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現代演劇3団体が復帰50周年を考える舞台「沖縄・復帰50年現代演劇集 in なはーと」を上演

  • 2022年3月10日
  • 沖縄島ガール

沖縄・那覇市の劇場「那覇文化芸術劇場 なはーと」では、5月4日(水・祝)から、「沖縄・復帰50年現代演劇集 in なはーと」が開催される。期間は、5月14日(土)まで。

沖縄は2022年5月、1972年に日本本土に復帰してから50年の節目を迎える。かつて、琉球王国は独立国家の時代から、日本、アメリカなどさまざまな統治下を経ているが、それぞれの折に触れて舞台芸術を通して、アイデンティティーを示してきた。

「首里城明け渡し」「世替わりや世替りや」、悲惨な沖縄戦を描いた「洞窟」「ひめゆり」など、これらの作品は「本当の平和とは」「私たちの沖縄とは」を現在の私たちに訴え掛ける。また、現代演劇でも“復帰”を題材にした作品が数多く創作されている。

このたび、50年という節目の年に、「『復帰とは何だったのか』『復帰を経て沖縄は変化をしたのか否か』について、作り手、演じ手、観客など演劇に関わるみんなで考える機会にしたい」という思いで企画された。

3月1日、「那覇文化芸術劇場 なはーと」にて、「沖縄・復帰50年現代演劇集 in なはーと」の舞台を手掛ける劇団ビーチロック、劇団O.Z.E、劇艶おとな団の3団体が記者会見に臨んだ。

劇団ビーチロックは、5月4日、5月5日(木・祝)の2日間、「オキナワ・シンデレラ・ブルース」を上演。

劇団ビーチロック「オキナワ・シンデレラ・ブルース」

「オキナワ・シンデレラ・ブルース」の舞台は、沖縄が本土に復帰して間もない1973年。時代の波に流されて、芝居小屋、映画館、Aサインバー、そして音楽喫茶と業態を変えてきた「BAR亜熱帯」の看板娘が芸能界にスカウトされることになった。そんな彼女が芸能界の階段を上った先に見える景色を描いていく。

劇団ビーチロック「オキナワ・シンデレラ・ブルース」

劇団ビーチロック「オキナワ・シンデレラ・ブルース」

また、劇団O.Z.Eは、5月7日(土)、5月8日(日)の2日間、「72’ライダー」を演じる。

劇団O.Z.E「72’ライダー」

「72’ライダー」は、“ひーぷー”の愛称で親しまれる、劇団O.Z.Eの俳優・真栄平仁の渾身の作品。「復帰っ子」と呼ばれる50歳の男女の今と、復帰直前のコザ暴動に参加して故郷への熱い思いを抱きながらも、バイクで非業の死を遂げたある青年の事件をリンクさせる。

劇団O.Z.E「72’ライダー」

舞台は、仲間内で開いた50歳の同窓会に出席しなかったやーすーのバイク店。その店に、友人のてっちゃんと長一が訪ねて来て、ビールを飲みながら二次会が始まる。さらに、妙子、みえ、明日香ら次々と仲間が加わり、近況報告や懐かしい高校時代の話に花を咲かせる。

劇団O.Z.E「72’ライダー」

そして、5月13日(金)、5月14日は、劇艶おとな団が「9人の迷える沖縄人」を上演。

劇艶おとな団「9人の迷える沖縄人」

「9人の迷える沖縄人」は、本土復帰当時、沖縄に住む人たちが何を考え、どう捉えていたのか、本土復帰が沖縄に何をもたらしたのか、多様で複雑な立場や心情を描く。

劇艶おとな団「9人の迷える沖縄人」

1972年の沖縄の本土復帰目前、有識者に招かれ、主婦、戦争を体験した老婆、沖縄へ移住した本土人らが一つの部屋に集められた。「日本が攻め込まれた場合、戦争はしませんといっていられると思うか」「本土化するとはどういうことか」「胸を張って基地はいらないといいたい」「のんびりすることが美徳なら、基地も受け入れてのんびりやったらどうか」など、それぞれの沖縄に対する思い、日本への思い、戦争・恒久平和への思い、さまざまな思いが交差して、渦の中に引きずり込まれていく。

劇艶おとな団「9人の迷える沖縄人」

今回のイベントを企画した劇艶おとな団の当山彰一は、「3つの現代劇を通して、復帰を知らない若い世代が、知っている世代と共に考えられる機会になれば」と企画したきっかけを告白。

また、「オキナワ・シンデレラ・ブルース」の作・演出を手掛ける劇団ビーチロックの新井章仁は、「骨太なエンタテインメントになっています。沖縄の歴史に詳しくない方でも入口として楽しんでいただけるものになる」と語った。

劇団O.Z.Eの真栄平は「できるだけ笑えるように作りたいと思っています。ラストでバイクの音をめちゃくちゃうるさくしています。その音が皆さんの心に刺されば」とコメントした。

その後、那覇文化芸術劇場なはーとのプロデューサー・崎山敦彦氏も交えて「キックオフミーティング」が開かれた。現代演劇の3団体が復帰50年の沖縄をどう表現するのか、注目が集まる。

「沖縄・復帰50年現代演劇集 in なはーと」
2022年5月4日(水・祝)〜5月14日(土) 沖縄・那覇市「那覇文化芸術劇場 なはーと『小劇場』」にて開催

【プログラム】
劇団ビーチロック「オキナワ・シンデレラ・ブルース」
5月4日(水・祝)19:00、5月5日(木・祝)11:00・16:00
劇団O.Z.E「72’ライダー」
5月7日(土)19:00、5月8日(日)13:00・18:00
劇艶おとな団「9人の迷える沖縄人」
5月13日(金)19:00、5月14日(土)13:00・18:00

【チケット】
一般チケット(1公演:全作品共通価格)/(前売り)大人:3,000円、U-23:2,000 円、高校生以下:1,000円(当日は各500円増)
※チケット販売は4月1日(金)〜

共通チケット
①沖縄・復帰50年現代演劇 in なはーと 観劇パスポート
(全作品をお得に鑑賞できるパスポート。3演目を各1回観劇可能)
料金:8,000円(通常価格は大人3,000円×3公演の9,000円で1,000お得)
※チケット販売は3月1日(火)〜

②沖縄・復帰50 年現代演劇 in なはーと みらいチケット(若者応援チケット)
(申込1 口につき、2人の若者<中学生~23歳>を対象公演に招待)
料金:一口につき4,000円(1口購入ごとに若者招待枠2枠、購入者・購入社はHPならびに全公演の会場に名前掲載<希望する場合>)
※申込受付は3月1日(火)〜

【問い合わせ】
電話:070-4394-6225(一社 おきなわ芸術文化の箱)

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