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【動画あり】流れ星が見られる確率は?【ポアソン分布】【オリオン座流星群】

  • 2023年10月6日
  • tenki.jp

10月と言えば、オリオン座流星群の活動が最も活発になる時期です。皆さん気になるのは「流れ星を観測できる確率」ではありませんか?具体的に数値で確率が出たら、流れ星に遭遇することが、どのくらいロマンチックなことなのか、分かりやすいですよね。実際に確率を計算していきます。

流れ星が出現する指標ZHRとは何?

流れ星の数の指標としてZHR(Zenithal Hourly Rate)というものがあります。これは、理想的環境下で見える1時間あたりの流星数という意味で、理想的環境とは「雲などの観測視野を遮るものがなく、6.5等星まで見える空」「放射点が天頂にある」という環境です。

どうして「ZHR」なんて指標があるのでしょうか?
1時間あたりに見られる流星数は、色々な人が流星の観測をし、経験的に求めます。しかし、流れ星の見え方は、天気、放射点高度、空の明るさ等によって、変わってしまいます。統一するために「理想的な環境下ではどのくらい流星が見られたのか」を計算したのが「ZHR」です。

日本の場合、大気の揺らぎや標高などの関係から、よくても5.5等星までの明るさの星しか見えないことが多く、放射点も常に天頂にあるとは限りません。そのため、オリオン座流星群のZHRは15個ですが、日本で観測する場合は減って、1時間あたり最大5個程度になるだろうということになります。


日本の星空スポットで流れ星が見られる確率は?

ポアソン分布を用いて、流れ星に遭遇する確率を求めていきます。ポアソン分布とは「ランダムに起きる事象」がある期間に何回起こるかの確率を調べるときに用いる分布です。

1時間に5個流星が見られるとします。しかし、1時間集中して流星観測を行うことは現実的ではありません。また、流れ星は出現したとしても1秒以下です。ずっとまばたきせずに、集中して観測することは、常人には不可能です。まばたきした瞬間に、流れ星が出現することは、十分に考えられます。

ということで、まばたきも考慮して、集中して観測できる時間の限界を30分とします。30分間で、半分の2.5個流星が流れるとすると、計算した結果が図のようになります。
オレンジの棒が流れ星が丁度k個見える確率、黒線がk個以上見える確率を表しています。
1個以上見える確率は92%、2個以上見える確率は71%、3個以上見える確率は46%となります。

日本のベランダで流れ星が見られる確率は?

実際に皆さんが流れ星を見る時は、お家のベランダや、ちょっと郊外の町明かりがある所で見る方が多いでしょう。その場合は流れ星が数分の1以下になる場合があります。
1時間に流れ星が2個が流れるとし、30分間観測するとします。さらに、窓やベランダから観測するとなると、観測できる方角が半分になります。ということで、2÷2÷2=0.5、30分間に0.5個流れ星が見られるとします。

同様に計算すると、1個以上見える確率は39%、2個以上見える確率は9%、それ以降は急激に減っていますね。

ここまでご覧になってどうでしょう。「結構観られる、観られない」人それぞれ感想がありそうです。

みなさんが流星群を楽しめることを祈っております。

動画解説:植田純生、小野寺那智

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