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2023年おうし座流星群 ひときわ明るい火球がみられるかも 見頃・特徴・観測のコツは?

  • 2023年11月4日
  • tenki.jp

2023年おうし座流星群が、まもなく見頃を迎えます。

10月、11月を中心に、9月から12月ごろまで長く活動を続けるおうし座流星群。規模は大きくはないものの、活動のピークがなだらかで、ひときわ明るく輝く流星を観測しやすいという魅力があります。

冬に向かって空気が澄みはじめ、天体観測を一層楽しめるようになるこの季節。夜空を彩る「おうし座流星群」を、ゆっくりと観測してみませんか?

この記事では、2023年おうし座流星群の見頃や見どころ、観測ポイントのほか、おうし座流星群の基本情報についても紹介します。星空観察に、ぜひお役立てください。

2023年おうし座流星群の見頃は11月6日と13日ごろ!極大以外にも観測チャンス

例年、9月10日ごろから12月10日ごろにかけて活動が活発化するおうし座流星群。おうし座流星群は、流星が四方八方に流れるその中心となる「放射点」が南と北に分かれており、それぞれ南群・北群と呼ばれています。

国立天文台によると、2023年のおうし座流星群は、南群が11月6日(月)ごろ、北群が11月13日(月)ごろにそれぞれ極大を迎える予想です。極大とは、流星群が最も活発に活動する時期のことをいいます。

流星の観測には、放射点の高さや月明かりも影響します。これらを考慮すると、南群は11月6日の月が昇る前の夜遅く、北群は13日未明が一番の見頃となりそうです。

ただし、おうし座流星群の活動のピークは非常になだらかなので、極大の前後数日間にも観測のチャンスがあります。地域ごとの星空指数(その日の夜空が天体観測に適しているかを表す指数)もチェックしつつ、好条件のタイミングを狙って観測してみてください。

1時間あたりに出現する流星の数は、北群・南群それぞれ2個程度の予想です。規模は大きくないものの、ひときわ明るく輝く流星「火球」を見られる可能性があります。


願いごとを唱えやすい?おうし座流星群ならではの特徴・見どころをチェック

おうし座流星群の魅力は、流星の「速度の遅さ」と「明るさ」といえるでしょう。

おうし座流星群の流星が流れる速度は、およそ時速108,000km。1秒間に約30km進む速さです。航空機が時速約900kmで飛行することを考えると、とんでもない速度ではありますが、ほかの流星群と比べれば「ゆっくりめ」です。

たとえば、同じ11月に見頃を迎えるしし座流星群の流星が流れる速度は秒速約71kmのため、おうし座流星群の倍程度のスピードで流星が流れます。流星群に願いごとをしたい方は、おうし座流星群は狙い目といえるでしょう。

また「流星の明るさ」も、おうし座流星群の見どころのひとつです。おうし座流星群は、流星の中でも特に明るい「火球(かきゅう)」と呼ばれる流星の出現する割合が高い流星群です。

おうし座流星群は、1時間に流れる流星の数自体はそれほど多くありません。ただし、流星が流れるスピードは他の流星群に比べると遅めで、火球を楽しみやすい点も人気につながっています。1つひとつの流星をじっくり楽しみやすい流星群ともいえそうです。

ひときわ明るい流星が流れるのを待ちながら、秋の夜長をゆっくり楽しむのも素敵ですね。

観測のコツを知りたい!2023年おうし座流星群を満喫するためのポイントとは

せっかくおうし座流星群を観測するのであれば、事前にコツをおさえておきたいですよね。ここでは、2023年のおうし座流星群を満喫するためのポイントを、時間・方角・場所・道具に分けて紹介します。

■観測する時間
おうし座流星群の流星は一晩中流れますが、放射点が高く、かつ月明かりの影響を受けにくい時間に観測することがおすすめです。南群は11月6日の月が昇る前の夜遅く、新月の日に極大を迎える北群は、11月13日の未明が一番の観測チャンスとなりそうです。

おうし座流星群で出現する流星の数は、北群・南群それぞれ1時間あたり2個程度です。夜空を見上げて数分経っても流星が見えないからといってあきらめてしまうのではなく、最低でも15分間は観測を続けることをおすすめします。

また、明るい屋内から屋外に出て観測する場合、目が暗さに慣れるまで時間がかかります。15分程度の余裕をもって観測を始めるようにしましょう。

■観測する方角
「おうし座流星群の放射点の方を見なくては!」と身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、観測する方角を気にする必要はありません。流星は放射点のある方向だけではなく、夜空のどこにでも出現するためです。空を広く見渡すほうが、より多くの流星を捉えやすくなります。

月明かりが気になるときは、月のある方向を正面にしての観察は避けましょう。

■観測する場所
できる限り空が大きく見渡せる、開放的な場所を選びましょう。明るさに邪魔をされて流星が見づらくなることを避けるため、街灯など人工の明かりが少ない場所を選ぶことがポイントです。

地域ごとの星空指数(その日の夜空が天体観測に適しているかを表す指数)は、こちらから確認できますので、ぜひ参考にしてください。

■準備する道具
準備しておくと便利なのは「星座早見盤」です。円盤に書かれた日付と時刻を合わせるだけで、そのときに見られる星座の位置を調べることができます。流星を待つ間に、星座早見盤で調べた星座や星を楽しむこともできますよ。

「上を向いたまま流星を長時間待つのは大変そう」と感じる方は、レジャーシートを用意しておきましょう。レジャーシートを敷いた上に寝転がれば、楽な姿勢で観測できます。

一方、望遠鏡や双眼鏡を準備する必要はありません。望遠鏡や双眼鏡越しでは観測範囲が狭くなるので、むしろ流星を観測しづらくなってしまいます。おうし座流星群は、ぜひ肉眼で観察してみてください。

おうし座流星群の「成り立ち」って?観測前に基本情報をチェックしておこう

星空観察の満足度を高めるために、おうし座流星群の基本情報もチェックしておきましょう。

おうし座流星群は、流星群の中でも活動期間が長く、ピークもなだらかであることが特徴です。10月・11月を中心に、9月から12月くらいまで活動します。流星群の放射点は2つあり、それぞれ「おうし座南流星群」「おうし座北流星群」と呼ばれています。

流星群には、流星の「もと」となるチリの発生源(母天体)が存在します。おうし座流星群の場合、北群・南群ともに母天体は、太陽の周りをおよそ3.3年の周期で公転する「エンケ彗星(2P/Encke)」です。

ただし、現在のおうし座流星群を形成するチリは、かなり古い時期に放出されている可能性が高く、彗星の接近と流星数の増加は無関係とみられています。この点は、ほかの流星群と比べ、おうし座流星群の活動に目立ったピークがなく、活動期間も長い理由につながっていると考えられています。

観測チャンスは多め!ポイントをおさえて2023年おうし座流星群を満喫しよう

1時間あたりに流れる流星数が北群・南群それぞれ2個程度であるおうし座流星群は、小規模な流星群といえます。一方、活動のピークはなだらかで、極大を迎える11月6日と13日ごろ以外にも流星の観測チャンスがあります。

ひときわ明るく輝く流星「火球」を見られる可能性がある点も、おうし座流星群の見どころのひとつです。秋の夜空をバックに流れる、見ごたえある火球を楽しみたいですね。願いごとも唱えつつ、暖かい格好でゆっくりと星空観察を楽しんでみてください。

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