地元の採れたて野菜を使った台湾料理とワインを提供する「稲妻飯店」(鳥取市鹿野町)が4月17日で1周年を迎えた。(鳥取経済新聞)
「稲妻飯店」外観
店主の山田大樹さんは気高町出身。大学卒業後、東京の輸入食品会社や台湾料理店、ワインバーで経験を積み、2024年に帰郷して同店を開いた。家族が育てる星空米や、地元農家から仕入れる新鮮な野菜を使った台湾料理を提供し、料理と相性の良いワインの提案も行う。
店のある鹿野町は、古民家の立ち並ぶ城下町。山田さんは学生時代の夏休みに自転車で同町を訪れた際に雰囲気が気に入り、「いつかここで店を開きたいと思った」と振り返る。開店に当たり、空き家活用に取り組むNPO法人「いんしゅう鹿野まちづくり協議会」に相談し、築100年以上の古民家を借り受けた。地域住民や地元工務店と共に行った改修などが評価され、県が主催する「空き家利活用コンテスト2024」非住宅部門で最優秀賞を受賞。山田さんは「空き家のリノベーションや古民家に興味のある人にも気軽に見に来てもらえれば」と話す。
気高町には、環境省が「平成の名水百選」に選定した湧き水「布勢の清水(ふせのしみず)」があり、自然豊かな土地柄でもある。店では、地元農家の朝採れ野菜や山田さんが自ら育てた野菜をはじめ、湧き水地に生息する水中植物「バイカモ」、裏庭で採れるタケノコなど、地域で採れる旬の食材も料理に取り入れている。
ランチメニューは、「口水鶏(よだれどり)セット」「唐揚げセット」(以上1,100円)などのセットメニュー5種類から選べる。夜は週替わりで単品メニューを提供。人気メニューは、柔らかく調理した鶏むね肉にタレをかけて食べる「口水鶏」。タレは、黒酢を使った麻辣(まーらー)タレ、ネギとニンニクを合わせたネギダレ、2種類のタレを半分ずつかける合がけから選べる。
ドリンクはソフトドリンク(350円)、瓶ビール(650円)、グラスワイン(500円)、ボトルワイン(3,200円~)などを用意。山田さんは「これまでビールが人気だったが、ワインも楽しんでもらえたらと、最近、ワイン専用メニューを作った。料理に合うワインなど気軽に尋ねてほしい」と話す。
山田さんは「古民家の貸し出しや改修、野菜の提供など、地元の人の協力があっての店。開店後、地元の人が様子を見に立ち寄ってくれることもあり、日々感謝している。これからも地元の人と共に、城下町の雰囲気や新鮮な食材など、地域の魅力を伝えていければ」と意気込む。
営業時間は、ランチ=11時~15時、ディナー=17時~21時。火曜、第2・第4月曜定休。月曜・水曜・木曜はランチタイムのみ営業。