金沢のギャラリーで「九谷と我谷」展 同郷の磁器と木工芸が再会

  • 2025年4月17日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 加賀市に源流がある九谷焼と我谷(わがたに)盆を並べる展示「九谷と我谷」が4月16日、「金沢・クラフト広坂」(金沢市広坂1)で始まった。(金沢経済新聞)

 金沢のギャラリーで「九谷と我谷」展

 九谷焼は上出長右衛門窯(能美市吉光町)が、木工芸の我谷盆は風谷アトリエ(加賀市山中温泉風谷町)の8人の作家が作品を出展する。

 風谷アトリエ作家の上陽子さんによると、我谷盆は江戸時代に大工が冬の農閑期に地元の栗の木を加工して盆を作り、自家用のほか温泉地など近隣の町に売っていた木工芸で、ダム建設などで一旦途絶えてしまったものを森口信一さんが復興させ、今ではアトリエで門下生と共に制作しているという。くさびで割ったままの荒々しい木地の表情や、のみで大胆に彫り込んだ野性味あふれる作風が特徴で、中には木の虫食いの穴や節の形を生かしたものもある。木に含まれる成分と化学反応を起こす着色方法によって、色味にも木の個性が出るようにしているという。

 会場には、我谷盆の製作過程で出る木くずから灰を作り、うわぐすりとして使った九谷焼の作品も並べて展示する。薄い緑色をした優しい発色が、我谷盆の自然な風合いとのコントラストを生み出す。

 上さんは「我谷も九谷も、現在の加賀市にあった山あいの村が源流。両者が並ぶ機会は意外と多くないので、楽しんでほしい」と話す。

 開催時間は11時~17時(最終日は16時まで)。4月27日まで。

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