ミントはもっとも身近で用途も広く、丈夫で育てやすいハーブです。さまざまな品種がありますが、いずれもメントールを多く含むさわやかな香りが魅力!微細な種は育苗箱にまいてポットに移植し、ある程度の大きさまで育ててから植えつけます。
ミントとは(基本情報)
清涼感あふれる香りのフレッシュティーを楽しみましょう!
・別名:ハッカ
・分類:シソ科/多年草
・原産地:地中海東部沿岸
・栽培適温:15~25℃
・草丈:20~30cm
・利用部分:葉、茎、花
・効能・効用:消化促進、気管支炎、解熱、消炎、防虫、冷却など
・利用法:料理、ティー、ポプリ、染色、ハーブバスなど
栽培カレンダー
※元肥は苗の植えつけ時に与えます
ミントの品種
*スペアミント
ミントの代表種。マイルドな香りでハーブティーや料理に大活躍。7~9月が花の最盛期。
*クールミント
アジア東部原産。さわやかな香りが口中洗浄剤、ガムなどに使われる品種。耐寒性あり。
*アップルミント
リンゴのような甘い香りが特徴。半日陰で育てた方が香りのよい葉ができる。
*パイナップルミント
クリーム色の斑が入り、甘くフルーティーな香り。ガーデニング素材としても人気。
育て方【種まき】
種の性質に合わせて適切な方法でまき、植えつけられる大きさになるまで大切に育てます(育苗)
◆種
種はとても細かいので、育苗箱にまいて苗をつくります。光を好む(好光性)ので、種をまいたら上から土をかける必要はありません。
◆育苗箱にばらまき
01 育苗箱の底穴が多くて土がこぼれそうな場合は、キッチンペーパーを敷いておきます。
02 種まき用の土を入れます。必ず無肥料のものを使います。
03 土の表面を平らにならします。
04 種が重ならないように、均一にばらまきにします。
05 軽く手で押さえて落ち着かせたら、数回に分けて全体にやさしく水を与えます。
<ここがPoint!>発芽までの管理ポイント
【温度】種にはそれぞれ発芽適温があります。一般に、春まきは20℃前後、秋まきは15~20℃。種まき時期を守って、発芽温度を保つ工夫をしましょう。
【水】種は水分がしみ込んで中の細胞が働きはじめるので、発芽までは適度に湿っていることが大切。底面から吸水させたり、容器を湿らせた新聞で覆ってときどき霧吹きで水を与える方法などもおすすめです。
【光】種によって、光が当たった方が発芽しやすいタイプ(好光性)と、光が当たると発根しないタイプ(嫌光性)があります。嫌光性は種の上から多めに土をかけること(覆土)が必要になります。
◆発芽
種まき後7~10日で発芽します。
◆移植
01 双葉のあと、ミント特有のシワのある本葉が出てきます。葉が3~4枚になったら、大きくてしっかりした苗を選んで、根のまわりの土ごと掘り上げます。
02 培養土(無肥料)の入った育苗ポットにていねいに移し、すき間に土を足します。たっぷり水やりをして2~3日は日陰に置きます。
◆育苗
日当たりのよい場所に移し、1週間後から薄めの液肥を与えはじめ、本葉5~6枚のしっかりした株になるまで育てます。
育て方【植えつけ】
最終的に育てる場所に植えることを「植えつけ」といいます。
◆苗
種から育てた苗
◆市販苗
目的にあった品種で、葉色や香りのよい元気な苗を選びます。
市販苗はここからスタート!
◆鉢
鉢穴からの害虫の侵入を防ぎ、水はけをよくするために鉢底ネットと鉢底石を敷きます。
・5号以上のプラスチック鉢(水もちがよく、安価で軽い)
・鉢底石
・鉢底ネット
・培養土(元肥入り)
* 植えつけの詳しいプロセス
01 根鉢をくずさないように注意しながら、ポットから苗をとり出します。
02 鉢に鉢底ネット、鉢底石を入れ、元肥入りの培養土で植えつけます。
03 株元が少し高くなるように植え、苗がグラグラしないよう土の表面をならします。
04 鉢底から流れ出るくらいたっぷり水を与え、2~3日は日陰に置きます。
◆鉢
8~10号鉢は2~3株が目安です。
◆プランタ
標準プランター(横60cm/深さ20cm前後/容量約20L)なら3~4株が目安。
◆地植え
地植えにするとよく育ち、広い株間をとって植えつけても地下茎が伸びて盛大に広がります。他の植物の領域まで占領して成育に影響を与えることもあるので、庭に植える場合は慎重に。
育て方【手入れ】
◆育てる場所
日なたでも半日陰でも、風通しがよければよく育ちます。
◆水やり
やや湿り気を好み、葉が乾燥すると黄色くなるのでこまめに水やりをし、ときどき葉全体にもかけるようにします(葉水)。
◆追肥
春から秋の成長期は2週間に1回、薄い液肥を与えます。チッソ分が多いと弱々しい株になって風味も落ちるので、控えめに。
◆摘芯
根づいたら、枝数をふやすために茎の先端を摘みとります。
できるだけ葉のすぐ上で摘芯すると、わき芽が出やすくなります。
育て方【収穫】
香りがよい開花直前が最適期!
◆葉
根づくと急速に茎葉が伸び、葉が茂ってくるので、上方の新しい葉から摘みとります。
葉が混み合ってくると蒸れるので、枝ごと切りとり、風通しをよくしておきます。
◆花
夏から秋にかけて次々と花が咲きます。葉の収穫をメインにするなら、花が咲くと香りが弱くなるので早めに摘みとっておきます。
育て方【収穫後の手入れ】
◆切り戻し
収穫しない場合でも、伸びすぎた部分は切りとり、草姿を整えます。
◆植え替え
成育おう盛なので、年に一度はひとまわり大きな鉢に植え替えをします。
育て方【ふやし方】
◆株分け
年に一度は株を掘り上げ、古い枝と根を整理し、3~4本を1株にして植えつけます。
◆さし芽
切りとった茎を水にさしておくと約10日で発根。これをさし穂にすると、順調に根づきます。
収穫したミントの使い方
「フレッシュミントティー」
摘みたてのやわらかい葉を使って!
01 きれいに洗ったミントの葉をティーポットに入れる。カップ1杯分で大さじ1の生葉が目安。
02 沸騰した湯を静かに注ぎ、ふたをして3分ほど蒸らす。
03 温めておいたティーカップに注ぎ入れる。
「ミントミルク」
温めた牛乳または豆乳にミントの葉を入れて。
リラックス効果抜群!
「ドライフラワーDried」
まとめて収穫したら、小束にして吊るして乾燥させます!
ゼムクリップを曲げてフックのように利用。
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