葉山でブルーカーボン体験 クレジット購入企業へ証書授与も

  • 2025年5月17日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 葉山で5月14日に「ブルーカーボン体験ツアー」が行われ、「Jブルークレジット」購入企業ら約20人が参加した。主催は葉山アマモ協議会(葉山町)、自然電力(東京都中央区)、La Carpe(ラ・キャルプ)(東京都渋谷区)。(逗子葉山経済新聞)

 ブルーカーボンについて説明する葉山アマモ協議会の山木克則さん

 Jブルークレジットはジャパンブルーエコノミー技術研究組合(以下、JBE)が2022年、「葉山町の多様な主体が連携した海の森づくり活動」によるブルーカーボン創出に対して発行を認可。「ブルーカーボン」は、藻場・浅場などの海洋生態系に取り込まれた炭素のことで、海藻養殖事業に対するJブルーカーボンクレジット認可は全国初事例だった。

 1年目の2022年度は再生したカジメ、天然ワカメ、養殖ワカメを対象にブルーカーボン46.6トンCO2、2023年度は49.7トンCO2、2024年度は68.0トンCO2が認定された。

 体験ツアーは朝9時、同町漁業協同組合に集合し、葉山アマモ協議会の山木克則さんのレクチャーでスタート。藻場の機能やブルーカーボン創出の仕組み、2020年ごろから葉山でも温暖化により冬に海水温が下がらず、海藻が育たない海になってしまったこと、地域連携で取り組んでいる藻場再生活動などについて説明した。

 その後、2024年度「Jブルークレジット」購入企業へ角田正美湘南漁業協同組合葉山支所運営委員長から証書が授与された。La Carpe、自然電力、藤沢紙工(藤沢市)、ヨロッコビール(鎌倉市)、京浜急行電鉄(横浜市)、pP(東京都渋谷区)の6社で21トンの購入となった。

 参加者らは葉山漁港から船に乗り、再生から3年で育ち始めているカジメや昨年度、国内で初めてブルーカーボンクレジットを受けたヒジキの漁場などを見学し、サザエ稚貝を放流した。

 浜ではヒジキを収穫した後、窯でゆで上げ、干し、小さなごみ取りをして商品にするまでの話を漁師から聞いた。ランチでは「ラ・マーレ・ド・チャヤ」で、その漁師が捕ったヒジキなどを使った特別コースを味わった。

 関心はあったが、購入はしていないという参加者からは「実際に藻場を見て、海を守る人たちや地域のために購入を検討したいと思った」などの感想が聞かれた。

 山木さんは「購入したカーボンをどのように使うかも、ブルーカーボンの価値に関係する」と話し、「昨年度からは地域で創出したブルーカーボンの販売を相対方式で販売している。私たち地域は購入者の顔が見え、ブルーカーボンの利用方法が共有され、地域にも還元されるメリットがある」と期待を込める。

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