオなどの動物性食品に含まれる鉄は、「ヘム鉄」という吸収率が高い鉄ですが、ビタミンCや酸味がある食材と一緒に摂取することで、吸収率をさらに高くすることができます。
すだちやレモンなどビタミンCが多い食材、梅干しやお酢と組み合わせて食べましょう。
サンマにはDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が多く含まれています。
DHAやEPAは、脂肪を燃焼して熱を生み出す「褐色脂肪細胞」を増やすため、体脂肪の減少作用のあることが分かっています。
さらに、エネルギー代謝が向上することも分かっているため、DHAやEPAなどを含む魚を食べることは、脂肪を燃やして代謝が良い体づくりにつながります。
DHAやEPAなどの脂肪酸は、熱によって溶け出してしまうため、煮魚やホイル焼き、炊き込みご飯、刺し身で食べるのがおすすめです。
缶詰のサンマは、骨も柔らかいためカルシウムも摂取できるので、一石二鳥ですよ。
40・50代は女性ホルモンが減少することで、骨粗しょう症のリスクが高くなります。
そのため、骨の健康維持のためにカルシウム補給が大切となります。
いわしはカルシウムが豊富ですが、特に「いわしの丸干し」は、同じ重量の生のイワシと比べると約6倍ものカルシウムを含んでいるので、効率良くカルシウムを補給できます。
脂がのっているため、フライパンで焼くだけで美味しくいただけますよ。
お酢に含まれるクエン酸によって、カルシウムの吸収率が高くなるため、イワシの南蛮漬けにすると良いですね。
また、ビタミンDもカルシウムの吸収率をサポートするため、ビタミンDが多い干し椎茸と煮物にするのもおすすめです。
魚の缶詰や乾物、刺し身なども利用すれば、思っているよりも手軽に毎日の食事に魚を取り入れることができます。
ぜひ、美容と健康にメリットたっぷりの魚を、意識して食べてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※アスタキサンチン – わかさ生活
※カルシウム – わかさ生活
※クエン酸 – わかさ生活
※魚油摂取は交感神経を介して、「脂肪燃焼細胞」を増やす-「魚油」の効果で体脂肪燃焼を促す新メカニズムを解明 – 京都大学