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「秋ジャガイモ」の育て方

  • 2023年10月7日
  • NUKUMORE

野菜のなかでも人気のあるジャガイモ。カレーやポテトサラダなど子供が好きなご飯にも欠かせない食材です。夏から秋にかけて栽培する「秋ジャガ」は、8~9月頃に植え付け、11~12月に収穫します。上手に育てて収穫するためのコツを解説します。

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秋ジャガイモとは(特徴)

ナス科。逆さ植えにして土寄せなしで育てましょう。 春作と同じ「デジマ」、「さんじゅう丸」、「さやあかね」、「グラウンドペチカ」など5種類を育てています。春作も秋作もできる品種を選び、収穫したイモを種イモとして使っています。 YD25_p24_map_1_1696381151 ■監修 三並清継さん
みなみきよつぐ●家庭菜園歴17年。愛媛県新居浜市にある約1000㎡の畑で農薬を使わない野菜づくりを楽しむ。
家庭菜園を始めた頃は化学肥料を使っていたが、5年前から有機栽培に移行。有機栽培2年目にはボカシ肥料の施肥量を半分に減らし、3年目に畑の土壌酸度がpH6前後で安定しているのを確認してから、作付けのたびに堆肥や石灰をすき込むことを中止。その後も徐々に使う堆肥や有機質肥料の量を減らしつつ、畑の草や緑肥作物を活かした野菜づくりを行い、病虫害の少ない畑でおいしい野菜づくりを実践中。

栽培の目安・カレンダー

無肥料で育てたイモは小ぶりだが味がいい!

昨年の秋作からジャガイモは無肥料で育てています。肥料を施して育てていたときと比べると、無肥料栽培の場合は草丈や葉の茂りはやや劣り、できたイモのサイズも小さめなのですが、味が全然違いました。緻密で味がよい高品質のイモができることがわかったので、無肥料栽培を続けています。 YD25_p24_map_2_1695347276 ・畝の準備: 幅70cm、黒マルチなし
・植え方:株間30cm、条間30cmで2列
・元肥:なし
・追肥:つぼみがついたら草木灰を散布し、花が咲いたら硫酸カルシウムや液肥でカルシウム補給。 YD25_p24_map_3_1696380864

育て方

01 土づくり

水はけがよくて、ph5.5~6.0の土壌を好みます。有機栽培を続けている私の畑で土壌酸度を測ってみるとph6.0~6.3で安定しているので、石灰は使いません。むしろ石灰を使い、アルカリ性土壌になるとそうか病が出やすくなるので注意が必要です。

無肥料で育てるので、堆肥や肥料も入れない幅70㎝の畝をつくります。

連作障害や病虫害対策で前年にニンニクやラッキョウなどネギ属を育てていた場所に植えるときがあります。その場合はマルチを張った畝を崩さずに、そのまま使います。

02 種イモの準備

春作では100g程度のイモを切って種イモにしますが、秋作では30~40gの小さめのイモをまるごと種イモとして使います。まだ暑い時期に種イモを切って植えつけると、腐りやすくなるからです。

植えつけの2週間くらい前に種イモを日当たりのいい場所に置き、日光に当てて休眠状態の種イモを目覚めさせる浴光催芽を行います。

03 植えつけ

霜が降りるまでに収穫ができるように逆算して植えつけします。
私の畑のある地域では霜が降りるのが12月中旬頃なので、9月中旬に植えつけています。

幅70cmの畝に条間30cm、株間30cmで植えつけますが、種イモをよく見て、根が出る基部を上に向け、芽が出る頂芽の部分を下に向ける逆さ植えにします。植え穴に種イモを入れたら土を上に5cmほどかぶせて鎮圧します。
連作障害や病虫害の予防になるよう、畝の中央にはコンパニオンプランツとしてネギを植えておきます。 秋作では30~40gの小さめの種イモを使う。秋は種イモが腐りやすいので切らずにまるごと植えるが、頂芽が下、基部が上になるように逆さ植えする。逆さ植えにすると強い芽が2~3本しか出ないので芽かきは不要。(下の画像参照) YD25_p24_map_4_1696380911 YD25_p24_map_5_1696380920 2条植えにして中央にネギを混植。 YD25_p24_map_6_1696381035 植えたときの種イモがきれいな状態で出てきた。茎が種イモの下の方からぐんと伸びていて、逆さ植えにしていたことが一目瞭然。 YD25_p24_map_7_1696381057

04 メンテナンス

一般的な栽培方法では芽がたくさん出てきたら3~4本残して芽かきをしますが、逆さ植えだと強い芽が2~3本しか出てこないので、芽かきをする必要がありません。

株元を涼しく保つために刈り取ったエンバクや乾いた草を株元に厚めに敷いておきます。マルチを張った畝で育てることもあるのですが、どちらの場合も土寄せはしません。

草丈が30cmくらいになり、つぼみがついたらイモが肥大してきます。カリウムを補給するために草木灰を葉の上から散布してマイエンザ1000倍希釈液をまきます。花が咲いたらカルシウム補給のため、500倍に水で薄めたカル酢を葉の上からまいています。

05 収穫

11月下旬~12月中旬に収穫です。天気がいい日に葉が黄色く枯れたものから掘ります。
無肥料で育てたジャガイモのサイズは小ぶりですが、実が詰まっていてとてもおいしいです。

収穫後、軒下などの日陰で7~10日間乾かしてから貯蔵すると長持ちします。もみ殻を入れた通気性のいい箱にジャガイモを入れて新聞紙でフタをし、納屋で貯蔵しています。

翌春の種イモは食用と区別しておきます。肌がきれいな100gほどのイモを選びます。 採り残しのないように土の中をよく探す。 YD25_p24_map_8_1696381096 YD25_p24_map_9_1696381102

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