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北陸 11月なのに異例の連続夏日続出か 富山は11月初の真夏日の可能性も

  • 2023年11月1日
  • tenki.jp

11月2日(木)〜5日(日)にかけて、この時期としては異例の暖気が入り、11月としては記録的な高温となる所があるでしょう。特に3日(金・祝)は、11月の過去最も高い最高気温の記録に迫る所や更新する所もあり、富山では、11月としては初の真夏日となる可能性もあります。また、富山では4日連続、金沢・福井も3日連続で夏日となる予想で、これは11月としては統計開始以来最も長い記録となります。

5日(日)まで記録的な高温 11月最高気温や連続夏日記録更新も

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北陸地方では、5日(日)にかけて、前線の南側に入り、この時期としては異例の暖気が流れ込むなどの影響で、気温の高い状態が続くでしょう。中でも3日(金・祝)は、広い範囲で最高気温が25度以上の夏日となる予想です。富山では最高気温が29度の予想となっていますが、これは1977年11月1日に観測された29.2度に匹敵する高温です。上空の暖気の流れ込みの程度によっては30度以上の真夏日となる可能性もあり、そうなれば11月としては統計開始以来初のこととなります。また、福井も27度の予想で、1977年11月1日に観測された27.5度に迫る気温となるなど、11月の過去最も高い気温の記録に迫ったり、記録を更新する所もありそうです。

また、富山では2日(木)〜5日(日)まで4日連続、金沢・福井でも3日(金・祝)〜5日(日)まで3日連続で夏日となる予想です。これは、過去の11月の連続夏日の記録を更新する長さとなります。

今度の3連休は日中は汗ばむくらいとなりそうですので、服装選びに十分に注意し、日中に運動などをされる方は熱中症対策も必要です。一方、朝晩はそれなりに冷え込み、朝と日中の気温差が大きくなるので、体調管理には十分に注意してください。

なお、6日(金)も、雨の降りだしが遅れれば夏日となる可能性があります。

記録的な高温をもたらす要因は?

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5日(日)にかけて、記録的な高温をもたらす要因については主に3つあります。

図は特に気温の上がる3日(金・祝)の天気図ですが、前線が日本海を南下し、前線に向かって南西の風が吹きやすくなります。北陸地方にとっては山を越えて来る風となりますので、フェーン現象の効果によって気温が上がることとなります。

また、上空1500メートル付近で+12度〜+14度の暖気が本州付近に流れ込みます。これは、9月中旬から下旬並みの暖気となり、11月としては異例の暖気と言えそうです。

北陸地方では、2日(木)は新潟を中心に大気の状態が不安定ですが、福井・石川・富山では午後を中心に日差しがあり、3日(金・祝)はほぼ終日晴れ、4日(土)や5日(日)も、雲が多めながら日差しがありそうです。特に晴れる時間の長い3日(金・祝)は日差しの効果も大きくなり、気温が上がりやすくなります。

なお、5日(日)までは日本海から南下してくる前線は南海上の高気圧の勢力や暖気の力が強く、下がっても新潟下越や能登半島の北端止まりで、北陸地方は前線の南側となる所がほとんどでしょう。このため、記録的な高温が長く続くこととなります。

11月の気温は上昇傾向 地球温暖化によるベース気温上昇で高温が長引きやすく?

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図は11月の月平均気温の4都市平均(新潟・富山・金沢・福井)を、データのある1939年〜2022年までグラフにしたものです。

年による変動はあるものの、80年余りで2度弱上昇しています。特に2018年以降は高温で安定している傾向が見られます。これは、地球温暖化や都市化によるベース気温の上昇が影響していると見られます。

地球温暖化は高緯度ほど進行が早いと言われています。このため、この時期は周期的に北から強い寒気が南下して北陸地方は時雨の時期となりますが、北からの寒気の南下が弱まれば、今回のように前線がなかなか本州の南まで下がりきらず、気温の高い状態が長く続きやすくなることが考えられます。

その一方で、気温の高い状態が続けば海面水温も高くなるので、一時的にでも寒気が入った場合に、発達した積乱雲が発生しやすくなり、影響度が大きくなることも考えられます。先日10月27日(金)は日本海の海面水温が高い中、一時的に寒気が入った影響で局地的に雷雲が発達し、ひょうの積もった所もありました。記録的な高温に油断せず、常に最新の気象情報を確認することが必要です。

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