日本橋十思スクエアに蔦重ギャラリー 耕書堂発刊の黄表紙や浮世絵など展示

  • 2025年5月8日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 複合施設「十思(じっし)スクエア」(中央区日本橋小伝馬町5)本館2階校友会室に5月1日、「十思スクエア蔦重ギャラリー」がオープンした。主催は「十思スクエア歴史資料室地域振興会」。(日本橋経済新聞)

 オープニングイベントに駆け付けた、近隣町会の皆さん

 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」主人公の蔦屋重三郎が開業した地本問屋「耕書堂」が近隣の旧通油町あったことにちなんだ「蔦重日本橋プロジェクト」の一環として地元有志が準備し、運営を手がける展示企画。

 「十思スクエア」は、1928(昭和3)年に完成し1990(平成2)年に廃校となった旧中央区立十思小学校の校舎を再利用した複合施設。江戸から明治にかけて存在した「伝馬町牢屋敷」跡に建っており、「べらぼう」にも登場する平賀源内も同所に投獄された。角地を利用した正面玄関は曲線で構成し、1階と3階にはアーチ型のデザインを採用した地域のランドマークで、隣接する「十思スクエア別館」には銭湯「十思湯」や伝馬町牢屋敷展示館などが入居している。

 ギャラリーとなっている校友会室はもともと音楽室で、楕円形の室内には「耕書堂」発刊の「新吉原細見 籬(まがき)乃花」や、青本・黄表紙などの複製冊子20点、浮世絵17点に加え吉原から日本橋に進出した蔦屋十三郎の足跡を記したパネルなどを展示する。和とじの複製冊子は大伝馬町二之部町会婦人部などによる手作りで、実際に手に取って読むことができる。

 近隣には、今年1月にオープンした地本問屋「耕書堂」の再現展示(日本橋堀留町)や、3月にオープンした「蔦重通油町(つたじゅうとおりあぶらちょう)ギャラリー」(日本橋大伝馬町)もあり、街ぐるみで蔦重人気を盛り上げている。

 オープニングイベントに駆け付けた、中央区長の山本泰斗さんは「皆さんの力で再現『耕書堂』や『蔦重通油町ギャラリー』に続いて、魅力的な蔦重ギャラリーができた。ドラマの舞台も日本橋に移ると聞いているので、来街者もさらに増えていくだろう。日本橋の町ぐるみのおもてなしで迎えてほしい」と話す。

 ギャラリー開設準備の指揮を執った大伝馬町二之部町会長の瀧健太郎さんは「ギャラリーは日本橋エリアの歴史的魅力を再発見していただくために、地域の力で発信していこうと住民有志がさまざまな史料を読み込み、知恵を出し合い、まさしく手作りで作り上げた。入場料は無料、写真撮影の制限もなく、手にとってご覧いただける黄表紙(復刻版)や間近で見ていただける浮世絵も用意している。蔦重の足跡を感じてみてほしい」と来館を呼びかける。

 開館時間は10時~17時。日曜・祝日休館。 入場無料。ギャラリーの公開は2026年3月中旬ころまで。

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