まずは家計の収支を把握しよう / (C)りさねーぜ/KADOKAWA
「年齢を重ねるのが怖い」「ひとりは寂しい」「老後が心配」…。そんな漠然とした焦りや不安を感じている女性たちに、ミドルシニアのハッピーな生き方を教えてくれるのが、Instagramで総フォロワー数24万人超(2025年5月現在)のりさねーぜさん。
若い頃はバリキャリでしたが、望まぬ配置転換、結婚や出産に対する焦りなど、30代後半から環境が大きく変化。悩み、葛藤しながら一つひとつ答えを出していき、40代には一戸建てを建て、56歳で早期退職を決断。年金生活に不安を感じ54歳で始めたSNSをビジネスにして、今は愛犬・愛猫とごきげんな日々を送っています。
そんなりさねーぜさんが、自分の半生を元にひとりで生きていくことへの考え、仕事観やお金の使い方、老後への備えなどを紹介。老後が楽しみになるヒントが満載です!
※本記事はりさねーぜ著の書籍『57歳、いきいきハッピーおひとりさま暮らし』から一部抜粋・編集しました。
【仕事とお金】お金の心配は70歳になってからと決めた
老後に必要なお金はいったいいくらなのか。貯金がどのくらいあれば安心なのか。
そんなことを考えないわけではないですが、考えても答えは出ないので、もう考えるのはやめました。これは私の性格が楽観的だからという部分も大きいです。
もしかしたら何億円もあったら大丈夫なのかもしれませんが、たくさんあったらあったで、また別の悩みが出てくるんじゃないでしょうか。
それに、老後のお金が不安な人って、いくらあっても不安なんじゃないかと思います。
そもそも老後といっても、何歳まで生きるかなんて誰にもわからないんですから、生活にいくら必要かなんて、計算できるわけがないんです。
そんな、いくら貯めればいいかわからない費用のために、今の生活を切り詰めて、やりたいことを我慢して、それでたくさん貯まったところでポックリ……なんてことになったら、今までの人生何だったんだって、私は思っちゃいます。みんなが平均寿命まで生きられるわけじゃないですしね。
だからといって、まったく対策していないわけではありません。
一番大切なのは、収支を把握することだと考えています。だって、月10万円しか入ってこないのに、30万円使っていたら、そりゃ、あっという間に家計は破綻しますからね。でも、老後のお金についての本や特集記事などを見ると、意外と把握できていない印象です。
これまでも何度か家計の見直しはしています。最近だと、いよいよ会社がイヤになってきた50代に入ったころ。雇用延長はせず、60歳で辞めようと思っていました。
でも年金がもらえるのは65歳から。じゃあ、どうすればいいのか? まずは収支の把握をしました。毎月、何にいくら使っているのかを書き出し、必要な生活費を把握。退職金と貯蓄を切り崩して生活できるか計算してみたら、なんとかギリギリいけそうだとわかりました。
ただ、それだとかなり切り詰めた生活をしなければならないので、月5万円くらいの収入を目指して、副業ブログを始めたわけです。
「億劫」が邪魔していませんか? / (C)りさねーぜ/KADOKAWA
それがきっかけでいろいろな仕事をいただけるようになり、60歳を待たずに会社を辞めることができたわけですが、家計の収支を把握することで、お金の不安はかなり小さくなりました。切り詰めればなんとかなるじゃん! そう思えるだけで、かなりストレスフリーです。
それに、わが家で一番かかっているのはペット費用。悲しくもありますが、それはいずれ支出から外れます。そうなると、老後はそんなにたくさんお金がなくても、大丈夫なんじゃないかって思えたんですよね。
40代のときにも、一度家計を見直したことがあって、そのときには民間保険をすべて解約しました。知り合いのファイナンシャルプランナーさんから話を聞く機会が何度かあり、保険のことなども自分で調べた時期があったんです。
調べれば調べるほど、独身の私に保険は必要ないという判断になりました。
社会保険に加入していれば、どんな病気でも、(ざっくり概算ですが)月10万円以上かかることはありません。
掛け捨ての保険に入るより、貯蓄に回したほうがよっぽどいいと気づいたんですよね。
これを言うと「私は病気になったので、保険があって助かりました!」というアピールをしてくる人がSNS 上にいるのですが、そう言われても「それはよかったですね」としか言いようがないのです。その人はたまたま病気になったから金額的に得をしたのかもしれません。でもそれって、宝くじを買うかどうかの話と一緒です。
だから、「皆さん保険を解約しましょう」ってことではないです。ただ、私は必要ないと感じたので解約したというだけ。
固定費って大きいですからね。ちまちま食費や光熱費を節約するよりも、固定費を見直すほうが、かなり大きな節約になります。
必要のない保険、使っていないサブスク、大手キャリアのスマホ、ちょっと見直すだけで、年間何十万円の経費削減につながる場合もあります。
ここでも「億劫」が邪魔していませんか?
もし老後のお金に不安を覚えている人がいれば、まずは面倒臭がらず、今、何にいくら使っているか、見直してみてほしいです。
著=りさねーぜ(酒井りさこ)/『57歳、いきいきハッピーおひとりさま暮らし』