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北陸 今年の夏は天候不順でも猛暑か エルニーニョ現象影響も 大雨・熱中症リスク大

  • 2023年7月13日
  • tenki.jp

北陸地方のこの夏は、降水量が多く、天候不順となる可能性があります。盛夏期でも大雨リスクは高く、線状降水帯の発生などには引き続き警戒が必要です。その一方で、気温は高く、冷夏となる可能性は低いでしょう。曇りや雨で気温が高く、ジメジメと蒸し暑い日が多いことが特徴となりそうです。

北陸地方 3連休中に梅雨明けの可能性 ただし、仮に梅雨が明けても晴天は続かず

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向こう一週間は、本州の南の海上の高気圧が次第に強まり、17日(月)をピークに北への張り出しを強めるでしょう。梅雨前線は北日本まで北上する見込みです。

北陸地方では、15日(土)までは、太平洋高気圧の縁を廻る湿った空気の影響で、大気の状態がやや不安定ですが、17日(月)を中心としたおよそ3日間は、夏空が広がり、3連休中に梅雨明けの発表があるかもしれません。

ただし、今年の梅雨明けは判断が難しくなっています。というのも、19日(水)以降は、太平洋高気圧の勢力が急速に弱まり、前線が再び本州付近を南下するためです。さらに、その先も太平洋高気圧の勢力は不安定で、前線や湿った空気の影響を受けやすいでしょう。

いずれにしても、仮に3連休中に梅雨明けの発表があっても、安定した晴天は長く続かないということが言えそうです。

エルニーニョ現象が発生中 1か月予報でも不順な天候を示唆 ただし、冷夏にはならず

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7月10日に気象庁より発表されたエルニーニョ監視速報によると、エルニーニョ現象が発生しており、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差も徐々に大きくなっているとのことで、エルニーニョ現象が発達してきている状況です。

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。エルニーニョ現象発生時は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが弱く、冷夏や天候不順になりやすいと言われています。

13日発表の最新の1か月予報でも、前線や湿った空気の影響を受ける時期があり、降水量は平年並みか多く、日照時間もほぼ平年並みとなっていますが、平年より少ない確率が40%とやや高く、天候不順な夏となる可能性を示唆しています。

しかし、その一方で、暖かい空気に覆われやすく、気温は平年より高い傾向です。よって、冷夏になる可能性は低くなっています。曇りや雨の日が多いのに気温が高く、ジメジメと蒸し暑い日が多くなるでしょう。このような年は熱中症リスクも例年より高いと言えます。暑さを感じたら無理をせず、冷房を活用するなど、熱中症対策が必要です。

近年の夏は不安定・天候不順な夏が増加も気温は上昇傾向 地球温暖化影響か

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上のグラフはエルニーニョ年、平常年、ラニーニャ年の旬別の4都市の平均気温・降水量・日照時間の4都市合計です。

平均気温に関しては、ならすとエルニーニョ年は気温が低く、ラニーニャ年は高い傾向があり、特に8月上旬から中旬にその傾向が顕著となります。降水量や日照時間に関しても、エルニーニョ年は7月下旬から8月中旬のいわゆる「盛夏期」を中心に多雨・寡照傾向となっています。

一方、中・下のグラフは1961年〜2022年の7月下旬〜8月下旬の、いわゆる「梅雨明け以降」の天気の特徴の経過を表したものです。

平均気温は年々上昇してきており、特に富山でその傾向が顕著になっています。一方で、降水量は年々増加傾向、日照時間は減少傾向を示しています。

これは、年々、気温が高くなっているのに天候不順傾向が強まってきていると読み取れます。これらは地球温暖化の影響とみられます。

エルニーニョ現象は数年ごとにしばしば発生していますが、北陸地方で最後に冷夏になった年は2009年で、それも当時の平年値では平年並みとなっています。当時基準で冷夏になったのは2003年が最後となっています。

また、地球温暖化が進むと前線が北上しにくくなり、東北や北陸を中心に梅雨が明けない年が増えるという研究結果もあります。

昨年はラニーニャ現象が発生していましたが、6月終わりから7月初めに夏空が広がったものの、その後は前線の影響を受けて、盛夏期の8月上旬に線状降水帯による大雨、中旬も前線や湿った空気で局地的な大雨があり、梅雨明けも「特定されず」となったのは記憶に新しいかと思われます。

地球温暖化が進行するとともに、前線や湿った空気の影響を受けやすくなり、盛夏期でも線状降水帯の発生など大雨リスクが高まる一方、気温は高く、ジメジメと蒸し暑いタイプの猛暑となる年が増えるおそれがあります。梅雨明け速報があってもなくても、少なくとも台風シーズンの10月までは大雨対策を続けることが大切となってきます。

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